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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
2章「初の王都と王女との出会い」2-1章「王都へ」

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第36話「王都への出発準備」

#第36話「王都への出発準備」


 その日、俺は父さんに呼び出された。

 何かあったっけ? まさか――魔道具を修理したり、作ったりしていたのがバレた?


 いや、落ち着け。以前も呼び出されたことがあったけど、あのときもバレていなかった。

 ここで動揺して挙動不審になっていたら逆に怪しまれる。とにかくまずは平常心、平常心だ。

 俺は一度深呼吸してから、父さんの部屋のドアをノックした。


「入れ」

 低く落ち着いた声が聞こえる。懸命に手を伸ばしてドアを開けると、父さんが机の前で書類を見ていた。


「ああ、レオンだったか。すまない、私がドアを開ければ良かったな」


「ううん、平気だよ。父さんが呼んでるって聞いたから来たんだけど? 何かあった?」


「ああ、そうなんだ。ちょうどレオンに話しておきたいことがあってな」


 父さんは椅子から立ち上がり、俺の目線に合わせてしゃがみ込んだ。

「もうすぐレオンは三歳になるだろう。三歳になったらな、貴族の子息はみんな一緒に王都で“魔力測定”を受けるんだ」


「うん、知ってる! イリス姉さんも前に測定したんだよね。そして魔力が凄いから魔法の天才だって言われているんだよね!」


「そうだ。よく知っているな、レオン。さすがだな」

 父さんは嬉しそうに笑ってくれた。俺もちょっと嬉しい。


「だからレオンも、もうすぐ王都へ行くことになる。それで、少し勉強をしてもらいたいんだ。この国のこと、王都のこと――知っておくべきことがいくつかある。最低でも国王様の名前は覚えて欲しいんだけど、できるかな?」


「分かったー、勉強する! 王様の名前もちゃんと覚える!」

 ……まあ、勉強はあまり好きじゃないけど、自分の国のことぐらいは覚えておいた方がいいよな。それぐらいはまあ大丈夫だ、よほど特殊な名前でもない限りは問題ないだろう。

 一応、俺も貴族の息子だし最低限のことは覚えようと思う。


「レオンは本は読めるのか? よく本を読んでいると聞いているんだが?」


「うーん、ちょっとだけね。でも、文字がまだ難しくて、ミーナに読んでもらってるんだ」


 本当はだいたい読めるようになってきたんだけど、ミーナの膝の上に座って抱っこしてもらいながら本を読んでもらう時間が至福で最高なんだよね。

 できればずっと読めないふりをしていたいんだ。だから当面は文字が読めない設定を続けるつもりでいる。それで7歳ぐらいまではいけるか?


「そうか。ならばこの王国について書かれた本を、ミーナに読んでもらいなさい」


「うん! お願いしてみる!」


「出発は二週間後だ。その間にできるだけ内容を覚えておくように」


「分かった! 任せてよ!」


 うん、もう少し魔道具の開発を続けたかったんだが、これはさすがに魔道具をいじってる場合じゃないな。

 当面は王都に関する勉強を優先しよう。王国について知らずに国王様や他の貴族に失礼なことをしてしまったら大変だからね。

 王様の名前、そして国の名前、他の主要貴族の名前ぐらいは覚えた方がいいのかな?後からミーナにこの本を読んでもらうとしよう。


 更に父さんは続けた。

「それと、今回の王都行きは家族みんなで行く。私、セレナ、イリス、オルド、そしてレオン――この五人で向かうことになる」


「ほんと!? みんなで王都に行くんだ! まるで家族旅行みたいだね!」


「ああ、そうだな、確かに家族旅行みたいなものだな。ちなみに王都までは馬車で3日ぐらいかかる。長旅になるが楽しみにしていなさい」


 おお、初めての領外になるぞ。そして初めての王都でもある。全てが初めて尽くしだ。

 これはかなり楽しみ。多少の勉強は必要だが、それぐらいは仕方がない。しっかりと覚えて準備しておこう。

 その前に少しだけ父さんに王都について確認しておこうかな?


「王都はうちと違うの?」


「そうだな。王都は発展しているからうちの領とは全く違う。建物やお店も多いが……とにかく人が多いな。だからはぐれないように注意する必要がある。迷子になったら大変だ」


「なるほど、王都はうちの領よりもちょっと危険なんだね。俺は大丈夫かな」


「はは、それほど危険でもないぞ。ちゃんと父さんや母さんの言うことを聞いていれば全く問題ない」


 なるほど、やはり王都はうちの領よりも発展しているようだ。人が多いらしい。となると、うちの領では見たことがないものまであるかもね。

 例えば俺が見たこともない、とんでもない魔道具とかがあるかも?他にもおいしい食べ物があるかも?建物はどんな感じなんだろう?

 これは凄い楽しみだな。



 その後、俺は早速ミーナにお願いして王国の本を読んでもらった。

 知らない言葉や地名がたくさん出てきたけど、ミーナの優しい声で聞いていると不思議と頭に入ってくるような気がする。

 もちろん膝の上に抱っこしてもらい、こっそりとミーナの胸も堪能させてもらいながらだけどね。


 初めての領外、王都――何があるのか楽しみで仕方がない。

 もしかしたら予想もしない新しい何かが待っているかも?本当に楽しみだ。


---

 2章スタートです。王都に出発ということで……当然のことながら王女様も出てきます。少しずつタイトルの伏線回収が進んでいく予定です。多分。

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