エリクサーの使い道
ベロン
おぷっ
すりすり
ふふっ
タンっ
ぐぇ!
「なにごとっ?!」
僕は、なんか良い夢見てた気がしたのに、喉に衝撃があって飛び起きた。
「ユズリハ、起きたかい?また楓が目測を誤って、喉に落ちたのかい?」
「にゃにゃ!」『間違ったんじゃないわ、降りたそこに喉があっただけよ!』
「はいはい、今はそれでもいいけど、楓の身体が大きくなってからそれをやったら、ユズリハが本気で怪我するからね、飛び乗るなら、腹にしときな」
「にゃ!」『わかったわ!』
いや、そもそも寝てる時に飛び乗るの、止めて?
「とりあえず、ユズリハが起きたならご飯にしよう。
魔力切れで丸1日寝てたからね、お腹も空いただろう?」
ばぁちゃんにそう言われて、ぎゅるるるるるっと盛大にお腹がなった。
「うんうん、お腹が空くのは健康な証拠だ。木の実と果物は取ってきたさ。ベーコンはまだ残ってたかね?」
木の実と果物を食べた僕は物足りなかったので、ベーコンと卵を焼くことにした。
「火よ灯れ」
薪に火が着いた。
「ねぇ、ばぁちゃん。これ、すっごく便利なんだけど、なんで?」
ベーコンの焼き具合を見ながら、ばぁちゃんに聞く。
「ああ、そうだね、その話もしようかね。茶も入れとくれ」
ばぁちゃんがそう言って、ヤカンも渡してくるから、お茶も入れることにした。
食べ終わって、一息つくと、
「さて、ユズリハが火魔法を使える理由だが」
「これ、火魔法だったの?!」
「当たり前だろう?何もなく火が着くなんざ、魔法以外に何があるんだい?水だって、何もなく水が出りゃ侘助が出してるじゃないか」
「…確かに」
「これで見当がついたろ?火の精霊がユズリハに付いている」
「おおぅ…でも見たこと無いよ?」
ばぁちゃんが僕の頭をひと撫でして
「それを今から説明するのさ。
8歳、ユズリハが侘助達と契約したあの日。本当は契約したいともう1体精霊が居たのさ。
それが火の精霊だよ。
でもね、4体と契約するにはユズリハの魔力が全く足りなかった。
しかも、エルフの里は火の気が少ない、エルフの里には火の精霊と契約してる者はいないし、アタシもあそこで火の精霊は初めて見たよ。
めちゃめちゃ小さくてね、力も弱かった。
3体と、更に小さい精霊が形を形成するまでの魔力を精霊達がユズリハから奪えば、ユズリハが生命力を削ってまで渡す必要があったんだ。
ユズリハを守る精霊が、ユズリハを命の危機にさらしてどうすんだい。
だから、3体は子供の姿に、更に小さい火の精霊は、表に出ない、形を形成せずに、ユズリハの中でゆっくり成長してもらうことにしたのさ。
ユズリハの中にいれば、本人の負担もわかる。
眠ってる間とかにね、魔力を貰って成長していたのさ。
それも2年たった。
ユズリハの魔力量もだいぶ増えた。
そろそろ形を形成して表に出ても大丈夫じゃないかと思ってね。
でも、まだユズリハの負担軽減のために他の3体同様子供の姿で居て貰うがね。
どうだい、魔力切れを起こさせずに表に出れそうかい?」
「メェ!」『昨日作ったエリクサー、1滴垂らせば完璧!』
「わん♪」『毎日1滴づつ飲めば、更に完璧♪』
「にゃ!」『なら、アタクシ達にもちょうだい!』
「メェ!」「わん!」『『欲しい!!』』
「おいおいおいおい、アンタ達、栄養過多にならんのかい?暴走したりしないのかい?」
ばぁちゃんがびっくりして聞いてくる。
「メェ!」『加減は間違えない!』
「わん!」『ユズリハの魔力なしで魔法使えるよ!』
「にゃ!」『アタクシの雷を轟かせるのよぉ!』
「ビミョーに心配なのが1匹いるんだが?」
「メェ!」『魔法の訓練いっぱいすれば大丈夫!』
「わん?」『ため池作る?お魚飼う?ユズリハのご飯にする?』
「にゃ!」『雷で魚をしびれさせるのよぉ!』
「うん、この子達には3日に1滴、ご褒美扱いぐらいが良いんじゃないかね?」
「メェ?!」「わん?!」「んにゃ?!!」『『『なんで?!!』』』
なんで?じゃないよ。危ないよ!森が!!
ばぁちゃんと顔を見合わせる。
うん、特にかえで。
森で、無駄に雷バチバチやらないでよ?!!
ユズ この森でずっと暮らすわけじゃないんだよ?池を作って魚の養殖なんてしたら、僕たちがいなくなったたら、管理する人がいないから、ダメだよ。
ブル むしろ、精霊の出した水で、ユズリハのご飯を食べた魚なんて、とんでもなくヤバイものが爆誕しそうだから、絶対やらないよ!!
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