ポーションを売ろう!
屋台で欲しいものがあるかもしれないだろう?
まずは、資金を確保しよう。ポーションを売れる所を先に教えておくれ」
「…アンタら、文無しかい?俺の店で無銭飲食する気だったんじゃねぇだろうな?」
「失礼だね!イグニスと一緒の時に使った貨幣なら残ってるよ!」
「200年も前の貨幣って!逆に価値ありそうだな、オイ?!」
そうだよ、エルフの里でもお金って見たことなかった!
「見たい見たい!」「よし、見せてやろう!」「子供には駄々甘だな?!」「子供じゃないよ、孫だよ」「はぁ?!孫ぉ?!」「そうだよ、僕、ずっとばぁちゃんって呼んでるよ?」「…確かに」
そう言って、おじさんはマジマジとばぁちゃんを見つめる。
「そうか、爺ぃと旅したんだったな。エルフってのは本気で年齢不詳なんだな?」
「ばぁちゃんの事言うけどさぁ、おじさんもヒゲもじゃで、ドワーフも皆同じに見えるよ?」
「お、おおお、おじさんだとぅ?!俺はまだ20歳だぞ?!」
「は??!」「ウソだろう?!」
「失礼なヤツらだな?!!そこでウソついてどうする!
ってか、金貨じゃねぇか!!そんなもん、俺の店で釣りなんて出せるかぁ!!」
こんなやり取りしてる間、ばぁちゃんが僕の手にのせてたのは、金色のコインだった。
「ああーー、あの店じゃ、ねぇ…」
ばぁちゃんが憐れみの目を向けている。
「チキショー、バカにしやがって!でも事実だから言い返せねぇ!!」
おじさん改め、お兄さんが地団駄を踏んでいる。
「おい、イグニスの孫!」
「なんだよ、イグニスの孫って?!フエゴだよ!」
「そうか、フエゴ!めっちゃ目立ってるぞ?!」
「ッハ?!」
道の真ん中で地団駄を踏んで悔しがってるお兄さんは、確かに目立つね!
「いや、エルフも大概目立ってるからな?!」
「そうかいそうかい、アタシの美貌は注目の的かい!」
ハッハッハって、ばぁちゃんが仁王立ちで高笑いする。
「無駄にポジティブだな?!行くぞ!!」
お兄さんは、僕達の腕を掴んで走り出した。
そうして着いた店の前。
「ここが道具屋だな。ここで買い取ってくれるか聞いてみよう。おぅ!いるかい!」
お兄さんが入っていく。
「おぅ、フエゴじゃねぇか。なんだ、店は諦めたか!」
ガッハッハと笑いながら、笑えない冗談を言いながらやって来たおじさん、いや、もしかしたらお兄さんなのかも?いやもう、ドワーフ皆一緒に見えるよ!!
「諦めてねぇよ!俺から料理を取ったら何が残るんだよ!
コイツら、爺ぃの昔馴染みらしくてな、売りたいものがあるんだが、どこで買い取ってくれるのか、わかんなくてなぁ。とりあえず連れてきた」
そう言って、ばぁちゃんの方を向くお兄さん。
「おおぅ、ずいぶんとキラキラしい奴を連れてきたもんだなぁ。
爺ぃって事は、イグニスさんか?イグニスさんは10年も前に亡くなってねぇか?そんなイグニスさんが、こんな若い人と知り合い?
お前、騙されてねぇか?」
「爺ぃから聞いたことねぇか?エルフの事」
お兄さんの眉間にシワが寄る。
「あぁん?エルフぅ?!
イグニスさんが言ってた恐怖の大王ブルーメか?!いやいやいやいや、200年も前だぞ、死んでんだろ!」
「失礼だね!生きてるよ!
エルフはドワーフの倍は生きるよ!!」
「「え?そうなの?!」」
2人はびっくりして、揃ってばぁちゃんを見る。
「え、なに、本物だってか?!」「らしいんだよ。とりあえずエルフなのは間違いない」
正確には、ばぁちゃんはハイエルフだけどね!
「今度は子連れで来たってか?」「孫らしいぞ?」「孫ぉ?!」
カウンター越しのドワーフさんは僕とばぁちゃんを交互に3回ぐらい見てる。
「埒が明かないねぇ。
本題に入って良いかい?旅の資金が欲しくてね、ポーションは買い取ってくれるのかい?」
ばぁちゃんはそう言うと、どんどんどん、と、ジャムの瓶を3つ、カウンターに置いた。
ユズ フエゴさん、20歳…
ブル うん、ユズリハと10歳しか違わないね!
ユズ 僕、男だもん!10年経ったらひげもじゃ?!
ブル …種族的に無理じゃないかね?
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