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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
2-2章「王女との出会いとやらかし」

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第57話「禁断の愛?」

#第57話「禁断の愛?」


 ソフィアはレオンが何故、変装や偽名を使ってまで実を隠して魔道具を渡してくれたのか分からなかった。

 そこで国王のエドワード、そして王妃のカタリーナに問いかけた。


 そしてカタリーナから回答をもらい、ようやく完全に理解した。レオンは天才的な魔道具師であり、それが世間にそのままばれるとまずいということを。

 公爵家から疎まれるのは間違いない。そして公爵家やその身近な貴族、更には国外からも狙われる可能性があるらしい。

 それは絶対に避ける必要がある。人前で仲良くできないことは凄く残念だが、それぐらいは仕方がない。レオンの命の方が圧倒的に大事だ。

 助けてくれたのがレオンだと言うことを知らないふりを続ける必要がある。大変だけど頑張ろうと思っていた。


 そこでソフィアは思い出したように語った。

「そう言えば、大切なことを一つ思い出しました。レオンは魔石に魔力が満ちると魔道具が止まると言っていました」


「それは困りましたね。どうしたらいいのでしょう」

 カタリーナはそれはまずいと感じた。魔道具が作動しなくなればソフィアの体調が再び悪くなる可能性があるかもしれない。

 専属医の方を見たが専属医も困惑しているようだ。まさか止まるとは思っていなかった様子だ。エドワードも困惑しているように見える。


 しかし、そこでソフィアが話を続けた。

「でも、大丈夫ですよ。魔石に魔力が満ちたら、魔力が空の魔石に変えればいいとレオンが教えてくれました」


「そうですか……ならば良かったです」

 カタリーナはそれを聞いて安堵した。そして心の中でレオンに再び感謝した。今後のことも考えていてくれたのかと。魔力が無くなった魔石を集めることぐらいならば王家でなんとでもなる。

 しかしソフィアの次の言葉には少しびっくりした。


「なので私は言いました。ならばその空の魔石をレオンに用意して欲しいと。そうしたらレオンは少し困りながらも『分かりました。三カ月に一度ぐらいお届けしましょう』と言ってくれたのです」


「そう……ですか」

 カタリーナは困惑した。はて?レオンは何を思って三カ月に一回としたのだろう。そうなるとレオンは辺境伯家から定期的に来る必要があるではないか。そこまで考えているのだろうか?いや、レオンのことだ、おそらく何か意味があるのだろうなどと考察していた。

 まあ、現実にはカタリーナがレオンを買いかぶりすぎただけだ。実際にはレオンは何も考えていない。適当にその場で思いついた数字で答えただけ。そして未来の俺何とかしてくれ案件に登録していたのである。


「はい。ですので、三か月に一度は会うことができますよね。いつもは会えない。三カ月に一度しか会えない禁断の恋です。あぁ、なんてロマンチックなのでしょう」


 カタリーナは心の中で再び頭を抱えた。また悲劇のヒロイン話が始まってしまったなと。

 そもそも三カ月に一度ならばそれなりの頻度だ。禁断の愛でもなかろうに。

 しかしそんなことを言えばへそを曲げるのは確実。せっかく勉強をやる気になっているのである。「ここはレオン君に頑張ってもらえばいいかな。うん、そうしましょう」と心の中でつぶやいた。


「……そうなりますね。ソフィアはますます頑張る必要がありますね。その恋を実らせるのは本当に努力が必要です」

 そうカタリーナは苦笑しながら答えたのだった。

(ほんとうにこの子は素直というか、抜け目がないというか……常に見張っていないと暴走してとんでもないことになりそうですね。大変かもしれませんがレオン君に何とかしてもらいましょう)


 そうしてようやく、今度こそ話は終わった。

 だが、エドワードとカタリーナにはまだまだ残務がある。確認しなければいけないこと、決めなければいけないことがいろいろ出てきたのだ。


・レオンの行動の意味、意思の確認

・そして、この“秘密”をどこまで守るか、その線引きを決めること

・レオンの三か月に一度の王都への来訪をどうするのか


 現実のところ、レオンがどこまで考えて今回の突拍子もない行動に出たのか分からない。なのでまずはその確認が必要だろう。

 しかしその確認も難しい。エドワードやカタリーナがレオンの特異性を知らないふりをしながら、レオンの意思を確認するのは至難の業だ。

 そしてソフィアのことを真剣に思っているのであれば陰で手伝うことはやぶさかではないが、それはレオンの本当の気持ちを知ってからになる。


 また当然のことながらレオンの身を守るためにも現時点で秘密保持は必須だ。誰にも知られてはいけない。

 しかしこちらも同様に話はややこしい。レオンは魔道具はライゼンが作ったとギルベルトに話しているとのことだった。

 父と母にも内緒にしている案件を下手にいじくるとレオンがすねる可能性もあるだろう。その点も考慮に入れる必要がある。まずはレオンを含めずに親に確認する必要があるだろう。


 そしてもう一点。レオンは三か月に一度という頻度で定期的に王都に来る必要がある。その理由付けも必要だ。レオンは既に何かを考えているのかもしれないが、それならばそれでどういう理由なのか確認しなければいけない。

 それらの様々なことを確認し決定していく必要がある。

 それはここまでのカタリーナとソフィアと会話を聞いたエドワードも同じように感じ取っていた。


 カタリーナが席を立ち、静かに言った。

「エドワード、ギルベルトを呼びましょう。まずはレオンの両親に、状況を確認する必要があります」


 エドワードはゆっくりと頷いた。

「……ああ。そうだな。すぐに呼び出し確認しよう。決めなければいけないことがたくさんある。早急に決めていこう」


 そして、ヴァルドリック辺境伯ギルベルトらを招集するための使者が向かったのだった。

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