己の力で生き延びるため
昨日は、カヤさんおすすめの食堂で晩ごはんを食べて、ばぁちゃんが念を押しまくって手配して貰った普通の宿で一泊。
今日、再びセンバ商会で改めて僕の道具類を選ぶ事にした。
包丁を選んでいると
「ユズリハぼっちゃんはダンジョンに入るご予定は有るのですか?」
カヤさんが聞いてきた。
そうだった、ダンジョンってのがあるんだったね!見たことないから見てみたいかも!!
「わふ?」『そこ、思いっきり走れる?』
「メェ?」『食べたことない美味しい草、ある?』
「にゃ!」『魔獣ごときアタクシが蹴散らすわ!』
「わん!」『もみじ、ボッてやるボッて!』
わびすけ達がひょこっと出てきた。
そうだね、精霊王様の森から離れてからあんまり走り回ってないね?もしかしてちょっとストレスだった?
…でも、もみじ、ボッてナニ、ボッて?
僕が下を向いて固まってたら、カヤさんが「…?ナニか気配が…?気のせい?」と言いながらキョロキョロ周りを見回す。
ああ、精霊は人間に見えないんだっけ。
「ばぁちゃんに聞いてみるけど、僕は行きたくなってきたよ!」
カヤさんに言うと
「ユズリハぼっちゃんに戦う術は有るのですか?」
「僕は魔法!」
「魔法のみで?」
「うん!」
「…ブルーメ様とご相談しましょうか?」
「うん?」
「ダンジョン内で魔力が足りなくなったら、結局は己の足で逃げ切り、己の手で戦うしか生き残る術はありません。武器も1つご用意して、慣れておいたほうが良いかと」
「なるほど?」
「いまいちご理解頂けてないようなので、ブルーメ様にご相談いたしましょうね!」
「うん!」
握りやすい包丁を1つ選んで、ばぁちゃんとタチバナさんが離してる所に戻って扉を開けて叫んだ。
「ばぁちゃん!包丁1本決めたよ!ちゃんと予算内だよ!
あとね、ダンジョン行きたいの!わびすけ達が思いっきり遊びたいって!
そしたら、カヤさんが武器を1つ選べって!選んで良い?」
「ユズリハ、いきなり結論だけ並べてしゃべるんじゃないよ!とりあえず、座りな!カヤ、説明しとくれ!」
ばぁちゃんが僕じゃなくカヤさんに説明を求める。ぶぅ、なんで僕じゃないのさ。
「あ、はい。
ユズリハぼっちゃんにダンジョンに行くご予定を尋ねましたら、行きたいとおっしゃいました。
そして、戦う術は魔法のみと伺いました。
ダンジョン内で魔力切れを起こして、そこで倒れたら死ぬ可能性が高いです。
ですので、魔力が足りなくなる前に、自分の手で魔獣を倒しながら自分の足で撤退するしかありません。
そのために、武器は1つお持ちになり、戦い方に慣れておいたほうが良いかとご提案致しました」
「ああー、ど正論だわなー。しかも、ユズリハは魔力切れを起こしやすいからなー」
ばぁちゃんが額に手を当て天を仰ぐ。
「確かにダンジョンなら訓練に最適かもしれないねぇ。
でもダンジョンに入るための訓練も必要たぁ、皮肉なもんだ。
しかも、ユズリハが自分で武器を選んだって適正だの使いこなせるかだの、わからんだろう?
ああーー、タチバナ。ものは相談だ。
アタシが下級ポーション大鍋1つ分、ここで作ろう。その間、2時間ぐらいか、ユズリハに護身術を教えてくれる人間を紹介してくれないか。ユズリハに使いこなせる武器の見極めもお願いしたい。
報酬は作った下級ポーション大鍋1つ買い取った金額で、期間はとりあえず1週間ぐらいかい?」
「大変に魅力的なご提案です!
大鍋1つ、ポーション100本ぐらいでしょうか!そうなると2時間で大銀貨3枚はなかなかに高額ですし、ポーションは3日に1回納品頂けると大変助かりますので、大鍋1つ分で2時間3日稽古つけるというのでどうでしょう!
センバ商会の護衛をしている者がお相手を勤めさせて頂きます、実力は保証しましょう!」
「どうだい、ユズリハ、稽古受けてみるかい?」
「うん!僕、強くなるよ!」
バッタバッタと敵をなぎ倒すよ!!
侘助 敵が来たらボクが凍らせるよ!
ムク ムクが落とし穴に落としてあげる!
紅葉 もみじがボッてするのよ、ボッて!!
楓 だから、そもそも敵をユズリハに近づけさせないわ!
ブル だからそれを全部ユズリハの魔力でやるからユズリハが倒れるんだろうが!!!
もふ達 アッ…!!!
**********
お読み頂きありがとうございます!
良かったら、星をポチっとな★
評価やブックマーク、リアクションなどなど頂けると、泣いて喜びます。




