幕間 ばぁばの昔語り 3
一目見て、ああ、この人がエミリオ様の双子の妹だ、ってわかったね。
「リア様!この人、葉っぱしか食べれないんだって!だからリア様に食事のアイディア貰いたいんだって!
明日、リオ様と一緒にお茶しましょう!あ、体調が良かったらでいいですからね!」
イチイ様が車椅子に駆け寄ってその人の手を取り、アタシの事を説明してくれる。
すると、まじまじとアタシの顔を見て
「葉っぱのみ…?もしや…エルフさん?」
こてん、って首をかしげて聞く様が、そりゃぁもうお綺麗で。いやぁ、芸術品ばりの人間って初めて見たわ!
「お、おぅ…」「さすがリア様!」「俺の女神」
なんか車椅子を押してるおじぃちゃんが女神とか言ってるけど、うん、気持ちはわかる。
「まぁまぁまぁ!初めてお目にかかりますわ。エルフさんって実在しましたのね!いろいろお話伺いたいわ!」
「リア、今日はもう疲れてるだろう、明日にしよう」
「もう、ライも過保護ね。でも明日はお兄様もご一緒って言ったものね、明日の楽しみに取っておくわ。じゃぁエルフさん、また明日♪」
そう言ってニコニコと手を振って、当たり前のように車椅子を押してたおじぃちゃんにお姫様抱っこされて、飛んでった。
うん、おじぃちゃんも飛ぶんだな?
「…おい、あの御婦人。飛ぶって、身体の負担はないのか?」
飛んでった方を見ながらイチイ様に聞くと
「えーー?抱っこされてるし?早くお家についてゆっくりした方が良いでしょう!」
なんでそんなこと聞くんだ、って感じで断言された。
「うん、なんかわかってきたぞ。アンタら、脳筋だな?」
「リオ様によく言われる!」
ニコニコとしてるが、そこまで良い意味で使われないからな?
そして次の日、驚きの出逢いがあった。
エミリオ様とイチイ様の家の家令を引退して、逆に従者に戻って、エミリオ様の側付きをしているという人も一緒に来たのだが。
アタシを見るなり、どっか飛んで行った。
いやもう驚くまい。ココのお年寄りは飛ぶんだな?
「ハジカミどうした?!って、もういねぇ!」
「昨日は居なかったね?」
「ああ、昨日は休みを与えていたな?まぁ、すぐ戻るだろう。ディももうすぐ来るはずだ」
って、応接室に案内されて、一息ついたら、
バーーーーンと扉が開くと同時に真っ赤な塊が駆け込んで来て、アタシの前で止まった。
それは、真っ赤な薔薇の花束を抱えた、さっき飛んでったおじぃちゃん。
「老いらくの恋と笑われましょうが、みっともないと言われましょうが、甘んじて受け入れます。自分もそう思います。
ですが、どうにもなりません。
どうか、どうか、この老い先短い人生を受け取って貰えませんか!結婚してください!!!」
跪いて、薔薇の花束を掲げ許しを請うおじぃちゃん。
あまりの事に固まるアタシ。
呆気にとられるエミリオ様とイチイ様。
そんな時間が止まった場所に
「あらあらあらっ!プロポーズ大作戦ですの?フラッシュモブとか始まりますの?!」
のんびりした声が響く。
フラッシュモブ?って、いやまさか?
ユーディリア様が顔の前で両手を合わせて、頬を染め、キラキラした顔でこっちを見てる。
グハッ!
可愛い過ぎるやろッ!!
思わず胸を押さえたら、屈むような形で、花束を受け取るように見えてしまった。
「キャーーー!ハジカミ、受け入れて貰えましたのね!!ライ、見ました?見ましたよね!!」
乙女のようにはしゃぐユーディリア様が余りにも可愛くて、ちょっと見とれてしまったら
「ぐほっ」いきなり強い力で抱きしめられた。
「残り少ないこの命、貴女のために使います!!!!」
どうやらアタシは、プロポーズを受け入れたと思われたらしい。
ブル センバのお年寄りが自由すぎる…!!
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