ばぁちゃん、やりすぎぃ!
「ちゃんと自分で確かめようとする賢さ。流石アタシの孫だ。なんて可愛いんだろう。この可愛いさがわからないなんて、あいつら人生損してるよ!いや、アタシのユズリハだ、知らないなら知らないでいいか?」
「ばぁちゃん!なんかあの子達、すっごい怒ってる?!」
全然聞こえないけど、こっちを指差して真っ赤な顔で何か大きなお口を開けて言ってる。
「ああ、こっちがなにも反応しないから怒ってるんだろうねぇ。
桜子、アタシに合わせておくれ。
すぅー…
ガキども!!!いい加減におし!!!」
ばぁちゃんは大きく息を吸い込んでから、大声で叫んだ。
その声がいつもの何倍も大きくて、ビリビリ震えて、ばぁちゃんの前にいた子達がビックリしてひっくり返っちゃった。
「ピーピーギャーギャーと、こっちが大人しくすりゃ調子に乗りやがって、アンタ達がアタシに勝てるとでも思ってるのかい!!」
ばぁちゃんの髪が逆立ってる。あ、桜子も怒ってる?
「「「うわああぁぁーーー!!」」」
何人かは座ったまま後ろにさがろうとしてる。
うんうん、ばぁちゃんが怒ったら怖いよねぇ。なんで怒られないと思ったんだろうねぇ?
「お、お、お、お、お前に言ってるんじゃない!お前は父上の妹なんだろう!ハイエルフなんだろう!だったら私達の味方をするべきだ!
や、やい!そっちのチビ!!お前がいるのが悪いんだ!けがれた子どもめ!お前がいるからそこのハイエルフが父上の味方をしないんだ!
けがれた子どもなんかいらない!出ていけ!ハイエルフをかいほーしろ!!」
なんか、一番キラキラした子が僕を指差して怒ってる。
けがれた子?なにそれ?
「ふざけるんじゃないよ!!!」ピカッゴロゴロッ!!!
ばぁちゃんから、1つ雷が出た。
「ぎゃぁ!!!」「コワイコワイコワイコワイ!!」「ママぁ!!」「うわああああーーーーーん、ごべんくだざいいぃぃぃ」「…」
うずくまっちゃう子、大声で泣き出す子、ごべんくだざいってなに?え?ゴメンにくださいなの?いやちょっと、ひっくり返って動かない子がいるんだけど?!
「ばぁちゃん!!やりすぎぃ!!」
「はぁ?!雷1つ、後ろから出ただけだろう?!近くに落としてもないよ!!」
「いや、この子達、ばぁちゃんの事知らないんでしょう?!大丈夫?ハンカチ貸してあげる!全然怖くないよ、ばぁちゃんは、ちっとも!まったく!本気じゃないから!!本気だったらもう死んでるから、ね?大丈夫でしょう!!」
「「大丈夫じゃなぁい!!」」「ママぁ!」「うわぁぁぁあん!しぬの?じぬのいやぁ!!」
「大丈夫、大丈夫だよ!死なないよ!あ!松雪帰ってきた!まつゆきぃ!!ほらもふもふだよ、気持ちいいよ、あんんしんするよ?桜子も、あ、イヤですか、ごめん。くりのすけぇぇ!その子はうずくまって地面掘ってるわけじゃないから!隣で掘り掘りしないで?!
ばぁちゃん!これ、どうするのぉぉぉ!!」
「ユズリハ、流石アタシの孫!!お前、面倒見良いんだね!」
「そうじゃないでしょぉぉ!!ばぁちゃん、ごめんなさいは?!」
「なんでだい?!このガキどもが悪口を、」
「でも、雷が怖かったの!怖がらせたのはばぁちゃんなの!やりすぎたらごめんなさいなの!」
「流石ユズリハ、アタシの教育の賜物!なんて良い子なんだい!!」「ばぁちゃん?!」
「ハイハイ、ごめんよ、ガキども。でもわかったろ、イヤなことするヤツは反撃にあう事もあるんだよ。学びな!」
ゴメンって言ってるけど、仁王立ちで全然謝ってる感じがしないばぁちゃん。
「ばぁちゃん…」
僕は泣き止まない子をヨシヨシしながら、ばぁちゃんの方を、それから周りを見る。
松雪は両方から抱きつかれ、ひっくり返ってる子は栗之助がベロンって顔舐めてる。「みぎゃあ?!」あ、起きた。寝起きで栗之助のアップはビックリするよね。
「…アイツ、良いヤツじゃんか」
「そうだろう?人から言われた事を鵜呑みにするんじゃなくて、自分で行動して確かめな。
これだけ言っとく。
人を種類だけで判断するエルフの教えが、アタシは嫌いなんだよ」
ばぁちゃん、王子様の頭をわしゃわしゃしてる。
仲直りできたの?
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