一月
一月
結局、アーサー様とディアナ嬢の婚約破棄は覆らなかった。
ただ、ディアナ嬢の断罪と学園追放だけが撤回された形になった。
また、勇者ユーリの乱入で、アーサー様とマリアの婚約も白紙となった。
あれだけの騒ぎを起こしたのだ。
すべてが元通りとはならないだろう。
マリアは、ユーリ君と一緒に実家に帰ってしまった。
アーサー様は、責任をとって自主退学になると聞いた。
ディアナ嬢は、実家に帰ったきり魔法学園に戻って来ていない。
みんなに申し訳ないことをしてしまった。
あんなにも大騒ぎになるなんて、思っていなかったのだ。
すべて私が原因だ。
あの時は、本当に良いアイディアだと思ったのだ。
でも、良かれと思ってやった事が、全部裏目に出てしまった。
魔眼なんて使わなければ良かった。
今さら後悔しても、もう遅い。
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私が生徒会室で落ち込んでいると、生徒会長のランスロット様がやってきた。
「どうしたんだい?私は君の悲しい顔なんて見たくないよ」
ランスロット様が優しい声をかけてくれたのに、私の心には響かなかった。
「グインネヴィア嬢。私にできることはあるかな?遠慮せずに言って欲しいんだ」
遠慮なんてしていない。
本当のことなど言えるわけがない。
ランスロット様、私は魔眼の魔女なのです。
本当の私は、あなたの婚約者にふさわしくないのです。
「やれやれ、困ったな。私は君の望みをなんでも叶えてあげるつもりなんだよ。私はいつまでも待っているからね」
そう言って、私の手を握ってくれた。
ランスロット様、私は魔眼の魔女なのです。
こんな私なんて、さっさと婚約破棄して断罪追放して下さい。




