22話
ご報告──いつも本作を読んで頂き、ありがとうございます。やっとブックマークを『1つ』頂けました。毛根が増えたように嬉しいです。フサフサを夢見ながら、頑張ります!(*ˊᗜˋ*)
俺が数人の兵士と鎧男をボコボコにしてから、アルムさんと兵士連中に全力で止められる結果になった。
「ホタル殿! 言っただろう……なんで殴り返したんだ……我慢するはずじゃなかったのか……」
「なぁ……アルムさんよぅ? 俺は確かに横柄な態度は我慢出来るがな、殴られて謝るなんて真似は約束した覚えはねぇぞ!」
縛られた状態で力を込めると縄が軋む。
「お、落ち着いてくれ、すぐに私達の上官が来るはずだから、頼むから大人しく待ってくれ!」
「あぁ!?」
「はぁ……アルムさんダメッスよ。こうなった先輩はただのバーサーカーみたいなもんッスからね。むしろ、やり方を変えるのが一番ッス!」
俺の目の前でモモがジャガイモを取り出す。それの芽が生えた部分を大きくカットすると、生のまま口に運ぼうとする。
「バカヤロー! モモ、ジャガイモだぞ! 生で食べんな! 芽をしっかり取らないとジャガイモには毒があるんだぞ!」
「ほら、見るッス。先輩は変なところが真面目ッスから、普通の説得よりもこれが一番ッスよ」
そんなやり取りが終わり、冷静になった俺達の元に明らかに雰囲気の違う鎧姿のオヤジがやってくる。
よく見れば、俺に殴られた鎧男達も顔面をボコボコに腫れさせたまま同行していた。
「アルム討伐部隊長。何故、君がこの件に関わっているのか分からぬが後に報告したまえ、それよりも彼がこの騒動を起こした張本人かね?」
偉そうな鎧オヤジから、そう聞かれたアルムが敬礼を返した後に返事を返していく。
「はい! ですが、内容に誤解があり、釈明の発言をお許し頂きたく存じます。発言のご許可を頂けませんでしょうか!」
アルムさんの発言に鎧オヤジの背後からボコボコにした鎧男が声を上げる。
「サンセル支部長! アルム如き、無能な討伐部隊長の言葉に耳を傾ける必要などありません! このガストンの発言をお疑いですか!」
どんな説明をされてるか知らないが、いきなり殴りかかってきて、被害者ヅラか? やっぱり、もう20発は頭に教えてやるべきだったか?
「見てください。サンセル支部長! あの悪辣とした表情を! このガストンは先んじて危険分子だと判断して行動をしたのです!」
そこまで言われて我慢の限界を迎えた。
「上等だ……上等過ぎて、三枚に下ろしてから、叩きにでもしてやりたくなってきたぞ……鎧野郎がァ!」
俺が縛られたまま立ち上がる。
しかし、鎧オヤジが鎧男へと視線を向ける。
「ガストン。誰が発言を許可した?」
そう呟いた瞬間、鎧男が鎧オヤジにぶっ飛ばされていく。
「それと、大男よ。お前さんも状況が分からないのかね? 事実はどうであれ、騎士団に手を出したのだぞ。それとアルム討伐部隊長……お前からの発言の許可だったな?」
「はい! サンセル支部長殿。お許しを頂ければ、嘘偽り無き真実をお伝えすることを命に賭けて誓います!」
「ふむ……宜しい。ならば話せ! 両者の言い分を聞かねば話にならないからな」
何故か俺は無実の罪で拘束されたまま話し合いを聞かされた。
御丁寧にモモが俺の口にガムテープをぐるぐる巻きにしてくれてるから、反論すらできねぇ!
「先輩、今は大人しくするッス……今暴れても厄介なだけだってわかるッスよね?」
「|うガガッガ、うぅガガッゴゴガ、ゴゥガガガガウガ!《俺にだって、言い分ってのが、あるんだからな!》」
「はいはい。わかってるッスから……とにかく、見守るッスよ」
アルムさんは必死に説明を開始する。俺に喧嘩を売ったのはガストンって名前らしい。
何より、理由もなくいきなり殴りかかった事実は俺も気になるんだよな。
そこから、鎧オヤジの行動は早かった。先頭から順に、俺達の馬車までに乗っていた奴ら1人1人に話を聞いていった。
そうして、戻ってきた鎧オヤジは鬼みたいな顔でガストンを睨みつけた。
「部下の管理も上官である私の仕事だ。そうだな、アルム討伐部隊長」
「はい、事実であります」
「支部長を任されて以来、現場を離れる日が多くなった……それも事実だな。アルム討伐部隊長」
「は、はい! 事実であります」
「ならば、部下の処罰を決断するのも、支部長である私の仕事だな。アルム討伐部隊長」
「はい! 事実であります!」
次の瞬間、鎧オヤジが腰の剣に手を伸ばし、鞘に片手を添えるのが分かった。
ブチッ! バリバリ、バリバリ!
俺は縄を【身体強化】で無理やり外し、口のガムテープを一気に剥がす。
マジに痛え……モモのやつ、加減を知らねぇで巻き付けやがって。
「何考えてんだ、鎧オヤジ!」
俺の言葉にアルムさんが青ざめて泣き出しそうだが、微動だにせず、鎧オヤジを見つめている。
「どういうつもりかね? 大男君、今の君は動くタイミングではないだろうに……」
「悪いな鎧オヤジ、アンタにもアンタのやり方があるんだろうがな? ガキと女が見てる前で刃物を人にぶん回すのは、ダメだろうが!」
「おい、アルム討伐部隊長? この大男君は何を言っているんだ、些か理解に苦しむのだがね」
「は、はい……その、私にも……よく分かりません!」
アルムさん半泣きかよ。ったく、しょうがねぇな……
「なぁ、そのガストンってヤツと俺が単なる喧嘩なら問題ない話だろ? 仕事中に喧嘩になっただけの話なら命まで取る必要ないよな? アルムさんどうなんだ」
「え、あ、いや……確かに、喧嘩であれば、サンセル支部長殿の手を煩わせず、規則違反の範囲での判断になります……」
アルムさんがそう口にすると鎧オヤジが俺に鋭い視線を向ける。
「……まったく、私に向かって馬鹿げた発言をするやつだね、君はこれを喧嘩で済ませる気かね?」
「むしろ、鎧オヤジ……いや、支部長さんが街のすべての喧嘩を仲裁するお人好しなら、話は聞くが、アンタはそんな暇人じゃないんだろ?」
「ふふっ、ふぁはははは! 確かに私もそんなに暇人ではないな! よし、今回はお前の憶さない馬鹿げた態度に免じて、喧嘩とやらを見届けてやる!」
「話が早くて助かる。なら、ガストンってやつを起こしてくれるか?」
その後は、ガストンとのタイマンになる。
身長差はなかったが、素手のタイマンで俺は人生で負けたのは一度きりだ。
つまり……
「俺を倒したいならッ! カナミンを日本から呼んできなッ!」
そうして、俺はガストンをノックアウトして幕をひいた。
アルムさんだけは絶望の表情を浮かべ続けていたが、あの支部長は納得してたみたいだから……まあ、大丈夫だろう?
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