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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
2章「初の王都と王女との出会い」2-1章「王都へ」

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第41話「王都への道中」

#第41話「王都への道中」


 本当に今回の王都への旅は、俺にとって有意義なスタートになった。初めて魔物を見たし、そして父さんや騎士団の人たちが本当に強いことを実感した。

 見た目は怖そうなブルーウルフを、あっさり蹂躙したのだから驚きだ。あの様子を見るに、もっと強い魔物でも討伐できるのだろう。素直に尊敬する。


 父さんのことを、母さんにデレデレしているリア充くらいにしか思っていなかったけど……やる時はやる人なんだ。だから母さんも惚れたんだろうね。

 そう思うとちょっと悔しい。俺もいつか強くならないといけないかも。母さんみたいに綺麗でかわいい女性と一緒になりたいし。

 ――でも、そうは思っても魔物の討伐はやっぱり怖い。まだ覚悟ができていない。


 そう考えていたら、母さんが「あの程度の魔物なら私でも余裕よ」と言っていた。

 ……マジですか、お母様、それはもうトンデモナイ。


 そしてイリス姉さんまで「私でも倒せるわよ」と笑っている。

 母さんが否定しないからそれも本当なのか?

 確かに姉さんは俺より力もあるし度胸もあるのは分かるけど……この世はやっぱり女性も強い世界なのかもしれない。

 となると、俺は守ってもらう側……?いや、それはそれで情けない。前世で言う“紐”だよな。男としてそれでいいのか?

 この世の中で魔物を倒せない弱い男というのはどういう位置付けになるのだろう。やっぱり情けない男としてモテないのだろうか?せっかく転生したんだから、できれば多少はモテたいのだが?


 うーん、魔物関連では今後も悩むことが増えそうだ。少しずつこの世の中の勉強をして将来を決めよう。

 どうしても強くならないとモテないのであれば……頑張って強くなる?

 でも怖いし……うん、この辺りはとりあえず将来の俺に託そう。今は分からん。


 ちなみに、取り出したばかりの魔石を見るのも初めてだった。大きさは3cmくらいなので大きさから見てもまだ弱い部類という感じがする。

 俺が今まで魔道具で見てきた感じとしては実用サイズは5cm以上くらいなので、この魔石は商売にはならないレベルだろうと思われる。

 ただ、母さんにもらった値段の付かない魔石はこれより更に小さかったから、ぎりぎり買い取ってもらえるレベルなのかもしれない。

 その辺り、魔道具の値段はいろいろと聞いたけど魔石については値段設定さえも知らない。そうやって考えると知らないことだらけだ。

 魔道具本体の勉強ばかりではなく、その周りのこと、そして世の中の常識も徐々に覚えていく必要があるだろうな。今まではちょっと偏りすぎたかもしれない。


 そして魔石の表面の不純物を削る工程を見るのも興味深かった。父さんやオルドがナイフで少しずつ削っていくと、内部の魔石が見えてくる。

 こうして不純物を取り除き、魔道具の動力源に加工していく。なかなかにおもしろい。


 魔物を初めて見て、そこから取り出した魔石を観察し、いろいろなことを学べた一日だった。

 更には他領で食べる食事もおいしかった。いつも食べている食事とは違い、香辛料が独特で食欲をそそる。


「オルドの味付けと違うね!」


「はい。この味も出せるように勉強しますわ」


 オルドは俺がここの料理の味付けを気に入ったと思ったのだろうか?確かにおいしいけどオルドのいつもの料理もおいしい。フォローしておくか。


「でも、オルドの料理の方がおいしいよ」


「レオン坊ちゃん……ありがとうございます。もっとおいしい料理を作れるように頑張りますね」


「うん、ありがとう!」


 ……でも、旅の道中にこんなに贅沢な食事でいいのか?うちは貧乏だって言ってたけど大丈夫なのかな?

 まあそこは子供の俺が考えるところではないかもしれないけどね。


 そうして翌日も旅は順調に進んだ。とは言え何度か魔物が出てきた。

 やはり領と領の境目付近で魔物が出てくることが多い。この世の中でも人間と魔物が棲み分けているのだろうな。そんな印象を受けた。


 前世でも、田舎のほうでは熊とかが出ることがあったんだよね。

 人里に下りてきた時は銃で駆除していたし、その点ではこの世界と似ているのかもしれない。

 そうすることで前世のクマも人里にはあまり降りてこなくなった。同様にこの世の中でも人里に近い魔物は駆除され、その結果、人が少ないところに魔物が生息しているという感じなのだろう。

 どんな世界でも、人がすることは近い。人と自然の距離は簡単には変わらないんだな。


 そうして2日目も順調と言えば順調。途中の魔物も騎士団に軽く討伐されていった。そして、みんな落ち着いたものだ。

 俺は魔物が出て来るたびにビビっていたが、どうやら旅の途中で魔物が出るのはこの世の常識みたいだ。もちろん大きな魔物、強力な魔物とかが出てきたら事件なのだろうけど、そうでもない限りは普通に駆除している。


 これで2日連続で何度か魔物に遭遇、さすがに俺もそろそろ、その状況に慣れてきたかな?などと考えているうちに、二つ目の領地の街へ到着した。今日はここで泊まるらしい。

 領が変わると、再び食べ物の味付けも微妙に違う。前の領の料理よりも更に香りが濃く、調味料も別物のようだ。こういった土地それぞれの料理の違いも興味深い。そう考えると、それも旅の勉強の1つなのかもね。

 オルドも満足そうにしていて、たぶん味付けを研究しているのだろう。そのうち家でも他領の味を再現してくれるかもしれない。


 そしていよいよ三日目――移動の最終日を迎えた。

 順調にいけば、今日中に王都に着くらしい。

 馬車の窓から見える景色も次第に変わり、遠くの地平線には高い塔や城壁の影が見え始めている。さすが王都だ、これまでの街とは全く違う。


 ついに王都だ!

 心臓がドクンドクンと鳴る。初めての王都にワクワクが止まらない。

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