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その37

 ダンジョンを先に進むほど魔物の出現頻度が上がっていく。初めの蜘蛛の魔物、次に現れえたのは巨大なムカデ、そして今度はカマキリ。虫ばかりである、ただただグロい……

「虫しかおらんの」

「二階層まではこんな感じの様ですね」

 二体のカマキリを倒し特定部位を採取しながらアシュリーが答える、ワシも次からはちゃんとギルドで話を聞いておいて方が良さそうだ。

 そして一階層目の探索を終え二階層目までやって来たが相変わらず虫しかいない、これはさっさと三階層目に行くに限る。

 アシュリーとの連携も阿吽の呼吸で問題なさそうだ、さすがに師弟コンビというところか。それにしてもやはりアシュリーは強い、まだまだ余裕がある。

 何の問題もなく二階層目を後にし、三階層目へと降り立った。

「ここからは少し道の分岐が多くなりますので注意してください。タイミングが悪いと魔物に囲まれてしまいます」

 アシュリーがダンジョンのマップを確認しながら声を掛けてきた。ガイドが完璧すぎてワシは何もすることが無い、ちょっと本当にアシュリーに頼りすぎているなとさすがに反省してしまう。

 アシュリーが広げたマップを覗き込むとどうやらここのダンジョンは階層を進むにつれ広くなっているようだ。迷路とまではいかないが二階層目までと比べてかなり道が入り組んでいる。ワシ一人だと迷子確定である。

 三階層目で遭遇した魔物はカエルにトカゲ、そしてヘビ。どうやらここからは爬虫類ゾーンの様だ。

 ダンジョンに現れる魔物はそのダンジョン固有の種らしく名前の最初にそのダンジョンの名前が付くらしい。なのでカエルはアシリアフロッグ、トカゲはアシリアリザードそしてヘビはアシリアスネークとなるらしい、もちろん全てアシュリー談であることは言うまでもない。

「魔物の強さはまだそれ程ではないの」

 カエル、ヘビ、トカゲを一通り倒したところでスーパーガイドのアシュリーに声を掛けた。

「そうですね、この辺りはまだダンジョンの入場規定のCランクといったところですね。この先の五階層目のボス部屋を越えるとBランクの魔物も出るようになります」

 ボス部屋だと! なんと好奇心を煽る言葉だ、これはワクワクが止まらない。

「楽しみじゃの」

「ボスとはいえ少し手強いCランクの魔物ですが」

 ワシの期待とは裏腹に冷静なアシュリーの言葉。まあそうですよね、いきなりドラゴンとかはないですよね。

 そしてアシュリーのガイドに従い、四階層、五階層とあっさりと進みボス部屋の前へとたどり着いた。

 五階層目の最奥、そこはいかにもボスがいますよと言わんばかりの大きな扉があった。

「これがボス部屋じゃの?」

「そうですねダンジョンには大抵五階層ごとにこういったボス部屋があるんです。そして稀にですがボスを倒した後に色々な物がドロップします」

 ボス部屋を前にアシュリーに確認してみたがドロップ品があるとはファンタジー全開ではないか。レアドロップに期待せずにはいられない。

「では早速入るとするかの」

 ボス部屋の扉を強く押し開ける。中は薄暗く広いホールのようになっていた。

 中に入りホールの中央に向かって進んで行くと外周の壁が仄かに光っていき、入ってきた扉が音を立ててゆっくりと閉まる。

 そしてホールの奥に薄っすらと魔物のうごめく影が見えた。

「どうやらここのボスはアシリアレッサードラゴンのようですね」

 そう言うとアシュリーは抜刀し剣を構えた。

 いや、いきなりドラゴン出た、少し大きなトカゲの方だけど。

 アシュリーに続きワシも抜刀し刀を構える。とはいえ少し手強いCランクの魔物、ワシとアシュリーだと間違いなくオーバーキル確定なのは間違いない。

 アシュリーに目配せし前に出るとそのまま斬りかかる。そして一応ドラゴンの名を持つ大きなトカゲは一刀のもとに斬り伏せられた。ワシ一人でも十分オーバーキルだった様だ。

 動かなくなったなんちゃってドラゴンから特定部位を採取し消滅していくのを見つめ物思いにふける。

 ダンジョンから帰ったらもう一回ドラゴンステーキを食べよう。

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