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†アルヴス アトリエ オンライン†  作者: ネコまっしぐら
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……ちゅ……ちゅんちゅん… ヒヒン…

ガタ…ガタゴト… ガヤガヤ……



よく響いてくる外の喧騒に目だ覚めた。



「ふぅあぁ〜、よく寝た……」

と言うか寝すぎた。


朝、部屋に戻って少し二度寝と思ったら、熟睡してしまっていたみたいだ。



すでに昼は回っているようで、窓の外は、街のメイン通りを慌ただしく行き交う人で溢れている。

皆、活力に漲った顔していて、午後からの仕事を頑張ろうとする人達や、昼のピークが終わって、遅い昼食を摂っている飲食店の店員さん等、ここからは色んなものが見える。


2日前から泊まっている、この【ネムの樹亭】は一泊5万gもするので、住み替えようと思っていたんだけど、色々と事情があって、住み続ける事にした。


スマホがあれば、住む所が何処でも連絡が取れるんだけどなぁ……

と、そんなご都合主義が通る訳は無いので、これからしばらく滞在する為の宿代稼ぎと、本格的に仲間探しを始めようと決心する。



いくら召喚士と言う上級職で、レベルもかなり高いはずとは言え……さすがにソロで遺跡に潜ったりする程の、チャレンジャー精神は持ち合わせていないしね。


……やっぱり行くしか無いか。

この街に行くと決めた時から、冒険者ギルドに登録する事は考えていたんだけど、ソロプレイ時代が長すぎて、見知らぬ人達と上手くやれるのだろうか?

それに、俺が求めている強い人達はどの程度いるのか、と言う問題もある。



基本職二週目の冒険者すら少なそうな現状で、上級職…つまり基本職累計200LV到達者ってかなり少ないんじゃないのかなぁ。


その辺は受付のお姉さんにでも教えてもらうしかないか…

お仕事だから、面倒くさそうにはされないだろうし!




俺は支度を始め、宿を後にする。







ーーーーガザン 洞窟 翼竜の巣ーーーー


「ゴルウゥ…グァ……」


ガザン洞窟は、シャーリアから南に馬車で2日程度の場所にある、翼竜達が住処とする場所だ。

洞窟の東には不死山の裾野も広がっており、翼竜の繁殖には持ってこいの場所と言える。


ここには、凡そ300羽近い翼竜が生息しているが、その殆どが、火属性を持ち硬い鱗に覆われた、体長4m、羽を広げた全長は10mにもなるワイバーンと呼ばれる者達。


そして、10匹に1匹程度の割合でしかいない、水属性を持ちワイバーンと同程度の大きさだが、白い鱗を持つクリスタルワイバーンとに分かれている。



これらの卵には、長寿や上級ポーションの原料と言われる成分が含まれており、高値で取り引きされるため、盗みに入ろうする冒険者や野盗は山程いる……が、

警戒心の強い翼竜達の目を盗み卵を持ち帰るのは至難で、この辺りを活動域にする、タチの悪い盗賊団も卵を取りに来る者達を狙っているのだ。




ーーーーーーーーーーーーーー




「いーらっしゃいませー!」

まるで居酒屋にでも入ったかと思うくらいの掛け声に、室内にいた冒険者達からの視線が、入り口に立つ俺に刺さる。

あまり気持ちが良いものでは無いけど、恐らく値踏みされてるんだろうな?


ゲーム時代なら、誰かが入って来ても、視線をやる人等ほとんど居なかったのに……

ほんな事を突っ立って考えていると「こっちですよ〜」と、陽気な声が掛かる。


先程のお姉さんが呼んでいる。


俺は、周りの視線は気付かないフリをしながら、カウンター前に立つ。


「…あの、冒険者とうろ…「冒険者登録ですね⁈こちらの用紙にご記入を!あっ、文字は書けますかー??」


ヤバイ位にマシンガントークで攻めて来る……

圧倒されていると、眼鏡を掛けた、お淑やかそうなお姉さんが、元気なお姉さんを……押しのけた。


「いたぁー!」

「当ギルドへようこそ。冒険者ギルドの登録は初めてですか?」

横からのクレームを無視して、眼鏡のお姉さんは受付を笑顔でこなす。


「あっ、はい」

「では、登録に進ませて頂きますが、代筆は致しますか?今月は募集促進期間なので、手数料は必要ごさいません。」「ちょっとー!」

ガン無視で進めるお姉様…ちょっと怖いです。


「あぁ……ではお願いします。」「はい。では、順番に質問させて頂きますので、お答えください。」 「むぐぐぐ……」

顔を掴まれて押されてるのに諦めないお姉さんも怖いです……



ー登録内容ー

名前 アールヴ・スカンディナ

種族 ハーフエルフ

職種 魔法士

LV 80(基礎職)

戦闘経験 有

フリーでのパーティ要請を受ける? はい

緊急時の連絡先※任意 赤い盾


ーーーーーー



「では、こちらで登録完了となります。登録料は10万gジェムとなります。」

俺は登録料を支払って、ネームタグを受け取る。

「こちらのタグは、ウッド・アイロン・スチール・ゴールド・ミスリルの五段階になっております。」

「ご登録の内容であれば、アイロンタグもお渡し出来ますが、如何致しますか?」

アイロンが貰えるのであれば、そちらの方が良いだろうと思い受け取る。



「……念の為のご注意なのですが、誤った内容で登録されて、高難易度のクエストで大怪我や、命を落とす事があっても、当ギルドでは対応出来ませんので、ご注意下さい。」


……おそらくLVのサバを読んでいると疑われているんだと思う。しかも上に。

だいぶ下にしたんだけどなぁ……

まぁ、いいかと割り切って、今からクエストが受けれるか聞いてみる。


……


可能との事だったので、アイロンタグのソロで受けられる一番難しそうな物と言ったら睨まれた…………怖いです。


「私の話を聞かれてましたか?」と、怒り気味に言いながら出してくれたのは、シャーリアの西にある沼地での採取依頼だった。

狩りが良かったとは思ったんだけど……怖くて言えませんでした。



沼地は近いらしいので、これから行ってみる事に決めて、カウンターから振り返ると……アリシアさんが居た。

「アールヴさん!…クエストですか?」

俺が意識して声を掛け損なっていると、普通に尋ねられた。

あれ?……おかしいな。


「っあぁ、そうなんです。今日が初クエストで西の沼地に薬草採取です。」

「初クエストで沼地に…?あそこはモンスターも良くでるので危ないですよ?」

ちらりとカウンターの眼鏡のお姉さんを見るアリシアさん。

「私も気乗りはしなかったんですけど、そちらの方がLV80のアイアンで、難しいクエストを!と言われたので……」


そうですか……と、アリシアさんは考え込むと、眼鏡の…もとい、クリシナさんにお使いの資料を渡した。

「ウチの神官長から、ギルドマスター様に渡すように頼まれたので、クリシナお願いできますか?」

「別に構いませんよ?」

「私はアールヴさんに同行して沼地に行って来ます。」神官が居た方が良いですしね、と笑いかけて来る。


なんて良い娘なんだ…

もしかして、某王女のように俺を騙しているのだろうか、分からない、経験値が足りないな……





こうして、俺とアリシアさんはペアハンに出る事となった。


……


ポーション系のアイテムを見ている彼女を見ながら、俺を騙して何を得られるかを真剣に考えていると、

「前の感じなら大丈夫だとは思ったんですけど、余計なお節介でしたか?」

少し暗い表情を浮かべた彼女に、慌ててお礼を言ってフォローする。


「…それに、クリシナも怪しんでいそうだったので」

気配りが出来て、可愛いとか最強だな……と思っていると、買い物を手早く終えた彼女が行きましょうか?と言い、俺は頷いた。





沼地に向かうのは、馬で向かうのだけど、俺のシンボリを見て、アリシアさんは身を見開いていた…

馬に乗るのに、神官服はワンピース式になっていたので、気になっていたけど、横がスリットになって、中には膝丈のハーフパンツを履いていた。


……べっ別に期待してないですよ?



ふたりで馬を走らせ、小一時間程で沼地に着いた。

確かに、鬱蒼とした感じで、丈の高い雑草が生えていたり、毒っぽい沼などが、あちこちにあった。


こんな所は来た事が無かったな…

そう思いながら目的の物を探す。



……んー…… ないな

「なかなか見つかりませんね…」



なんか申し訳ない気分になったが、見つからないものは仕方ないので、俺達はどんどん奥に向かう事になった……

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