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91話

本日2回目の投稿になりますm(_ _)m

 カイトが焼きそば屋台をやり始めることになり、グライとパラはその手伝いとして、朝から“焼きそば焼ける君”と共に朝市に向かっていった。


「組長! 行ってくるよ」

「組長、失礼します」

「組長〜パラ、頑張るね!」


「おう、行ってこい。ただ、トラブルがあったら、すぐに逃げろ。約束だぞ」


「組長、逃げるなんて格好悪いじゃんかよ」

「そうだよな。いざとなれば、やり返してやるって」

「カイト兄、グライ兄、パラは、逃げるからね?」


 これに関してはパラが賢いな。


「カイト、グライ、戦える男より、大切な奴を守れるのが漢《オトコ》だ。パラもいるんだから、揉めるなよ」


「先輩、フラグばら撒きは重罪ッスよ。カイト達も、無理はダメッスからね。分かったら昼までには帰ってくるッスよ!」


「「「はい!」」」


 俺は朝市に向かう3人用に作ったサンドイッチの入った包みを渡して、笑顔のカイト達3人を見送った。


 因みにいつも一緒のセスは、今はドレイクとモーの小屋の世話をしている真っ最中だ。


 セスは動物(魔物)の世話が好きらしい。その為、今回は別行動で搾乳を必死に行っている。

 驚いたのは、殺菌などの作業もなく、牛乳としてすぐに飲めることで、セスが搾乳してくれたモーのミルクが毎日の食卓に並んでいる。


「セス! ドレイク! そろそろ、休憩をいれないか? 働き過ぎは逆に身体に悪いからな」


「マスター! 見て! たくさん搾ったよ」


 嬉しそうにドレイクが駆け寄ると、セスが手にしていたバケツを指差す。


「そうみたいだな。ドレイクもセスも働き者だからな」


「褒められたら嬉しいです。組長」


「だいぶ慣れたみたいだな」

「はい。ドレイク先輩が毎日色々と教えてくれるんで、覚えられました」


 セスはカイトやグライよりも、マイペースな性格だから、こういった仕事が肌に合うんだろうなと思う。


 バケツいっぱいのモーのミルクは、今からおやつにでもしてやるかな?


「セス、ドレイク、今からそのミルクを使ってデザートにしようと思うんだが、2人は食べたくないか?」


「マスターのデザート!」

「えっと、僕も貰えるんですか?」


「当たり前だろうが? なら決定だな」


 店に戻り、厨房に向かう。

 手洗いを済ませた2人にエプロンを着せていく。


「あの、組長……僕も作るんですか……」

「マスターを信じるんだよ。セス、大丈夫。ドレイクがいるからね」


 すっかり先輩になったドレイクの言葉に俺は笑いそうになるが、作業を開始する。


 バケツに入った大量のミルクから2L(リットル)を測り、先に容器に移してから別の鍋を取り出して、水を入れていく。


 細かい話は説明しても分からないだろうが、2人にもわかるよう、400mlの位置にしっかりと赤い線を書き足してやる。


「その赤い線まで水を入れたら、鍋に水を注いでくれ」


 2人の前に置かれた鍋に水が注がれると、俺は個包装のスティックを引き出しから取り出して、2人に手渡す。


 この個包装の正体は、寒天《かんてん》だ。1本5gなので、4本を使う。


「しっかり混ぜてくれ、粉が残ると失敗するからな」


 ドレイクとセスに木ベラを渡してやり、必死に混ぜる姿を見守り、混ぜ終わったら次に火にかける。


 中火程度でしっかりと沸騰するまで焦げないように注意しながら更に混ぜてやる。


 この作業はドレイクにはまだ早いと思ってたが、やりたがったので、抱き抱《かか》えて、やらせてやることになった。


 2分程、沸騰させてから次に砂糖を投入する。


 150mlの計量カップに砂糖を擦り切り一杯入れた時、セスが明らかに驚いてたが、それを2杯入れていく。


 砂糖が完全に溶けるまでしっかりと混ぜ、火を止める。

 この時点で、セスは不安そうな表情を浮かべていた。


「どうした、セス? 焦げたのか?」

「ち、違いますよ。組長、こんなに砂糖を使うなんて、どんな高級料理を作る気なんですか……砂糖の価値は僕らスラム育ちだって、何となく分かります」


 久しぶりにやっちまったか? 最近ツッコまれなかったからなぁ。


「大丈夫だ。その砂糖は、(俺の世界では)安いからな! それより、いよいよミルクの出番だぞ」


 容器に移した牛乳をゆっくりと馴染ませながら、注いでいき、2人にはしっかりと混ぜ続けてもらう。

 ここで混ぜるのをやめるとダマになるので要注意だな。


 そこまで終わらせたら、最後にタッパーに注いでやり、リーチインで冷やすだけだ。


「マスター? いつ食べれる?」

「あ、うーん。それがなぁ……お昼までには食べれるかな? だからデザートなんだ」


 そんな会話をしながら、次に俺は定番になっているフレンチトーストを作り始める。


 モモとエス、ソマリとポメラが集まり、朝からカイト達が朝市に向かった話などをしていき、今いる人数分の朝食が完成していく。


「ピカピカのホタル! 肉も食べたいぞ!」

「そうだぞ! 肉に朝から噛みつきたいぞ!」


「なら、ベーコンエッグも焼いてやるから、待ってろよ」


「先輩! モモはスクランブルエッグがいいッス!」

「主様、半熟を望みます」


 獣人コンビに続いて、モモとエスもかよ。はぁ……じゃあねぇな。


「わかったから、ドレイクとセスはどうする?」


 どうせ、全員の要望を聞くなら、2人にも聞かねぇとな。


「ドレイク、マスターの甘い玉子!」

「ぼ、僕も……ドレイク先輩と同じがいいです」


「任せろ!」


 ソマリとポメラは、ベーコンエッグ。

 モモはスクランブルエッグ。

 エスは半熟の目玉焼き。

 ドレイクとセスは砂糖の甘い卵焼き。


 朝から、わがままな奴らだな。


「よっしゃ、出来たやつから運んでくれ!」


 手早く調理を済ませ、朝から卵のフルコースみたいなメニューになったが、全員が嬉しそうに笑ってるから、悪くないな。


 フレンチトーストにかぶりつき、牛乳を口にする。


「あ、あの組長? この卵って、なんの鳥の卵なんですか……こんなに甘い卵なんて……」


 俺はセスの質問に笑いながら答える。


「これは普通にコッコの卵だ。他の玉子をみたらわかるだろうが、全部作り方や味付けで名前も味も変化するんだよ」


「味付けで……卵にですか?」


 驚いた表情を隠さないセスを見て、俺はもう少し話してやることにした。


「そう、味付けで、卵はどんな味にも馴染むびっくり食材だからな。因みにドレイクとセスの玉子焼きには、たっぷり砂糖が入ってるぞ」


 食べていたセスが更に慌てるが、モモが呆れたように口を開く。


「なにを驚いてるんッスか? セスも慣れないと身が持たないッスよ。なにより、カイトの使ってるソースの方がやばい調味料なんッスからね?」


 色々な話が朝から飛び交い、驚きと笑いが交差する。


 うん。理想的な賑やかな朝食だな。ただ、次に玉子を食べる際には、やっぱり白米で食べてぇな。

お読みいただきありがとうございます!

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☆ギャグが笑えなくても、クーリングオフは勘弁してください。

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