ドワーフの町
あの後、ベルクさんは落ち込んだまま炭焼きに突入、(火を見ると落ち着くらしい)
僕達は台所を使わせてもらい、ご飯を作り、ベルクさんに差し入れして、一晩泊めてもらい、朝ご飯も差し入れして、ドワーフの町のある方向を教えてもらって、出発した。
「ベルクさん、大丈夫かなぁ?」
「自分でなんとかするしかないだろう?それに、土の精霊は水の想いも託されてたみたいだし?まぁ、なんとかなるんじゃないか?」
ばぁちゃん、めっちゃ他人事だねぇ?
「いや、だって、精霊の好意に甘えてた本人の自業自得だろう?
それにあのままアレの側にいたら、水の精霊は本当に消滅してただろうよ。それを救っただけでもアタシ達はお手柄だと思うんだがねぇ。
さぁ、それよりもドワーフの町で買い物三昧だよ!久しぶりに旨い酒が飲めそうだ!」
ばぁちゃんの足取りは軽かった。
そして、歩くこと2日。
ドワーフの町に着いた。
ドワーフは、僕と同じくらいの身長で、こう言っちゃなんだけど、ずんぐりむっくり。ちょっと可愛いと思ったら、ばぁちゃんに
「槌を振るうんだ。全身、筋肉の塊だよ?ああ見えて、あいつら皆、強い上に気も短い。気をつけな」
って、言われた。おおぅ。気が短い人って今まで会ったことないかも。
そして、男の人は、みんな髪からもみ上げから繋がって髭が生えてた!ちょっと、境目を探したい!!「やめときな!!」
ばぁちゃんにソッコー止められた。
「昔、この町にも来たことがあるんだが、その時の知り合いはまだ生きてるかねぇ。
とりあえず、飯屋に入って食べて聞いてみようか。どこが良いかねぇ…」
ばぁちゃんがキョロキョロしながら歩いてると、
桜子がいきなり出てきて先導していく。
おおぅ、付いて行くしかないじゃんか…
小道に入ったと思ったら、なかなかにボロ、ゲフンゲフン、趣のある?お店の前でお座りして動かなくなった。
「いやまたこれは…まぁ、精霊のお導きだ。入ってみるか。
おおい!やってるかい?」
ばぁちゃんはためらいなく扉を開けた。
「ああん?こんな廃れた店にくる物好きがまだ居たのか?って、え?エルフ???!」
何か紙を広げて読んでたおじさんが、顔を上げて、ばぁちゃんを見て驚いた。
「おいおいおいおい、爺ぃに聞いた特徴通りだ。カーーー!エルフってのは実在するのか!」
おじさんが近くに寄ってきて、まじまじとばぁちゃんを見上げる。
「エルフじゃぁ仕方ねぇな、食わせてやるよ!って、チビもいやがる。…子供にエルフの特徴はないのか?耳は成長と共に伸びるのかい?」
「おじさん、僕と同じ目線でチビはなくない?!って、いきなり耳引っ張るの止めて!」
「良いじゃねぇか、エルフもその子供も初めて見たんだ。興味も湧くってもんよ」
「ならさぁ!僕もドワーフ初めて見たんだ!ねぇねぇ!ヒゲともみ上げと髪の境目探していい?!!」
「こんのガキ、良い度胸してんじゃねぇか?ヒゲは男の勲章!それを触りてぇだとぉ!!」
腕まくりして臨戦態勢に入ろうとするおじさんを、ばぁちゃんが慌てて止める。
「悪かったよ!エルフにヒゲは生えないからね!その立派なヒゲに興味が湧いた子供の好奇心を見逃しておくれよ!」
「そうかそうか!俺のヒゲは立派か!じゃぁ興味を持っちまうのは仕方がねぇな!!」
ガッハッハッハッハ!!と笑ったおじさん。
「そこに座んな!今、旨いもん食わしてやるよ!!さぁ、腕がなるぜ!!」
機嫌良く奥へ向かっていく。
「すまないがエルフのアタシは野菜しか食えないんだよ!子供の方は肉や玉子を食わせてやってくれないか!」
「おおぅ!?そういや爺ぃも言ってたな。
〝エルフは葉っぱしか食わねぇで人生なにが楽しいんだ?〞って。
そうか、つまり制限付きかよ!ハッハッハッハ!待ってろよ、今まで食ったことねぇもん、食わせてやる!!」
俄然やる気を出したおじさん。ぐるぐる腕を振り回して厨房に入って行った。
ブル 張り切って作り始めたな?
ユズ うん!楽しみ!あと、やっぱりひげはさわってみたい!
ブル …アイツなら言いくるめればイケル気がする。
ムク ひげよりムクの方がいいと思うよ!
侘助 うんうん!断然僕らだよ!
楓 アタクシの至高のもふもふにしておきなさいよ!
紅葉 もみじは?もみじは!
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