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朝露鬼譚-桜梅桃李-  作者: 猫祝 しわす
第3章 今を往く現実と涙の思い出
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夜のお出かけ交渉


夜のお出かけ交渉

 


梅子(うめこ)が鬼灯邸へと戻ったので、天華(てんか)、月、夜そして(さい)が加わり森の中の旧鬼灯邸へ戻った。

 生活を戻した天華は、森の結界の再構築であった。


 休むことなく現代の鬼灯家の人々と新しく仲間になった灑が入れるように色々と作り変えることをしているのを夜はハラハラと見守っていた。

「天華さま、ちょっと休憩しませんか?!」

 思い切って夜は天華に声をかけていた。

「見廻りするにしても、日がくれないと意味が無いかもしれないですよ?」

 ご飯を食べるために作業を中断した天華は夜の言葉に「ごめんね」と言いながら伝えていた。

「……最新のこの世界を見てみたいんだろう。物珍しいしな」

 月は夜をチラリと一瞥しながらいう。

「えー……、オレはパス」

 灑は月の話に手をゆらゆらと振りつつ夜に伝える。

「……貴方達は、誘ってはいませんっ!」

 怒りのオーラを立ち上らせながら灑と月に対して怒鳴る。

「……行ってきてもいいんじゃないのか?」

月は初めて夜の言葉に助けの船を出していた。

「えっ……」

 月の言葉に夜は慌てて外を見ていた。

「夜、お前な……雨が降ると言いたいのか」

「いつもなら止められますし……。嵐でも来るのかなって……」

 月の苦情に対して夜は天気を警戒しながら呟く。

「それは夜の姐さんの日頃の行いじゃないんですかねぇ」

 灑も笑いながら言っていた。

「いや、天華さまも休憩いるだろうなっと思って言ったのだが……」

 困ったような表情で月は呟いているのを驚愕の表情で夜は月を見ていた。

「……余計な世話……だったら、すまない」

 月は頭を下げていた。

「心配されていたのは、気づいてませんでした」

 天華は月を見つめて笑いながら言っていた。

「……多少、落ち着いてんなら、行ってみたらいいんじゃねぇ?」

 灑は心配げにしている夜と外出を進言して反省をしている月様子を見て口を挟んで居た。

「月も時々ですが、姿をくらましていましたし……」

 夜は月を見て天華に言っている中、月は夜から目を逸らしている。

「……まぁ、行きましょうか?」

 天華の言葉に夜は目を輝かせている。


 天華の言葉を受けて月は袖口からお財布を取り出して差し出してきたので夜は首を傾げる。

「……月、これはなんですか?」

「昔の銭などは使えないからな」

 夜の言葉に月はため息を付きながら夜に持たせる。

「……使い方は、覚えているよな?」

「ば、馬鹿にしないでくださいよ!」

 少し不安げに聞いてきた月に夜は声を上げていた。

「……天華さま、これでどうにかやりくりをしてもらってよろしいか?」

 月の言葉に天華は「わかりました」とうなづいたのを見てうなづいていたのだった。

「えっ……必要ですか?」

「……おまえ……」

 夜の言葉に月が唸っていた。

「夜の姐さんは……、知識問題ないです?……行って、大丈夫なんです?」

 頭を抱えている月の隣で灑は苦笑をしつつ夜を見て矢継ぎ早に夜に声をかけていた。

「……え?」

 2人の反応を見て戸惑っている様子で声を上げていた。

「一般常識の認識足りてなくねぇ?」

「……たしかに……」

 灑の言葉に月は重々しくうなづいていた。

「実践したら覚えるでしょう。……ほら、これまでも夜は実践で覚える方ですしね……。……たぶん……」

 夜を見て天華は庇うが、自信なさげな天華である。

「まかせてくださいっ!」

 財布大臣に任命されたためか夜は嬉しそうにお財布を抱えてホクホク顔になっている。

嬉しそうな夜を見て(夜に任せていいものか不安が残る)と月は心配そうに夜を眺めていた。

「……では、行ってきますね」

 天華は夜を連れ立って森の外へと向かっていく。

「まぁ、夜の姐さんを信頼するしかないんじゃないっすか? 月の旦那」

 灑はダルそうにして言葉を紡いで無言で見送る月に声をかけていたのである。

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