表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫様、ご乱心! ~天才教育係(俺)の生存戦略はキュートな姫様のドS化でした~  作者: 坂森大我@ヤンチャンWEBコミカライズ『姫様、ご乱心!』連載中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/14

09 哀れなリンゴのように

 エマと共に謁見の間まで来ていました。

 中には幼い子供だけでなく成人した女性の姿も。


「ソフィア、どうしたのだ?」


「お父様、アルフレッド先生が盗賊団を殲滅したと聞いたのですが」


 まずは状況の確認です。

 ズラリと並んでいるのは救出された女の子たちだと予想できますけど。


「実は黒光りという盗賊団がスラムに拠点を構えていたらしい。我が国でも被害が出ておったのだ」


「被害でしょうか?」


「行方不明者の捜索願いが幾つも騎士団に届いておった。それは全て盗賊団の仕業だとアルフレッドは睨んでいたそうだ。盗賊団に関しては帝国からも手配書が届いておってな。アルフレッドは一つの線になると考え、人知れず調査していたらしい」


 流石ですわ。

 アルフレッド先生は正義の化身ですもの。あらゆる悪を許さず、如何なる場合も弱者の味方です。


「盗賊団は奴隷商と繋がっておるらしく、人攫いを主な生業としていたようだ。大人数で行動することは稀で、捕まえてもアジトがどこにあるのか白状せんかったのだよ。まさか堂々と王都内に拠点を構えておるとはの……」


 灯台もと暗しということでしょうか。

 どこかの荒れ地や森の中にアジトを設けているのではなく、盗賊団は王都に入り込んでいた模様です。


「アルフレッドのおかげだ。帝国側にも良い報告ができる。ソフィアよ、紹介しよう。こちらが帝国の第四皇女ティアナ殿だ……」


 一人だけお父様の隣にいらっしゃったのは帝国のプリンセスみたい。

 初めてお会いしますけれど、とても綺麗な方ですわね。


「ティアナですわ。ソフィア殿下、初めまして。まさかこういった形でお会いするとは思いもしませんでした」


「わたくしもです。大変なご苦労をされたようで、心中お察しいたしますの」


 盗賊団に攫われ、他国に運ばれるなんて、わたくしならずっと泣き続けたことでしょう。恐らくティアナ様はとても強い女性なのでしょうね。


「あれ……? ティアナ様、その首は……?」


 アクセサリーにしては武骨なチョーカー。わたくしは何かの本で読んだ記憶がございますの。


「お恥ずかしながら奴隷とされてしまったのです。契約者は亡くなったのですけれど、無理に外すことは叶いません」


 なんということでしょうか。

 ティアナ様は攫われただけでなく、奴隷具を装着させられたようです。


 奴隷具は呪術にも似た魔道具。我が国では禁止されておりますが、装着すると契約主の命令に逆らえなくなると言います。


「それは……何といいましょうか」


「いえ、ソフィア様が気になさることでは。そもそもパーティーのあと油断していたワタクシの責任ですの。この奴隷具は戒めとしておきましょう」


 とてもできたお方ですわ。

 しかし、お可哀相です。奴隷具を装着されてしまったのなら、婚姻にも影響しそうですし。


「あの……奴隷具の解除でしたら、俺に当てがございます」


 ここでアルフレッド先生が小さく手を挙げられました。


 流石すぎますわ。奴隷具の解除方法まで知っておられるとは、わたくし更なる敬意を抱いております。


「アルフレッド様、本当でしょうか!?」


「ええまあ。聖女様の神聖魔法であれば解除可能かと存じます」


 アルフレッド先生が提示した方法とは聖女様に解除を依頼するというお話でした。


 聖女様はフローリス聖教会の重鎮。王都の本部に在籍しておられるはず。

 しかし、聖女様は男性ウケが非常に良いという評判を耳にしております。特にお胸の辺りが高評価なのだとか。


 評判通りだとすれば、アルフレッド先生が聖女様に近付くなんて認められません。きっと、良からぬ事態に発展してしまうはず。



『アルフレッドさまぁぁ、私のお胸はいかがぁぁ?』


『うぬ!? 俺には姫様がいるけれど、この巨乳は捨てがたい!』


『バレなきゃ平気ですの。ブルンブルンしちゃいますわよ?』


『そっか! わぁぁい、ブルンブルン!!』



 いつになく妄想にキレがありませんわね。

 まあでも、似たような感じになるのは明白ですの。


「アルフレッド、ならば話を付けてくれんか? お前は足繁く聖教会に通っていると聞いたぞ」


 危惧した展開になってしまう。

 ダメだわ。エマよりも破壊力があるという聖女様と先生を会わせてはならないと、わたくしの第六感が囁いていますの。


(ブルンブルンだけは阻止しないと!)


 聖教会は国家と無関係な組織です。しかし、世界的な権力を有しており、本部があるグリフィス王国といえど、おいそれとお目通しが叶わない相手でした。


 しかも聖女様は教皇様に次ぐ地位。アードベッグ枢機卿よりも権力のあるお方です。


「アルフレッド先生、聖女様に解除できるのでしたら、マギナ教皇様でも解除可能なのでは?」


 色気ムンムンのお姉様よりお爺さまに依頼すべき。それなら、わたくしも安心ですの。


「それが聖女様の固有魔法なのです。ホーリーブライトというのですけど」


「ええー、教皇様には習得できないのですかぁ?」


「ソフィア、何を愚図っておるのだ? 聖女殿が解除可能であればそれで良いだろう?」


 お父様に怒られてしまった。

 まあ確かに。子供のように駄々をこねたとして、ティアナ様の奴隷具は解除できません。


 それにアルフレッド先生とは互いに未来を誓った仲です。殿方を魅了する悩殺ボディがあろうとも、先生ならわたくしを選んでくれるはずよ。


「分かりました。先生、どうかティアナ様をよろしくお願いします」


 今はティアナ様の奴隷具を優先しなければ。

 聖女様と二人きりになるはずもないし、清廉潔白な先生ならば毅然と対処してくれるはずだもの。


「なりません。ワタクシだけ奴隷具を解除するなんて。この子たちとは何日も一緒に過ごしたのです。裏切るような真似はできませんわ」


 なんとご立派なのでしょうか。

 わたくしと変わらぬご年齢であるはず。しかし、彼女は我が国の申し出を拒否されるようです。


「しかし、ティアナ殿、二十人以上の解除など、寄付金だけで城が建つだろう。またグリフィス王家としては貴殿を元通りの身体で送り返したい」


「お断りいたします」


 この返答には頭を抱えるお父様。奴隷具を装着した状態では帝国に返事ができませんものね。


「なら王陛下、俺はマギナ教皇様に話を付けてみます。白金貨百枚で全員の解除を願いたいと」


 白金貨百枚は貴族街に豪邸が建てられる金額です。聖女様の神聖魔法ってそんなに高額でしたのね。


「そうしてくれるか? 流石に奴隷を強要されていたとか報告できぬのでな」


「お任せください。俺は聖女様の弱点を知って……ああいや、聖女様ならば引き受けていただけるかと存じます。必ずやご期待に応えますので」


「うむ、此度の盗賊団殲滅と併せ褒美を考えておく。頼むぞ」


 頼もしい限りですが、わたくしは些か不安だったりする。


 先生はわたくしの身体に触れたとして恥ずかしがることがないの。

 きっと大きなお胸が好き。だったら聖女様のお胸を見て鼻の下を伸ばされるに違いない。


「アルフレッド先生、一つよろしいでしょうか?」


 ここは釘を刺しておかねばなりません。先生が羽目を外してしまわぬように。


「聖女様は尊きお方。しかも見目麗しいとお聞きしておりますの。くれぐれも失礼のないように願いますわ。まあそれで、わたくしは発現したスキルを実際に使ってみたいと考えておりますの。先生はご存じですよね? 思い出してみてください」


 釘を刺すなら根元まで。

 わたくしの意志を明確に伝えなければなりません。


「哀れなリンゴがどうなったのかを──」

ヤンチャンWEB等、各種電子書籍サイトにてコミカライズが連載中です。

そちらもお読みいただければ幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ