幕間 ばぁばの昔語り 2
目の前にいる小さなおばぁちゃんに、センバ商会の紹介状があること、魔の森の薬草を使ってポーションを作りたい事を説明すると、
「リオ様に相談ですね!」
「リオ様?」
「ハイ!!センバの頭脳です!」
「領主様ってことかい?」
「いいえ?領主はアカシアです!」
「…案内して貰っても良いかい?」
「最近リオ様はお疲れ気味なので、聞いてきます!ちょっとここで待ってて下さいね!」
そう、言うが早いか、その小さなおばぁちゃんは、ドン!!っと土煙をあげて、文字通り飛んで行った。
そん時のアタシは、このおばぁちゃんは炎属性で、足からジェット噴射してるんだと思ったんだよ。
まさか、素の身体強化だけで、人間が、しかもおばぁちゃんが、1キロ近く飛んでいけると思わないじゃないか。
ってか、本気で放置かい?!!
アタシが密猟者だったらどうするんだい?!誰も監視を置かないんかい!
ここの領地、大丈夫かい?!って、本気で心配しちまったよ。
でもまぁ、後で魔の森に入ったら、普通の密猟者なんてすぐリタイアなんだな、ってわかったけどね。
5分ぐらいかね?戻ってきたおばぁちゃん。
「リオ様がお会いするって!案内します!リオ様の貴重な時間を貰うんで、急ぎます!」
そう言うとおばぁちゃん、いきなり、アタシを肩に俵担ぎして、飛ぶんだよ!!
「はぁぁぁあああ?!!!ストーーーーップ!!アタシも飛べるよ!」
「え?」
ドン、と地面に着地したおばぁちゃん。
「人間のおばぁちゃんにそんな無理させられないよ!ちゃんとついて行くから下ろしとくれ!!」
「え?本当に?」
「ああ。嘘ついてどうすんだい。桜子!頼むよ!」
「ん?なんかいる?」
「おやおやおやおや、人間で精霊の存在を認識できるなんて、おばぁちゃんすごいね!さぁ、行こうか!」
「わかりました!ついてきてください!」
そして、ちゃんと付いていくと、びっくりしつつも特大の笑顔を見せるおばぁちゃん。
くぅ、おばぁちゃんなのに可愛いじゃないか!!
そして会ったリオ様ことエミリオ様。
おおぅ、ロマンスグレーってこういうのを言うんだろうね!!
「ってか、エルフに引けを取らないぐらいの美形、しかもおじぃちゃんって、若い時はどんだけの美形だよ?!本当に人間かい?!
え?双子?妹がいる?これの女性バージョン?!もはや傾国の美女も真っ青なんじゃないのかい?」
「そう!ディは人間界の至宝!アンタ分かってるね!!って、エルフ?なにそれ?」
そっからエミリオ様と意気投合、エルフの事も別の大陸の事旅してることも、食事の事も話したね。
「ああ、食事とポーションなら、ディかなぁ。明日、ディの調子も良さそうなら一緒にお茶をしよう。イチイと行くから、今日は領主の館に泊まると良い。
イチイ、案内してあげて。アカシアとポプラによろしく伝えてくれるかい」
「ハイ!!」
そして連れて行かれた領主の館は、城だった。
うぉーーい、ココ、領主が住んでんの?現在進行形で利用中なの?!アタシ、ココに泊まっていいの?!って、見上げて呆然としてたら
「あ、アシタバ!!ポプラ居る?この人ブルーメさん。リオ様のお客さま!今日泊めて欲しいんだ!」
「イチイ伯母さま!了解です!ブルーメ様?案内しますよ!」
「うぉい!!仮にも、いや、こんなすげー城、仮なんて言っちゃ失礼だけど!領主の館だろ?!軽いな、おい!!良いのか!知らないヤツあっさり案内して!ココ、危機管理どうなってやがる?!って、アタシが止めてどうするんだ?!!」
「「あ、いい人だ!」」
「アンタ達!!騙されやすくないかい?!!領主一族がそれで大丈夫かい?!!」
そりゃもう、全力でツッコむよ!!
「クスクスクス。センバの危機管理は本能です。センバが、チィちゃんが警戒してない人は大丈夫なんですよ」
「リア様!!」
車椅子に乗った絶世のおばぁちゃんが、そこにいた。
ブル 可愛いおばぁちゃんと綺麗なおばぁちゃん。クレープやタルトの誘惑に負けず、もうちょっと早く来てたら全盛期の二人も見れたねぇ。
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