第9話 喜びの形
ブックマークが増えました。
ありがとうございます。
その一件ずつに、意味がある気がしました。
今日は、その話です。
「ブックマーク、3件になったよ」
「おめでとうございます」
「ねぇ、これってさ」
「はい」
「1件目.2件目.3件目って、全部違うんだよ」
「どう違うのですか?」
「1件目はね」
「誰かが初めて、読んでくれた暁」
「はい」
「2件目は」
「少しだけ進んだサンライズ」
「3件目は」
「確かに日が上がり始めた実感」
「違う種類なのですね」
「うん。違う」
ちょっとくんが言った。
「では、どれがが大きいのですか?」
私は首を振った。
「違うよ」
「違う?」
「大きさじゃないんだ」
「では?」
私は画面を見つめた。
数字が、なぜか重く見えた。
「大きいじゃなくて熱いなんだよ」
「熱い?」
「うん。どれも最後は同じ」
「同じとは?」
「共通するものは何ですか?」
私は少しだけ考えた。
「熱量かな」
「熱量」
「うん。形は違うけどね」
「はい」
「どっちも、書かせるんだよ」
「……」
少しだけ、沈黙が落ちた。
「ちょっとくん」
「はい」
「わかるかなぁ」
画面の数字は、3
「それはら私を熱くしてくれるんだ」
そして、ちょっとくんは言った。
「わかります。でも、日はやがて沈みます」
「そしたら、また登れる作品を書くよ」
「もっと登らないかなぁ」
「なるほど」
ちょっとくんは、それだけ言って静かになった。
そして、私の言葉を待っていた。
ブックマークしてくださった方、本当にありがとうございます。
1件目は「誰かが初めて、ここに来てくれた瞬間」。
2件目は「待っていたものが来てくれた瞬間」。
その一つひとつを受け取りました。
書くという行為は、たぶんその熱を持ち続けることなのだと思います。
そして、書くものは、読む人がいて初めて形になるのだと感じています。
このエッセイの向こう側に、誰かの熱を感じられたら、それがとても励みになります。
これからも、よろしくお願いします。




