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139話

◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 二段階認証のメッセージが届かなかったため、夜にログインができませんでした。朝もログインができなかったので、昼に投稿することになりました。

 申し訳ございませんm(_ _)m。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


──139話──


 久々に自分の甘さに反吐が出るな……


「ホタル、早く来るんだぞ! オイラがソマリを運ぶから」


「わかってる……だけどな、一撃くらったら、100倍返しだ……だから、先に走れ!」


 俺が立ち止まると、足元に矢が突き刺さる。


 相手が死んだらとか、面倒臭い思考が吹き飛び、俺も覚悟を改める。


「遠距離攻撃がお前らだけだと思うなよぉぉぉぉぉぉッ!」


 スキル【店舗収納】をオフにして、左右に小さな一軒家を出していく。


「エスが作ったダンジョン産の建物は魔物対策済みだから、死ぬ程痛てぇかんなぁぁぁ!」


 全力の【身体強化】で小さな一軒家をぶん投げる。


「え、ま、待て! うわぁぁぁ! げふっ!」


 遠距離から魔法スキルを放っていた女達が、酷い声を出しながら、小さな一軒家の砕けた破片で吹き飛んでいくのを確認して、次に草原を駆けて来ていた冒険者達にも一軒家をプレゼントしてやる。


「待て、逃げんな! おかしいだろ! ダンジョンになんで家があるんだよ!」


 巨大なボス部屋にぎっしりと作られていた街を思い出すと、エスに対して申し訳ない気持ちになるが、後で謝るかな……ただ、今は手を止める気はねぇ!


 ダンジョン内に無数の一軒家が宙を舞い、逃げる冒険者……いや、チンピラ達が二階層の入口側に走っていく。


 ただ、俺はこんな奴らに慈悲をくれてやる気は、毛頭ない。


 そして、ソマリに矢を放った弓使いの男を捕まえ、背中側から頭を鷲掴みにして持ち上げる。


「なぁ……俺が嫌いなことを知ってるか?」


「テメェ、調子にのるなよ……俺たちは、冒険者ギルドとは違って……イダァ、あだまが、やめ!」


「質問に答えろって、二階層の入口側の洞穴はしっかりと家を並べてやったから、時間はたっぷりあるからよ……」


「じらない、オマエのぎらいなごとなんで……」


 俺は男の頭に込めすぎた力を僅かに緩める。


「俺は煙草を盗まれるのも、酒を盗まれるのも嫌いだ。だけどな……もっと嫌いなのは、ウチの連中を傷つけるクソ野郎だ!」


 俺は地面に向けて、弓使いを顔面ダイブさせる。


「これ以上、お前を持ってたら、潰しちまいそうだからな……土でも食って、反省しろバカヤロ!」


 弓使いを物理的に眠らせてから、次にぶん投げた家を【店舗収納】で回収していく。

 回収さえすれば、壊れててもリセットってのは、マジにチートってやつだよな……ズルしてる気分になるが、今回は正直に感謝だな。今のエスとは違うエスト時代のものだが、壊して終わりなんて悲しいからな。


 回収した家の下からは、瀕死になった状態のチンピラ冒険者がいたが、全員ピクピクしてるのを確認したので問題なしと判断した。


 1人や2人、召されてるかと思ったが、身体が頑丈だったらしい。強く産んでくれた母親に感謝しろってんだ。


「さて、あとはあっちか……」


 俺は視線を他の奴らに向ける。当然だが、二階層から一階層に繋がる階段へは、洞穴を通らないと戻れない。


 そんな希望は俺が投げた無数の一軒家でしっかりと塞がせてもらってるがな。


「夢のマイホームをプレゼントだ……代金はしっかり回収しねぇとな……」


 俺がチンピラ達の聞こえる距離でそう呟くと、チンピラ達が悪魔でも見るみたいに怯えだした。


「来るなぁぁ! 来るなぁぁ! 誰かあいつを止めろぉぉ!」

「嫌だ、嫌だ嫌だぁぁぁ! もう悪いことなんて、アタシはしないから、早く瓦礫を退かしてよ!」


「う、うわぁぁぁ! 死んでたまるかァァ! 食らえ! グハッ、イダァィから、やめ──」


 俺に拳で話し合いなんて、いい度胸だな……ただ、話し合いの時間は終わってんのによ!


 結局、女以外のチンピラ全員を半殺し以上になるようにしっかりと力加減をしてぶっ飛ばした。


 ただ、この時点で俺は自分が馬鹿な選択をした事実に慌てて駆け出す。


「やべぇ! ソマリは怪我してるのに、三階層に向かわせて、ポメラがまたハサミムシに襲われたら……くそ!」


 あのハサミムシが二階層の魔物ならこんなに焦らねぇ、ただ、アイツらは、三階層からあのハサミムシに追われてたんだ!

 そんな場所に……リスクしかねぇのに、ソマリとポメラを向かわせちまったなんて!


「ソマリ! ポメラぁぁぁ!」


 三階層の階段が分からないまま、俺は必死に走った。


 そんな俺の前に、冒険者らしい雰囲気の男達が視界に入る。

 1人の男の肩には、ソマリが担がれ、別の男の背中には、意識を失っているのか、疲れ果てた表情のポメラの姿があった。


「お前らァァァッ! ウチの奴らに何する気だゴラァ!」


 俺を見て、先頭の若い男が慌てた様子で腰の剣に手をかけた。

 しかし、別の男が若い男の行動を止める。


「待て! 話を聞いてくれ! 頼む、名乗らせてくれ、鬼人のホタルさんだよな……俺達は冒険者ギルドの冒険者で……」


「冒険者だぁ! アイツらの仲間ってか!」


「頼む! 話を聞いてくれ、俺はパーティーリーダーのレイダだ……ソマリが怪我してたから、薬草を飲ませた! ポメラにも薬草を食べさせたし、変なことは一切してないから! なんなら、俺達は『グリーンロック』って、C級パーティーだ」


 俺は警戒しながらも、ソマリとポメラの名前を知ってる事実を聞き、話を聞いていく。


「話を聞いてくれるんだよな……俺達は四階層で食料が予想より消耗し過ぎたから、補充に戻るつもりで上がって来たんだ……そしたら、ポメラがソマリと階段で倒れてたから、助けただけだ」


 C級冒険者パーティー『グリーンロック』

 リーダー レイダ(剣士)

 メンバー ロンガ(斥候)

 メンバー アルバ(盾役)

 メンバー マサナ(魔道士)

 メンバー デロイ(格闘家)


 男だけの5人組パーティーらしい。ただ、リーダーのレイダから、話を聞いて俺はすぐに謝罪した。


「勘違いして、本当にすまなかった。許してくれ、取り乱したって言っても、ウチの連中を助けてくれた恩人に、本当にすまん!」


「あ、頭をあげてくれって! 俺達にも、ガキや嫁がいるから、ホタルさんの気持ちは分かるからよ」


「そうだぜ。いきなり襲ってくるかと思って俺はヒヤヒヤしたけどな」


 斥候を務めていたロンガにそう言われ、改めて申し訳ない気持ちになった。


「話を割ってすまない。格闘家のデロイってんだが、ソマリの怪我はどう見てもコボルトやゴブリンの弓じゃないだろ? 何があったんだ」


 質問に対して、素直に話すか悩んだが、俺はありのままを伝えることにした。


「マジかよ! 冒険者が冒険者を襲うなんてのは、禁忌中の禁忌だぞ! 冒険者として、許せねぇ! みんな、悪いが食材補充は中止だ。ライムの冒険者ギルドまで、馬鹿な真似をした連中を連れてくぞ!」


 リーダーのレイダがそう言ってくれたので、俺はソマリとポメラを両手で抱え、一緒に移動を開始する。


 草原の状況を見て、『グリーンロック』の面々は驚きを露わにしていた。


「ひでぇな、草原が穴だらけだし……すげぇ矢の数だな……」

「なぁ、ホタルさん……地面に埋まってる奴らも、襲ってきたやつでいいんだよな?」


 そうして、チンピラ達を捕縛しながら、洞穴側に向かい、男女含めて30人程度のチンピラを縛りあげる結果になった。

お読みいただきありがとうございます!

もし少しでも『蛍とモモの掛け合いが面白いな』『続きが気になる』と思ってくださったら、ページ下部の【☆】や【ブックマーク】で応援していただけると、ハゲみになります……!(毛根的な意味で)

☆ギャグが笑えなくても、クーリングオフは勘弁してください。

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