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朝露鬼譚-桜梅桃李-  作者: 猫祝 しわす
第1章 探し求めし鬼姫
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病院ではお静かに


 梅子(うめこ)は救急車で、最寄りの病院へ運ばれた。

「……結……華?」

 うっすらと目を開いた梅子は微かに声を上げた。

「……ばあちゃん?! 大丈夫?」

 結華(ゆうか)は梅子が目を覚ましたことに声を上げた。

「……ここは?」

梅子は白い天井を見て周りを見る。

「病院だよ」

 結華はホッとした表情で笑って答える。

「何があったの?」

 ホッとした顔から真剣な表情で梅子を見つめてくる結華に梅子は口を開こうとした瞬間に病室の部屋が開かれた。

「梅子っ?!」

「鬼城のじいちゃん?!」

 声に反応して結華は病室の扉に目を向けると方で息をしている鬼城の翁が立っていた。

「千客万来だのぅ」

 ほほほっと笑っていたが翁を見つめる目は冷たい。

「何呑気なことを……」

 冷たい目つきを物とせずに翁は梅子に唸るようにしていっていた。


 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼


 夜は天華(てんか)を見つめている。

 居間から動くことなく座っている天華を見つめる夜のその瞳は不安の光が揺れている。

「夜、気になるなら夜も向かってください」

 天華は夜を見て言う。

 天華の言葉に夜は戸惑うのである。

 夜が目を離した時に天華は大怪我を負い、力も大半失った事を忘れていない。

「む、……無理です。 離れる事ができません」

 梅子の姿は夜の心の傷に触れてしまったようで夜はカタカタと震えている。

 天華はゆっくり夜に近づいて震えて小さくなっている夜を撫でる。

「……梅子も、力が大幅に削がれてました」

 夜の言葉に天華は頷く。

「……怖かった……」

「なら、安心しに行きますか?」

 夜の言葉に天華は気楽に声を上げていた。

「……えっ?」

 夜の震えていた両手に手を添えて立たせるそして手を握り歩き出していた。

「さあ、夜行こう」

 綺麗に笑う天華に夜はつられて“はい”と元気に返事をして歩き出していた。

「今からなら月に追いつくかもしれないから」

「背負って走ります!」

 天華を背負い夜は月に追いつこうと先行した月を目指して走り出した。

「だけど、最近の診療所って大きいですよね」

 夜は呟いていた。


 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼


 梅子の病室に面々が集まっていた。

「……鬼城……か」

 月の顔が苦渋に歪んでいた。

「……あ――、月様。翁は、味方みたいなものです」

 苦虫を噛み潰したような顔の月に梅子はフォローを入れているが警戒の様子を解く気はないようだ。

「……夢茨(ゆめじ)様と煉華(れんげ)様の“志”は正確に受け止めております」

 翁は月を見て頭を下げる。

「今の鬼狩りは腐敗しております。どうにか本来の形へ戻していきたいと思っております」

 翁は力強く宣言していた。


 少し時間は戻るが、夜間受付の場所に着いた夜は天華を下ろして上がった息を落ち着かせようとしていた。

「月ってば……なんで煉華様に関する時だけはりきるのかなっ!」

 肩で息をしながらゴールまで月に追いつけなかった夜はぜえぜえと息を落ち着かせようとしている。

「……煉華姉様の従者でしたもん。今も預かってるだけだから」

「……だけど、天華様についてるなら、……」

 夜はふと言葉を止める。

「……?」

「……私も、同じかもしれない」

 夜の様子に心配げな顔を向けている天華を見つめた夜は呟いていた。

「もし、今の状態が雪太郎と天華さまの子孫で、彼らがピンチになってたら月は放置してるかもしれないと思ったんです」

 落ち着いたようで夜は考えた事を天華につたえた。

「……梅子のところに行きましょ!」

 夜は天華を連れて目的地まであとちょっとと歩き出した。

 梅子の病室前で野生の勘で不穏な気配を感じて夜は立ち止まる。

 病室の会話が漏れ聞こえてきた夜の耳に月と退治しているのがはるか昔に天華を害なした一族であることに気づいた夜は「おにしろ?……鬼城?!」と呟いていたが急に怒気を放ちながら梅子の病室に踏み込んだ。

「敵対してる様子はないから、夜落ち着いて」

 怒気を緩める様子のない夜に天華は声をかけていた。

「敵対してたら速攻、みんなの助太刀するつもりでした!」

 夜は怒りは抱えているものの冷静に考えれているようだった。

「夜、その怒気と殺気をしまえ」

 月は夜の気配に気づいていたが、鬼城の翁と落ち着いて話ができないと声をかけていた。

「月の頼みでも湧き上がる怒りはどうにもできませんっ!」

「……もう既に天華様に手を出したやつは処分されたと話しているだろうが」

 月の言葉に夜は食ってかかるが冷静に反論している月。

 言い合いの中で夜の声が大きな声になってきていることを気づいて欲しかったのだが、止めることができずに天華は途方に暮れかけているとつかつかと早足て近づいてくる白い服を着た人物。

「……病人の前ではお静かに!」

 近づいてきていた看護士さんが夜に怒声を飛ばしていた。

「……は、はひ!」

 延々と病院内の注意を受け続けた夜は涙目になって看護士さんからの「わかりましたか?!」という声に小さくなり尚且つ小さい声で返事を返していた。

 のちに夜から「日夜、命の最前線で戦う看護士さんは覚悟が違う!」と夜は震えながら語っている。

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