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100話

 ソマリとポメラを連れて、ボルガ山からライムの街に帰る。


 その足で、冒険者ギルドに向かい、ソマリとポメラのクエスト報告を終わらせる。


 クエストが無事に完了したからなのか、2人は嬉しそうに笑みを浮かべていた。


「無事にクエストが達成できたぞ。ホタルのお陰だな!」

「そうだぞ。オイラ達のピンチにシュタって現れて、バコンなんだぞ!」


 楽しそうに会話をする2人、そんな2人が突然走り出す。


「ホタル! 見るんだぞ! カイトがいるんだぞ!」

「オイラにも見えるぞ! カイトと焼きそば焼ける君だぞ!」


 冒険者ギルドから少しいった位置に人集りができており、多少なりと人が並んでいるのが見て取れた。


「おまちどう! 焼きそば2つで銅貨8枚だよ」


 知らなかったが、焼きそばは1つ、銅貨4枚、日本円で400円らしい。


 普通に物価を考えれば多少高めに感じるが、それでも無理な値段設定じゃないのが上手いな。


 上手く商売をしているようだったが、そこに柄の悪い連中が割り込んでくるのが見えた。


「久しぶりじゃねぇか? もう、ヤバい食材を使わないのか!」

「違ぇねぇな! こいつが昔扱ってたのは、あのラッキー・アン・ラッキーバードのヤバい方の卵を売る手伝いしてたんだっけか?」


 酷い内容の話を大声で笑いながら話し出すと、並んでいた客が散っていく。


 ただ、カイトは無言だった。


「なんか、言えよカイト? あ、でも、そうだなぁ……売上金を全部くれるなら、この変なのを売るのを手伝ってやるよ!」


 ゲスな笑い声が響いた瞬間、ソマリとポメラが動き出そうとしていた。


「ソマリ、ポメラ、カイトを頼む。俺はちょっと話をしてくるからよ」


「わかったぞ! ボク達に任せるんだぞ!」

「しっかりやり遂げるから安心するんだぞ!」


 俺はそいつらの背後に忍び寄り、首に両手を伸ばして、ぐっと腕で絞める。


「随分と楽しそうだなぁ? あぁ? ウチのカイトになんのイチャモンなんだ? 俺も混ぜてくれよ」


「な、なんだ、てめぇ……は、はなしやがれ……」

「抜けねぇ、くそ、はなせ……こんなことして、ただで済むと……」


 更に腕に力を込める。


「ピーチクパーチクはいいんだよ。真面目に頑張ってるやつの邪魔して、甘い蜜ばっかり吸いやがって! そんなに美味いってんなら、俺が骨までしゃぶり尽くしてやろうか、ゴラァッ!」


 そこまで言うと、慌てた様子の騎士団が俺の周囲を取り囲むように集まり出していた。


 当然、騎士団は仕事だ。俺もそれは理解してる。


「はぁ、仕方ねぇな……ほら、離してやる。大人しく騎士団で反省しろ!」


 そこまで俺は口にしたが、向けられた槍は下げられる様子はない。


「ん? なんだよ」


 俺の質問に騎士団側の男が威圧的な声を出す。


「動くな! キサマが一般市民に暴力行為を働いているのは、紛れもない事実だ!」


 そう口にした騎士団の顔を見るが、見慣れない顔だった。

 騎士団とは、焼きそばパンの契約もあり、名前はしらなくても、騎士の連中の顔は把握してる。


「誰だ、お前?」


 俺の言葉に、一瞬だか動揺したように見えた。


「聞いてんだ? 俺は騎士団でお前の顔を見た覚えがねぇ、ついでに他の奴らもな」


 明らかに動揺する騎士団の姿に、傍観していた周囲からも無言ながら、疑問の眼差しが向けられていく。


 何より、こいつらの現れたタイミングが一番気に入らねぇ。

 早い話が、バカ共が騒ぎ出してから登場までが早すぎるんだよ。


「くっ、と、とにかく……騎士団に連行されたくはないだろう! どうなんだ!」


 引き攣った笑みを浮かべながら、そんなことを口にしてきたので、俺はニッコリと微笑む。


「や、やっと自分の立場が理解できたらしいな! え、ぐぁ! まって、ギャアァァァァ!」


 悩まずに向けられた槍を掴んで、俺は手前に引っ張ると、槍を握ったままの騎士がバランスを崩したと同時に槍ごと豪快にぶん回してやる。


「正当防衛だ! ついでに言えば、サンセル支部長には、単なる喧嘩だって俺から報告しといてやるよ!」


 まぁ、十中八九、偽物だろうがな!


 そこからは、逃げようとする騎士団をとっ捕まえて、拘束していく。


 そうしてる間に、騒ぎを聞いた別の騎士団が金属音を鳴らしながら、全力で駆けつけてきた。


「なんの騒ぎですか! その場から動かないで!」

「いや、え、ホタルさん……また、ホタルさんなんですか……」


 俺の存在に気づいた騎士団の奴らが頭を抱えている姿には、当事者ながら同情する。ただ、今回は話が別だ。


「なあ、悪いんだが? こいつは本当に騎士団の人間なのか?」


 必死に逃げようと抵抗してるが逃がす気はねぇ。


 何より、俺が縛り上げた奴らの様子を見れば、答えは明らかだな。


「我々騎士団の人間では無いようです……ホタルさん、申し訳ありませんが、話を聞きたいので、ご一緒に騎士団まで同行していただけますでしょうか」


 またかよ……めんどくせぇ。


「はぁ……少し待ってくれ、このまま俺がついて行くと、もれなくモモとエスが乗り込んでくるだろうからな……」


 モモが乗り込んでくると聞いた騎士団の顔が引き攣る。

 騎士団とモモは相性が悪いからな……特にイケメン眼鏡がなぁ……


「わ、分かりました。待ちますので……話を済ませてください」


 許可を得たので、俺はカイト、ソマリ、ポメラの3人にしっかりとみんなに説明してくれるように念を押しておく。


「いいか、絶対に誤解がないようにしっかりと説明するんだぞ。俺は今から騎士団に向かうから、モモとエスに何もないから、待ってろって言うんだぞ、いいな?」


「ホタル、わかったぞ! ボクがしっかりとモモに伝えるぞ!」

「そうだぞ! オイラもしっかりと説明するぞ!」


 多少の不安はあるが、まぁ、大丈夫だろう。


 話がついたので、俺は騎士団へとついて行くことになり、カイト達はそのまま帰らせた。


 騎士団に到着すると何度目かになる取り調べ室に案内される。


「なぁ、今回は俺は任意だろうが? なんでこの部屋なんだよ」


 騎士の1人が申し訳ないと言いながら、紅茶を出してきた。


「すみません。何故か、エレガ副長がホタルさんに話しを聞くと伝えたら、取り調べ室に案内するように言われまして……」


 あのイケメン眼鏡か……


 紅茶を飲んでいると、取り調べ室にイケメン眼鏡が姿を現す。


「この部屋で話すのは、久しぶりだな! また問題を起こしたらしいな。この前は見逃したが今回はそうはいかんぞ!」


 テーブルをバンと叩くと、イケメン眼鏡はニヤリと笑う。


「いや、俺は話を聞きたいって言われてきただけなんだがな……」


 そうして、俺とイケメン眼鏡の睨み合いが始まる。だが、そんなにらめっこも、取り調べ室に駆け込んできた騎士により一変する。


「エレガ副長! 騎士団の倉庫を再調査したところ、大量の武器と防具など、他にも複数の品が紛失しているとのことです!」


「ふざけるな! ホタル……不本意だが、仕事だ! 取り調べは、明日になるだろうから、逃げるなよ!」


 おいおい、マジかよ……やべぇ、帰れないのは予想外すぎるぞ……

 こりゃ、モモとエスにキレられるかもな……

お読みいただきありがとうございます!

もし少しでも『蛍とモモの掛け合いが面白いな』『続きが気になる』と思ってくださったら、ページ下部の【☆】や【ブックマーク】で応援していただけると、ハゲみになります……!(毛根的な意味で)

☆ギャグが笑えなくても、クーリングオフは勘弁してください。

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