表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/43

その27

 は~るばる~来たぜア~シリア~、自然と鼻歌が出る。今はそんな気分だった。

 途中でオスローで受けた魔物の討伐をこなし、初の野宿も経験しついにアシリアに到着しのだ。

「おおー、人でごった返しておるの」

 街はそれほど大きくはないがその大きさに見合わないほどの人で溢れ返っている。そして道を行くそのほとんどの者が様々な装備を身に纏ったした冒険者達だった。

「ダンジョンのある街はどこもこんな感じです。ダンジョンのある街と言っても街にダンジョンがあるわけではなくてダンジョンのある場所に街が出来たというのが正しいですが」

 お馴染みの異世界ガイドのアシュリーが解説をしてくれる。

「まずは冒険者ギルドに報告かの」

「そうですね、ダンジョンへの入場許可証も必要ですし」

 どうやらダンジョン自体の管理は国が行っているようだがダンジョンに入るためには冒険者ギルドから許可証を発行してもらわないといけないらしい。危険が伴う場所だけに冒険者ギルドからのお墨付きが必要というところか。

「ダンジョンに入るのにも入場料が取られますので依頼達成の報酬も必要ですね」

 異世界ガイドのアシュリーが言うには、ダンジョンの入場料は管理運営のためというのもあるようだが国にとっては結構な収入源になっているらしい。

「では向かうとするかの」

 大通りを真っ直ぐ進んだ先に見慣れたオレンジ色の看板が見える、冒険者ギルドだ。あまり彩のない街の中ではかなり目立つ。

 冒険者ギルドに着くと真っ直ぐ受付カウンターへと依頼の報告に向かう。

「オスローで受けた依頼の報告をしたいのじゃが」

「依頼の報告ですね、かしこまりました」

 カウンターにいた受付嬢が笑顔で応対する。ギルドの受付嬢というのは愛想の良い娘ばかりだな、まあアシュリーがワシに向ける笑顔には敵わんだろうが。

 依頼書と魔物の討伐証明部位を渡すと受付嬢はそれを奥に持って行く。そして少し待っていると受付嬢が戻ってきた。

「討伐依頼の確認が終わりました、こちらが報酬になります。ご確認ください。それと、十兵衛さんの冒険者ランクがEランクからDランクに昇格の通達が出ています。こちらが新しい冒険者タグです、こちらも併せてご確認ください」

 なんとまた冒険者ランクが昇格だと! こんなにすぐに昇格ってするものなのか?

「おめでとうございます、師匠」

 アシュリーが嬉しそうに声をかけてくる。

「ありがとうアシュリー」

 アシュリーに礼を言ったところで肝心なことを思い出す。ダンジョンの入場許可証も貰わねば。

「すまぬがワシ等はダンジョンに行きたいのだが入場許可証を発行してもらえんかの?」

 カウンターにいる受付嬢にそう声をかける。

「ダンジョンですか、申し訳ありませんこの街のダンジョンに入るためにはCランク以上でなければ許可証は発行できません」

 なんだと?! ダンジョンに入るのにはランクの制限があるのか!

「ではCランクになるにはどうしたらいいんじゃ?」

 ダンジョンにはどうしても行ってみたい、なんとかならないものか?

「Cランクですか、それでしたら実績を積んでいただく他は……十兵衛さんはDランクになったばかりですので早ければで二ヶ月もあれば可能かと」

 二ヶ月! Dランクまでは早かったのにCランクに昇格するのにはそんなに掛かるのか。そんなに待てん、さてどうしたものか……

「すみません師匠、師匠の剣の腕を知っていましたのでランクの件を失念していました」

 アシュリーがすまなさそうに頭を下げる。

「アシュリーが悪い訳ではなかろう、そう言う決まりなのだ仕方のない事じゃ」

 内心ではかなり気落ちしていたがアシュリーのせいではない、一先ずこれからどうするか考えねば。

「せっかくじゃ、街でも見て回ろうかの」

 そう促し冒険者ギルドを後にする。


「せっかく来たんじゃしダンジョンの入り口まで行ってみるかの」

 ダンジョンに行けると上がりまくっていたテンションを一瞬で刈り取られてはいたが諦めきれず、未練がましくせめて一目だけでも見ておくことにした。

 アシュリーと共に冒険者ギルドで聞いたとおりにダンジョンに向かって歩いて行くと更に人通りが多くなってくる。

「ほんとに人が多いの」

「そうですね、ちょっと多すぎる気がしますが何かあるんでしょうか?」

 異世界ガイドのアシュリーから見てもこの人通りの多さの理由は分からないようだ。

「ちょっとそこの露店で聞いてみようかの」

 通り沿いに並んでいた良い匂いのしてくる露天に向かうと店主に声をかける。

「串焼きを二つ貰えるかの」

「はいよ」

 店主が元気のいい返事と共に焼きたての串焼きを渡してくる。

「ところで店主よ、やけに人が多いように感じるんじゃが何かあるのか?」

 店主から串焼きを受け取ると一つをアシュリーに渡す。

「爺さん達も冒険者だろ? 武闘大会を目当てに来たんじゃないのか?」

 武闘大会、初耳だ。そして店主は更に続ける。

「ここアシリアでは二年に一回武闘大会が開かれるんだよ、人が多いのはそのせいさ。大会で優勝すれば賞金も出るし、何より大会の優勝という栄誉が与えられる。腕の立つ冒険者は挙って参加してるぜ」

 栄誉か、興味ないな。冒険者なら冒険しろと小一時間説教してやらんと。

「それと今回は副賞で二年間有効の入場料免除のダンジョンの入場許可証が貰えるようだぜ」

 ダンジョンの入場許可証が貰えるだと! ワシは振り返り笑みを浮かべるとアシュリーに宣言する。

「アシュリーよ、ワシは武闘大会に参加するぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ