その25.5
上を見上げるとよく晴れ渡った青空が広がっている。
そして、雲一つなく快晴と呼べる空には太陽がまぶしく輝いている。一応絶賛冒険中なのだがそれにしてもいい散歩日和である。
アシリアへと向かう街道をのんびりと進みながら先程からアシュリーに魔法についてあれこれ聞いていた。
「アシュリーよ、魔法で空を飛べたりはせんのか?」
自分で魔法を使う事は早々に諦めはしたが魔法への興味が無くなった訳ではない。ならば異世界ガイドであり異世界大先輩のアシュリーに聞くのが一番だ。
「魔法で空をですか……すみません私は聞いたことがありませんね」
少し考え込んだアシュリーではあったがどうやら魔法で空は飛べないようだ。
「そもそも魔法で空を飛ぶなんて言う発想が私にはありませんでした、とても勉強になります」
アシュリーの師匠補正はちょっと病的な方向に向かいそうである。
「そうか空は飛べぬか」
そう呟くワシをアシュリーが興味深そうに見つめている。また、さすが師匠ですと言われそうである。
そしてしばらく街道に沿って歩いていると遠くから何か声の様なものが聞こえてきた。
だが、街道には人の姿は見えない。悲鳴のように聞こえるその声に集中してみると声は上の方から聞こえてきているようだった。
視線を上に向けるとそこには杖にしがみつき空を突き進む少女がいた。
「きゃぁぁぁあああぁぁぁー」
すごい勢いで前から空を突き進んできた少女はその勢いのまま後方へと更に突き進んで行ってしまった。
「アシュリーよ人は空を飛べるようじゃの」
思わずその光景に見入ってしまった。
「そ、そうですね……飛ぶというか飛ばされているようにも見えましたが……」
異世界大先輩のアシュリーですら初めて見た光景のようだった。どうやら異世界はまだまだ知らないことが沢山溢れているようだ。
この先の冒険も楽しくなりそうだ、そんなことを考えアシリアに向けてまた街道を歩きだすのであった。




