精霊のこと
「この際だ、精霊のこともおさらいしておこう。桜子!おいで」
「わっふぅ」
桜子がばぁちゃんに向かって飛び込んでくる。
「うんうん、良い子だ!はぁ~癒しのもふもふ。うちの子達はサイコーだよ!」
「うん!」
そう言ってばぁちゃんと一緒に桜子の毛並みを撫でまわして抱きつく。
ああ、しあわせ。
「そう、桜子は風と雷の精霊だ。
魔力には属性といって使える技が決まっている。
桜子が風と雷が使えるのは、上位精霊だからさ。
風の上位が雷。だから雷が使える精霊は風も使える。
同じように、松雪も栗之助も上位精霊だよ。
だから松雪は水と氷、栗之助は土と鉱石、と、2種類の魔法が使える。
ただねぇ、上位精霊ってのはそうそういない。
大抵は、風、土、水、火の精霊だね。
ああ、ちなみに火の上位は炎だ。
で、同じ属性を持ってる者で、魔力が気に入り、尚且つ、その精霊が必要な分の魔力を差し出せる者と精霊は契約してくれる。
だからエルフは選民意識が高くなったんだろうけどね。
エルフは2属性をもち、2体の精霊に必要な分の魔力を持ってるのさ。
ハイエルフはさらに上だね。
他の種族は1属性1体の精霊と契約するので精一杯なんだよ。
たまーーーーーに、1属性2体の精霊と契約してる者もいるけどね。それだけ魔力が多いと言いたいんだろうけど、アタシに言わせりゃ、1体の精霊を上位まで育てる方がいいと思うけどねぇ?
まぁいいや。
魔力をあげれば、精霊が魔法を使ってくれるし、契約者も使えるようになる。
あと、多分これは誰も知らないと思うんだけどね、ってか、アタシだから気づいたようなもんだけど、
契約者が考えた魔法を精霊も使えるようになる」
僕はまた、ぽっかーんとお口を開けてばぁちゃんを見つめてる。
「いいかいユズリハ、よくお聞き。
魔法は想像力だよ。
今、使われてる魔法は皆が使ってるから皆が知ってるものさ。
知ってるから使える、知らないから使えない、のさ。
なら、知ればいい。
そして、
必要なら、作れば良いのさ。
作るのに必要なのは、詠唱じゃない、想像力さ。
風で何ができる?水で何ができる?同じように土は?火は?
考えな。
そして、いろんな経験を積みな。そうすれば自分も成長し、精霊だって上位にもなる。
精霊は自分自身の成長でもあり、一生寄り添ってくれる大事な存在だ。
いいかい?精霊は、けっして、自分にとって都合の良い奴隷じゃない、大事なパートナーだ。
よーく、よぉぉぉぉーーく覚えておきな。
たまにそれを勘違いするヤツが居るんだよね」
「えっと、どれい、ってなに?」
「ああ、そうか。奴隷ってのはね、俺のもんだ、どう使おうと俺の勝手だ、って酷い扱い方をして、大事にしない、使い潰すようなヤツがいるんだよ。許せないよ」
「え?こんないいもふもふを大事にしないの?」
「そうなんだよ。ユズリハはそんな最低のやつになるんじゃないよ?そしたら、アタシが」「じぇっっっっっっったいに、ならない!!!こんな、こんな、いいもふもふをいじめるなんて、いじめるなんて!!そんなやつ、僕が倒してやる!!」
「あ、うん、精霊の姿はもふもふだけじゃないからね?」
「え???」
「アタシが犬好きだっただけで、名付けをした時に、契約者の好む姿になるんだよ。
まぁエルフの精霊は妖精の姿が多いかな。
あと、鍛冶屋のドワーフはサラマンダーっていう火蜥蜴の形が多かったり。
まぁこれも種族の固定観念だねー。
ユズリハはどんな姿がいい?」
「もふもふ!!もっふもふ!!」
「アッハッハッハッハ!!そうかいそうかい!!
じゃぁ来るべき日のために!アタシが〝もふもふ犬図鑑〞を描いてやろう!アタシの画力が久しぶりに唸るよ!」
「もっふもふ!もっふもふ!」
「ああ、この世界には居ない犬種だからね、ユズリハだけのもふもふだよ!」
「僕だけ?僕だけのもふもふ?!!」
「ああ、そもそも契約精霊がユズリハだけの人生のパートナーだからね。
まぁでもうちの子達みたいに家族として手伝ってくれるのは犬だからさ!
他の契約精霊だったら、例え自分の子供でも力を貸したりしないよ。
まぁ、誘拐されたらせいぜい場所を教える位だね。それでも大人が助けに向かえるんだ、十分だろう?
いやぁ、改めて犬は良いね!犬は裏切らないよ!こっちも裏切っちゃダメだよ!」
「いぬはうらぎらにゃい!!僕もうらぎらにゃい!」
「おお!ユズリハ、お前はやっぱりサイコーだよ!」
「サイコー!!ばぁちゃん!そんで、いぬってなに!!」
「は??!!そこがわかってなかったのかい?!!!」
松雪たちの種類は〝もふもふ〞だと思ってた。
今日、僕は松雪たちの種類が〝いぬ〞と言うのだとわかった。
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