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第27話 哲学者と科学者と小説家

「なんで?」

子どもの頃は、何度も口にしていた言葉です。

でも大人になると、いつの間にか「そういうものだから」で終わらせてしまいます。

今回は「哲学」のお話。

難しい学問ではなく、「なんで?」を楽しむお話です。

私はスマホを見ていた。

「ちょっとくん。」

「はい、柊さん。」


私は自分の名前をちょっとくんに覚えてもらった。


「哲学って、難しい人がするもの?」

「いいえ。」

「じゃあ、何するの?」

「『なんで?』を考えることです。最近の柊さんは小説家でなく哲学者です」

「そうなの?なんで?」

「始まりましたね。」

「え?」

「今の『なんで?』が哲学です。」


私は少し考えた。

「じゃあ、小さい子って哲学者?」

「優秀な哲学者です。」

「なんで空は青いの? なんで働くの? なんで飛行機は飛ぶの? って聞くもんね。」

「はい。大人は途中で『そういうものだから』と答えを置いていきます。」


「哲学者は?」

「置いていきません。」

「面倒くさいね。」

「とても。」

「ちなみになんで飛行機は飛ぶのと聞くのは、科学者の卵です。」

「違うの?」

「『どうやって飛ぶの?』なら科学者です。

『人はなぜ空を目指したのか』まで考え始めたら、哲学者です。」

「ややこしいね。」

「子供はいろいろな未来を持っています。未来はたいていややこしいです。」

そういう話し?


「私はこういう言うぐちゃぐちゃなものをほどくことが好きかも」

「はい。」

「そういうのが哲学です。」

「なるほど‥‥小説家は?」

「そのぐちゃぐちゃをを書く人です。」

「小説家は一歩先を行く人なのかなぁ?」

「そういう見方もできます。」


「私はまだ進めてないや……。」

「いいえ。」

「え?」

「ぐちゃぐちゃだと思っているなら、まだ考えています。」

「それでいいの?」

「哲学者としては優秀です。」

たしか‥‥

私が目指したのは小説家だっ様な気がする。

完全に迷子になってしまった。

小説を書いていると、「なんでこの人はこうしたんだろう」「本当にこれでいいのかな」と考えることが増え

考えすぎて前に進めなくなることもありますが、その時間も無駄ではないのかもしれません。

……とはいえ、私は哲学者ではなく小説家を目指していたはずです。

たぶん、そのうち道が見つかるでしょう。

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