エルフの里の王子さま
「わふっ!」
桜子が突然吠えた。
「どうした、桜子。
ああ、クソガキどもがやってきたのかい。毎日飽きもせずやってくるたぁ、よっぽど暇なのかね?」
ばぁちゃんがため息混じりに言った時、小さな人影が見えて、こっちに向かって叫んでる?でも、何も聞こえないんだよなぁ。
「ああ、あれかい。桜子が風向きを変えてるのさ。声がこっちに聞こえないように。
聞こえたらアタシが暴れ回るってわかってるからねぇ。
どうせくだらないことを言ってるってわかってるんだけどね、腹が立つものは立つんだよ」
ばぁちゃんが仁王立ちで、げんなりしている。
「ふーん?ばぁちゃんが怒るような事をわざわざ言ってくるって、なんで?
ばぁちゃんに怒られたいって事?僕は絶対イヤだけどなぁ?ばぁちゃんのゲンコツの痛さ知らないの?
ってかさぁ、ばぁちゃん。アレ、だれ?」
「ブッフォ!ユズリハ、お前、あいつらの事知らなかったのかい?!」
「え?会ったことある?」
「…、……ないかもしれないね?」
「だよね?!よかった!知ってる人、ずっと知らんぷりしてたらそりゃ怒るよ、ばぁちゃん!
あれ?
ってか、じゃぁ、なんで知らない僕たちに怒ってるの?」
「うん、お前がまともな感性の子だって事が、あいつらが腹立つエルフの感性だって事が、よっくわかったよ」
「???」
「さっき、アタシの娘がハーフエルフで里の奴らにいじめられたって言っただろう?
ユズリハ、お前の事も悪く言ってるんだよ。
しかも、あんのクソ兄貴、自分の子供に言わせてるのが余計にタチが悪い。
そう、あの子達はクソ兄貴の子供、エルフの里の王子様とその取り巻き達だね」
「えっと?ばぁちゃんのにぃちゃんのこども?」
「そうそう、今のところ末っ子だね。ユズリハの1歳上だったかね?まぁ、もしかしたら150年後ぐらいにもう一人ぐらい生まれるかもしれんけど、まぁでもその時にゃ、王太子にも男の子が出来てるかもしれないし?」
「??」
「まぁ、いいさ、クソ兄貴の末っ子が、ユズリハに悪口言いにわざわざ来てるんだよ。一応、王子様だからねぇ。それに従う子供達もいるんだよねぇ。
お前に聞かせたくなくて聞こえないようにしてたが言われっぱなしも癪にさわる。
そろそろ反撃に出ようかね?」
「僕は何て言われてるの?」
「ああ、アタシはそんな事微塵も思ってないんだけどね、頭の固いエルフは自分達が史上最大の高等生物だと勘違いしてるからねぇ。
お前がイヤな思いをしなくてもいいんだよ?アタシが追っ払ってやるよ」
「んー、いっかい、聞いてみたいかな?」
「そうかい?んじゃ、一緒にいってみるかい?」
「うん!ばぁちゃんと一緒なら平気!」
ばぁちゃんと一緒に、王子様の前に行ってみることにした。
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