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 従えば……本当に、治してくれる?

 これ以上、本当に傷付けはしない?




 私は俯き、唇を噛み締めた。

 そして、しばらくの沈黙の後、




「……わかり、ました」




 頷いて、男性に従うことを伝えた。


「それでは、参りましょう」


 囁かれた途端――目の前から、光が消えた。何が起きたのかわからぬまま、私の意識は、そこで途絶えてしまった。


 ――――――――――…

 ――――――…

 ―――…


 桜色の空に、輝く太陽――。

 そこには一人の女性と、男性が寄り添っていた。

 女性はお姉さんかと思ったけど、近付いていくにつれて違う人だというのがわかった。

 白銀に、微かに赤を足したような髪色。長くて綺麗な髪にすらっと伸びた身長が、遠くから見ても、きっとこの人は綺麗なんだろうなと予想ができる。




「私も……幸せになれるのかなぁ」




 近付いて見れば、やっぱり女性はとても綺麗な人だった。

 女性は男性の肩に身を寄せ、静かに目を閉じている。


「アナタだって……幸せになる権利はあります。たとえそれが、赤の命華だろうと」


 男性は、肩に髪がかかるぐらいの長さで、少し濃い茶色をしていた。


「私でこれなのに……子供なんて産まれたら、どうしたらいいのか」


「子供など、まだ先の話でしょう?」


 それに女性は、膝を抱え俯く。深いため息をつくと、女性は遠くを見つめた。


「今や、ここにいる命華は私だけ。しかも赤の命華だなんて。――ただでさえ男たちが近付くのに、赤の命華なら、尚のこと考えますよ」


 この人が……同じ赤の命華。

 いつもと違う光景に、今度は命華について見るのかなと、私はその場に佇んでいた。


「アナタだって、好きな人と結ばれるぐらいできますよ」


「――――ダメです」


 そう言って、女性は立ち上がり歩いて行く。それに男性も立ち上がり、女性に隣に付き添う。


「私が自由に出来ることは、限られてる。こうやって、二人でいることだって……」


 女性はそっと、男性の袖を掴む。

 一瞬、男性は焦る様子を見せるが、平静を装い女性と向かい合わせになった。


「私に許されるのは……みんなを癒すことだけ。自由に外も出られないなんて、レイナが聞いて呆れる。女王なんて、ただの飾りに過ぎない」


「……シエロ」


 そう言って、男性は女性を抱き寄せた。




「私は……何があろうと、アナタの味方です」



 

 静かに、男性は言葉を口にする。

 それに女性は目を閉じ、体を男性に預けた。




「未来は……変わると思う?」




 突拍子もない質問に、男性は不思議そうな表情を浮かべた。



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