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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
1-3章「新しい魔道具開発」

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第33話「オルド、再び呆然」

#第33話「オルド、再び呆然」


 魔力視認魔道具の改良作業もついに最終段階に入ったと思っている。まず、小型化はすでに完了している。

 今回は倍率調整機能とON/OFFスイッチを追加したのだ。これで完成と思っているのだけど、どうだろう?


 倍率調整機能を追加したことで、小さな魔力から強大な魔力まで見分けられるようになった。

 例えば、姉さんのような規格外の魔力量を持つ人の魔力でも、倍率を下げればまぶしさを抑えて観察できる。

 逆に倍率を上げれば、ほとんど魔力が抜けきっている魔石でもわずかな魔力の揺らぎを捉えることができた。

 これでまずまず、いい感じではないかな?


 ──これ、すぐには思いつかないけど、使い方次第ではとんでもなく便利なんじゃないかと思う。

 魔力測定・魔道具診断・魔法研究……いろんな応用ができそうだ。楽しみだね。


「オルドー! 魔力視認魔道具、さらに改良したよ!」

 魔力視認魔道具の改良がほぼ完了し嬉しくなった俺は勢いよく調理場に顔を出した。

 大鍋をかき混ぜていたオルドが、またかという顔で振り向いてきた。


「レオン坊ちゃん。改良って、すでにもう小型化したじゃないですか。まさかもう次の改良をしたのですかい?」


「うん。姉さんの魔力がまぶしすぎて見えなかったんだ。だから倍率調整できるようにしたよ!」


「……ば、ばいりつちょうせい? なんですかい、それは」


 説明に少し困ったが、俺は指で輪を作って見せた。

「ほら、大きい魔力ってまぶしくて見づらいでしょ?」


「はい、それは分かります。魔力測定でも、たまに問題になっていました」


「その時は、倍率を小さくするんだ。そうすれば眩しくなくなり見やすくなるよ」


「ほぉ……それはまた凄い発想ですな。そんなことが本当にできるんですかい?」


 ふふふ、オルドはいい反応をしてくれる。簡単な話なのに俺に合わせてくれているのだろう。ありがたい。


「できるよ。そして逆に、魔力が弱いときは光が弱くて見づらいでしょ?」


「確かにそうですな」


「その時は倍率を上げるんだ。これで小さな魔力でも見えるようになるんだ」


「そ、そりゃ本当ですかい?」


「もちろんだよ!」


 俺は自信満々に頷き、魔道具を差し出した。

「このつまみで調整できるよ。オルドも試してみて」


「ええ? そんな簡単に?」


「うん、簡単だよ。試しに俺を見てみて」


 オルドは恐る恐るゴーグルを装着し、つまみを回した。

「おおっ……明るくなったり、暗くなったり……! これが倍率調整ってやつですか」


「そうだよ。例えば、この魔石は魔力がほとんど抜けてるけど、倍率を上げると微かに揺らめきが見えるよ」


 オルドは目を見開いた。

「本当だ……! これは凄い、いや、とんでもない代物ですな……!」


 さすがオルドはノリがいいな。おおげさに喜んでくれるから俺もつい張り切ってしまう。

 そこで俺は少し調子に乗った。


「倍率調整できるようになったから照明の魔道具だったら明るさ調整ができそうだよ」


「それは便利ですな。状況によって使い分けができますな」


「コンロもいいかもね。火加減調整とかもできるかも」


「レオン坊ちゃん! それができるなら是非、お願いしたいです!」


 コンロの話になって、急に圧が強くなったのでどうしたのかと思ったんだけど、よく考えたらオルドは料理長だ。コンロは仕事道具なので思い入れも強いのだろう。

 オルドによると火加減調整ができれば料理革命が起きるかもしれないとのこと。

 相変わらず大げさだね。でも、確かに弱火強火とかできないと料理の幅は狭くなりそうだ。その辺りの改良も時間を見つけてやっていこうと思う。


「分かった。火加減調整できるコンロ魔道具も今度、作ってみるよ。でも構造の解析から始めないと駄目だからそんな簡単ではないかもしれない。気長に待っていてね」


「そりゃ、いくらでも待ちますわ。そんな便利なものができるんだったら待ち遠しくて仕方ないですけどね」


 よし、次の魔道具の改良はコンロかな。魔力視認魔道具はほぼ完成ということで次に移ろう。


「そうそう、魔力視認魔道具の改良版もライゼンが作ったことにして、父さんと母さんに報告お願いね!」


「……はぁ、分かりました、レオン坊ちゃん。本当に秘密がどんどん増えていきますな」


 そう答えたオルドは、しばらくその場で固まっていた。

 そして深いため息をつく。


「ぼっちゃん……もう、何をしても驚かんと思ってたんですがね……やっぱり無理ですわ。本当に凄いです」


 そう言って呆れるように褒めてくれるオルドを見て、俺は思わず笑ってしまった。こうやっていい反応をしてくれると更に頑張りたくなっちゃうんだよね。


 前世の上司は俺がいろいろ頑張っても、あたかもそれが当たり前のように言ってきやがったからな。あの上司は無能で何もできない癖に、遅いとか性能が低いとか文句ばかり。

 それを考えたらこの世の中は何をしても喜んで褒めてくれる。本当に天国みたいだ。


 ともかく、魔力視認魔道具・改良型はほぼ完成!

 更に次々と新しい魔道具の開発を進めていこうと思う。

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