やっぱりね、そうだよね
「てってれー!世界樹の葉♪」
「…ばぁちゃん、旅に出てから、陽気になってない?」
「だって、楽しいじゃないか?」
「うん、そこは否定しないけどさ?」
ばぁちゃんが効果音を自分で言いながら、ロケットから葉っぱを取り出した。
世界樹の葉っぱって言うたよね?
なんか、凄そうなんだけど?
「うん、スゴいから。
バレたら世界中の権力者がこぞって欲しがって、狙われるからね、外でしゃべっちゃダメだよ」
「なんでそんな物騒なもの、ばぁちゃんが持ってるの?ってか、知りたくなかったんだけど?!」
「ユズリハには教えておかないと。ユズリハは神級ポーションが作れそうだからね、自分や精霊に何かあった時は、躊躇なく使いな」
「…ねぇ、ばぁちゃん。お母さんが死にそうな時、使わなかったの?」
「ああーー、これには唯一、欠点があってね。
瀕死の場合、何かを犠牲にして命を繋ぎ止めるんだよ。
ケルネの場合、お腹の中にいたユズリハはある意味異物だ。
ユズリハを犠牲にする可能性が高かった。だからケルネは使う事を拒否した。自分よりお前を産むことを選んだ。
自分と愛した人の結晶。お前は、ケルネの希望だったのさ」
ばぁちゃんは僕を抱き締めた。
「アタシはケルネに誓ったんだ。お前を幸せにするってね。
さぁ!だからアタシの知ってる全てをユズリハに教えるよ!そっからユズリハが思う幸せを掴みな!
だから良いことも、悪いことを回避するためにも、いろんな事を知っておかなきゃいけないんだよ!
さ、まずは世界樹のことさね。
人間が住む大陸にある〝魔の森〞っていう魔獣蔓延る森の奥、世界樹っていう世界の魔力の流れを調整してる大事な大事な巨木がある。
まぁ、多分、この巨木が枯れたら世界は終わるね!
言っちまえば、このロケットもそこの管理者様から借りてる?預かっててね、元々中に入ってたもんは、個人で使って良いって言われててね。入ってたのさ、世界樹の葉っぱが。そりゃもう大量に。
そんで、アタシが死んだら取りに来るらしいよ。
でもその前に、アタシの旦那の墓参りにユズリハと一緒に行くからね!その時、会いに行きたいね!もちろんユズリハも行くだろう?あの巨木は何度でも見たくなるほど圧巻だよ!」
「えーっと?ばぁちゃんの旦那さんがいた所に世界樹があったの?」
「んー、正確には、アタシの旦那がいた領地が魔の森と隣接してたのさ。
魔獣の被害から領地を、ある意味国を守ってた一族なんだよ。
そして、世界樹があるのは森の奥の奥、しかも管理者様の許可がないと入れない所だったからね、誰でもたどり着けたわけじゃないんだよ。
アタシ達は運良く管理者様に気に入られてね、招いて貰ったってわけよ。
きっとユズリハのことも気に入ってくれると思うんだがねぇ。
まぁ、そんな訳で、世界樹の葉がここにある。
これを原料にポーションを作ってみよう!」
はい、って、ばぁちゃんに葉っぱを渡された。
思わず受け取っちゃったけどさ、けどさ!
手の中にある葉っぱを眺めて、ばぁちゃんを見上げる。
うん、ばぁちゃん、ニッコニッコだね。作るしかないね!
「わびすけ、昨日と同じで、この鍋にお水ちょうだい?」
「わん?わん♪」『今日はこれで作るの?なら、魔力いっぱい込めるよ♪』
「メェ~」『ムクもユズリハ思いながら隣にいるよ』
「にゃ!」『あら!アタクシが一番に思い思われてるのよ!』
「えっと?どういうこと?」
「メェ~!」『使う人の事を考えながら、思いを込めて作るの!』
「んにゃ!」『そうよ、ユズリハとアタクシ達のために作るのでしょう、いっぱい考えてあげるわ!』
「わん♪」『ユズリハ、お水溜まったよ!思いもたぷんたぷん♪』
「う、うん、良く分かんないけど、分かった。みんなと大好きを考えながら作るよ!
火よ灯れ」
薪に火を着けて、ふつふつまで待って、木ベラで混ぜながら、
満面の笑顔で走ってくるわびすけ、もっしゃもっしゃ草を食べるムク、蝶々を追って木から落ちるかえで、仁王立ちで高笑いするばぁちゃん、それから、お座りする松雪、穴を掘りまくる栗之助、お昼寝する桜子…
「あ」
「やっぱりね、そうだよね~…エリクサーってヤツだね」
「わん!」「メェ!」「ん"に"ゃ!」
出来た!と思ったら、ばぁちゃんのつぶやきがして、わびすけ達の声がしたら
僕は魔力切れで倒れた。
ブル おぅ、ムク、ナイスアシスト。ユズリハ、魔力切れ起こしたか。魔力は、まだちょっと足りなかったかぁ…
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