ばぁちゃん、容赦ないね!
「ねぇ、王子様?なんだよね?聞いていい?
あのさぁ〝けがれた子〞って、なに?」
僕は知らなかったから、王子様に聞いてみることにした。
「お前、知らないのか?だから自分が言われてもわからなかったんだな!
いいぞ、教えてやろう!!
〝けがれた子〞っていうのはな、お前みたいに色がおかしいヤツ!じゅんすいなエルフじゃないヤツの事だ!」
ゴン!!
「いッだァァァァい!!」
ばぁちゃん、王子様の頭にゲンコツしたね!めっちゃいい音したね?!王子様、頭を抱えてうずくまっちゃったじゃんか!
「うわー、ばぁちゃんのゲンコツ痛いよね!大丈夫?!」
「大丈夫じゃなぁい!!痛いな!なにすんだよ!!」
うん、ちゃんと答えられる王子様、頑丈だね!
「なにすんだ、じゃないよ!色が違うだけで、何が〝穢れ〞だい!!
お前達が大好きな森を見てごらんよ!いろんな種類の植物があるじゃないか!!1種類だけが素晴らしい木だ、それ以外は切ってしまえ、なんて事があるかい?
いろんな植物がいて、動物がいて豊かな森になるじゃないか!!
森に学びな!!
なんでエルフだけが素晴らしいんだよ!なぜお前達はエルフ以外の生き物を排除しようとするんだい!」
「え?」
ぽっかーんとお口を開けてばぁちゃんの話を聞く王子様。
おともだちも、ばぁちゃんの顔を見つめてる。
「なんだよ、王子様ともあろうものが、アタシの話を理解出来なかったのかい?」
「そそそそそそんなことないぞ!うん、森は大好きだ!私達は森と共にいるんだからな!」
「そこしか理解してないじゃないか…
いいかい、良くお聞き。
エルフは確かに2属性以上の魔法が使える。それはそれでいいさ、便利なことも沢山ある。
だからって、なんでそれだけで偉いんだい?
そんなこと言ったら、エルフと共に生きている精霊はそもそも1属性じゃないか。上級精霊になれば話しは別だが。
1属性の精霊をアンタ達は蔑むのかい?
そんな奴らに精霊は手を貸してくれるのかい?
いろんな精霊がいる。
いろんな形や色の精霊がいる。
自分と違う色の精霊を持ってるヤツにオカシイ精霊だ、なんて言うかい?
うちの松雪にそんだけ抱きついといて、パパの精霊と形が違うー、とか言うかい?」
「い、言わないな…?」
「あ、本当だ、この子精霊だ」「すげー、こんなに抱っこしていい精霊、すげー」「私の精霊もこうだったらいいな…」「こっちの子、顔こわいよ?!」
おおぅ!うちの松雪、大人気!!いいよね、もふもふ、いいよね!!
「なら、うちのユズリハの色が違ってたっていいじゃないか!!
しかもうちのユズリハは、2属性以上もってるぞ?属性の数ならアンタ達が蔑む理由にならないだろう?」
「お、おぅ?えっと、えーーーーーっと、…
そ、そうだ!!!
じゅんすいなエルフじゃないのが悪いんだ!!」
「森の話を忘れてるじゃないかい!!色んな動植物がいていいんだよ!そもそも植物の雑交配なんてしょっちゅうだろうが!っていうか、品種改良って言葉を知らないのかい?!
アンタ達エルフだって植物をかけあわせて新しい植物を作るだろうが!」
「おおぅ??」
「しんしゅかいりょう?」「かけあわせ?」「新しい植物って、確かにお薬とかあるよね?」
「そうだろう、そうだろう!
アンタ達!新しい植物は元の純粋な植物じゃなくて良いのに、ハーフエルフがダメな理由を親から聞いてこい!!
よし、行け!!」
「えええぇぇぇ?!!」
「まつゆき!また来るよ!」「もっふもふ、帰りたくない!!」「怖い顔のもふもふ!次はお前の顔にビックリしないからな!」「ハンカチ、洗って返します…」
なぁんだ、みんな良い子じゃん。
「あ、ハンカチは気にしないで!またねぇ!今度はちゃんと遊ぼうね!!」
「「「「うん!!」」」」
「ちょっと待てぇ!お前達、アイツの味方をするのか?!」
王子様だけ、僕のこと嫌いなままみたいだけど。
「ふっふっふ。
子供の純粋な疑問に、頭の固い親達はどう答えるんだろうねぇ?
それにしてもあの王子、もう一発ゲンコツ食らわしときゃよかったかな?」
ダメだよ!
ばぁちゃんのゲンコツ、1日2回は、たおれちゃうよ!!
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