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三月(5)

三月(5)


 再生した魔王ダークエンドを見て、ケイが言った。

「ユーリ。これは、魔王ヴァルプルギスナハトと同じじゃないか?」


 魔王ヴァルプルギスナハトは、魔女祭の概念が擬人化した存在だ


 魔女の守護者であり、女性が近づくと問答無用で『魔女堕ち』させる。

 そして、その魔王は周囲に魔女がいる限り無敵であるため、討伐が大変面倒くさい魔王だった。


 そのとき、その場にいた全員が私を見た。


 えっ?

 みんなどうしたの?

 どうして私を見るの?


「いや違う、そうじゃない。魔王ダークエンドの無敵条件は『魔女』じゃない」


 アーサー様は首を捻った。

「ケイ。ではお前が考える魔王ダークエンドの『弱点』は何なんだ?」


「落ち着いて考えてみろ。魔王ダークエンドの別名はバッドエンド。ならば魔王の弱点は?」


 あっ、なるほど!


「そうか、バッドエンドの対義語はハッピーエンド……」

 ランスロット様も気が付いた。


 魔王ダークエンドはバッドエンドに出現する魔王。

 ハッピーエンドでは存在できない。


「やってみる価値はありそうね!」

 私は『主人公』マリアの手を握った。


「グインネビア嬢。君は世界をハッピーエンドに導くことができるのか?」

 私はうなづいた。


 私には見えている。

 ハッピーエンドにたどり着く、その道筋を。


「ねぇマリア。あなたは、まだアーサー様の事が好き?」

「えっ?今、この状況で、それって関係あるんですか?」


 マリアの頬が赤くなった。

 これは、まだ脈があるな。


「大アリよ。魔王の討伐はあなたの行動にかかっているの!」

「だから、どう言う事なんですか!」


「あとは、アーサー様の気持ち次第よ」

「えっ、僕?」


「アーサー様、正直に答えて下さい!あなたが、記念パーティーでマリア嬢との婚約を宣言した気持ちは、ただの遊びだったんですか?」


「馬鹿な、遊びで婚約宣言などできるものか!」


 それは、そうだよね。

 私は知っていた。


 記念パーティーでのアーサー様とマリアの婚約宣言は、『魔眼:人心操作』のせいだった。

 でも、実際に実行に移したのはアーサー様の本心だ。


「よし、マリア。今、ここでアーサー様にちゃんと『告白』しなさい!」

「えぇっ!」


 今、アーサー様はフリーなのだ。

 元婚約者だったディアナ嬢はケイと婚約した。


 もうマリアは、誰にも遠慮する必要なんてない。


 さぁ、マリア。

 私の魔眼せいでうやむやになってしまった『告白』を、この機会にちゃんとやり直して下さい!


 そして、マリアは告白した。

「アーサー様、今でも大好きです。付き合って下さい!」


「あっ、はい。よろしくお願いします。僕も大好きです」

 アーサー様が、マリアの手を握った。


 その瞬間、魔王ダークエンドの魔力の流れが停止した。

 魔王が弱体化したのが感じられた。


 ちょっと強引だったけど、これからマリアはアーサールートのエンディングだ。

 魔王ダークエンドには、退場してもらおう。


「じゃ、早速二人で共同作業よ。わかるわよね?」

 アーサー様とマリアが、頷いた。


「「選定剣キャリバーンよ、 邪悪を断て! 」」


 そして、魔王ダークエンドは、光に包まれて消滅した。

 その後、魔王は二度と再生することは無かった。


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