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転生なんて望んでない  作者: ヒスイ
17/22

17話 2日連続

「本当に大丈夫?」


「大丈夫だって」


玄関にいるうちをものすごく心配する母さんを何とか送り出そうとするが全然行ってくれない。

昨日は家に帰ってからはいつも通りのんびりしていた。両親は帰った瞬間物凄く心配してきた。大丈夫と伝えたが6年前のこともあり1日中体調を凄く心配していて、次の日も休むかと話していたから慌てて止めた。


「本当に?」


「いいから、行きなって」


「何かあったらすぐ連絡するのよ。あとは家でゆっくりしと」


ガチャ


そして、今日も心配してくる母さんに呆れながらも背中を無理やり押して家から送り出した。

その場にため息をしながらしゃがみこむ。心配されると疲れるが、懐かしくなる。


「あはは…ほんと、弱いや…」


涙がポロポロと落ちる。心配されると1番感じるのは悲しいという感情。前世のお母さんの心配性を思い出し会いたくなる。また心配して欲しいなんて思って悲しくなる。


「早く切り替えないと…」


このまま前世の事を引きづっていたらダメだ。ちゃんと向き合わなければいけない。けど、向き合う勇気さえない。


「はぁ…」


目を擦り頬を叩いてから立ち上がり前世のことは考えないようにする。

朝から憂鬱な気分になりながらも朝食の準備をのんびりする。今日は昨日のディアボルスの影響で学校は念の為休み。母さんと父さんは仕事で、兄さんはスクートムに行った。


「佳奈が居たらなぁ…」


佳奈が居たら今すぐ家に誘って遊びまくる。なんにもすることが無くつまらない日を沢山やりたいことができ、明るく楽しい日にしてくれる。


「だめだめ…」


また思い出し泣きそうになる。転生してから15年経った今でもまだ覚えてられる前世の記憶。それほどうちにとって大切な記憶だ。忘れてこの人生を楽しみたいという思いは少しあるが、忘れたくないという気持ちが大きい。やっぱり向き合うしか無さそうだ。今月中からでも転生したことと向き合おうと思った。


「あ…」


よしと視線を涙をこらえるために見ていた天井からオーブンで焼いていたパンに目を向けた。そこに見えたのは真っ黒とまではいかないが焦げているパンがあった。


「昨日に続き厄日かな…」


今日も最悪な1日のスタートだ。



「本当に2日連続で厄日なんてある?」


コンビニから帰ったうちは玄関に疲れたようにしゃがみこむ。

何故疲れていたのかというと、1時間前にアイスが食べたくなり徒歩5分の近くのコンビニに行った。そこで無事にアイスを買い終え、家に帰っていた。買い終えたとこまでは良かったのだが、帰り道が最悪だった。


狭い道がありその道をおばあちゃん2人が横に並んで喋っていた。通れずどうしようとパニックになっていたら後ろから自転車が来ていてチンと鳴らされたから急いで避けた。


「あぶっ」


おばあちゃん達は気付いてなくぶつかりそうになり自転車の人は転けそうになり危なと言いかけていた。


「おい!」


そして何故かおばあちゃん達ではうちに怒鳴ってきた。何もしてないのに怒鳴られたうちはどうしていいか分からず困っていたら。


「お前のばあちゃんだろ!しっかり見とけ!」


また怒鳴ってきた。うちをおばあちゃんの孫だと勘違いされ怒鳴られた。おばあちゃん達も何か否定してくれればいいのにただ見ているだけ。孫じゃないと言ったら自分たちが怒鳴られるから言わないのだろう。


「いや、違います。他人です」


だからうちが孫じゃないと言ったら自転車の人はそうなのかと確認するようにおばあちゃんたちの方を向いた。


「酷いわ。みきちゃんのおばあちゃんでしょ。そんなこと言わないで欲しいわ」


「そうよ。中村さんが可哀想じゃない。」


おばあちゃん達は自分たちを優先しうちを孫といった。それを聞いた自転車の人はそれを信じまたうちに怒鳴ってきた。


「おばあちゃんなのに違うと言うとは最低だな!ちゃんと世話を見ろ!普段から見ないから俺が怪我したんだぞ!」


さっきよりも怒られ嫌になったうちはどうやってこの場から逃げれるか考えた。

このまま真っ直ぐ行っても自転車の人にすぐ追いつかれてしまう。なら、Uターンし走ってからどっかの建物に入って逃げようと思った。


「あ!」


何も無い所を指で指し大声で言う。その場にいるうち以外の人が指を指した先を見る。そのうちに逃げる。


「あ?何もねぇじゃね…か…っておい!」


意外と早く気付かれたが向こうは自転車をUターンさせるのに手こずっていた。そのうちに走って逃げ入り口が2個あるコンビニに入り反対の出口から出た。


「ここまで来れば大丈夫かな」


自転車なためコンビニの中は通れないし、そもそもコンビニに入ったとこも見られてないだろう。


「早く帰らないとアイスが…」


袋の中にあるアイスが心配になり少し触ってみるとふにふにともうほとんど溶けていた。

もう一個買う所持金の余裕も無く仕方なくそのまま帰った。コンビニからは蚊柱に突っ込んだり、犬のフン踏んだり、後ろで急にパトカーのサイレンが鳴って凄く驚いたりぐらいしか無かった。


家に着いてからは今日も厄日なことに文句を言いながら玄関で少し休んでから溶けきったアイスを冷凍庫に一応入れた。


「うちは何のために外に出たの…」


何も収穫が無かったうちは兄さんのアイスを勝手に取り食べ無理やり自分を満足させた。


「…美味い」


兄さんが買ってきていたアイスは思ったより美味しかった。


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