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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
1-3章「新しい魔道具開発」

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第29話「魔力が見えた!」

#第29話「魔力が見えた!」


 俺はオルドに別倉庫にある魔道具を見せてもらった。

 その魔道具はほとんどが見たことのあるものばかりだったけど、見たことがない魔道具もあった。

 それは何をするものかとオルドに聞いたところ、凄く興味深い返事が返ってきた。

なんとそれは「魔力視認魔道具」、いわゆる魔力を見ることができる魔道具らしい。


 俺は何となく魔力の存在を感じ取ることができている。魔力充填装置を使った時には自分の魔力が魔石に流れていく感じが感覚的に分かった。姉さんも同じようなことを言っているのでこれは間違いないところだろう。


 でもまだ魔力を目では見ていない。どんな感じで見えるのだろう?とにかくおもしろそうだ。

 最初は見たことある魔道具ばかりだなと思って興味が落ちそうだったけど俄然、興味が出てきた。


 そしてオルドによると魔力を見る魔道具「魔力視認魔道具」はすでに廃れており、使われていないという。以前は魔力測定に使われていたけど今は手で触って魔力を測定する装置に切り替わっているとのこと。

 ならばこれはもういらない魔道具なのかな?


「もしこの魔力視認魔道具は使わないなら、もらってもいい?」


 そう聞くとオルドは少し考えた後、「構いませんよ。どうせ倉庫の肥やしですから」と快く譲ってくれた。一応、父さんと母さんにも確認は取るらしいけどまず大丈夫だろうとのことだった。

 ならば安心だ。俺が好きに使ってもいいだろう。問題があれば父さんや母さんから連絡が来るだろうからね。


 とりあえずざっと見たところ魔力を見れる「魔力視認魔道具」は3つあったので全部もらっておくことにした。まだ細かくチェックしていないから、もしかしたらもっとあるかもしれない。その時には更にもらおうと思う。

 また、王国の他の貴族の倉庫にも同じような魔道具が眠っているかもしれない。

 魔力視認魔道具がすでに廃れて使われていないなら譲ってもらいたいところだ。いろいろと実験したいからね。


 とりあえず、俺はもらったゴーグル型の魔力視認魔道具を自分が最近魔道具部屋として使っている作業台の上に並べた。

 まずは現状のまま動かせるかどうか確認だ。倉庫でチェックした時には使えなかったから、何かがおかしいのだろう。

 大きいから、できれば小型化もしたいのだけどまずは稼働確認ができてからだね。それなしに小型化をやっても動かなければ意味がない。


 まずはどこか壊れているのかを探すために軽く全体を目視でチェックした。

 そして、ざっと見てすぐに分かった。どれも魔力が抜け切っているように見える。そりゃそうか。長時間放置されていたのだから魔力が抜けるのも当然だ。


 しかし、この魔道具ではどの魔石を使うのだろう?それが分からないからオルドのところに聞きに行った。


「オルド、魔力視認魔道具に使う魔石って何の魔石なの?」


「ああ、それを伝え忘れてましたね。レオン坊ちゃん、魔力視認魔道具に使うのは光の魔石ですよ」


 なるほど、どうやら光の魔石らしい。

 そして魔力充填された光の魔石があったので丁度良かった。魔石を交換してチェック。今度こそ稼働するか?


 うーん。でも全く反応がない。魔力充填された魔石を見ても、光る様子がまったくない。何も見えない。


「うーん……他に問題があるとしたら回路か?」


 そう思って回路をチェックしたら一部が断線しているのを確認できた。

 どうやら増幅回路の線が切れていたらしい。でもこれならば簡単。いつもの修理と同じだ。魔道ペンを使って魔導インクを充填。


「よし、ここを修理して……っと」


 魔導ペンで回路を繋ぎ直し、再びゴーグルを装着した。そして魔力が充填されている魔石を見ると……


 おおっ、見える!見えるぞ!!!

 これは凄い感動だ。初めて魔力を見ることができた。

 それにしても……これが魔力なのか。魔石の周りに光が揺らめいている。どうやら魔力の属性によって色が違うようだ。

 試しにいくつかの魔石を並べて見比べてみた。


・光の魔石は白。

・火の魔石は赤。

・水の魔石は青。


「なんかイメージ通りだな……魔力充填された魔石と同じ色だ」


 属性ごとに視認できる魔力色が違う……これは面白い発見だな。今すぐに何かに使えるわけでもないけど今後、何らかの役に立つかもしれない。

 ならば次は、人間の魔力はどう見えるのか?


 俺はそっと自分の手を見つめた。

すると……そこには、いくつもの色が混ざり合うような複雑な輝きが浮かんでいた。

 赤、青、白、緑――明確な属性というより、複雑に入り混じっている感じだ。やや弱々しいが、俺の魔力量はたいしたことがないのだろう。これは仕方がない。


「これが……人の魔力か」

 おそらく、個人の得意魔法や魔力量によって見え方が違うのだろう。火魔法が得意な人を見ると赤い光が揺らめいているみたいな感じだろうね。

 この魔道具を使えばその人の魔力の資質や傾向まで分かるようになるかもしれない。

 俺が人と敵対することはないだろうけど魔法使いと戦う時にはこの魔力視認魔道具は使えそうだ。

 他にも魔物の得意魔法が予め分かれば退治も容易になるかもね。

 うーん。なかなかおもしろい。いろいろ応用がききそう。


「……となると、次は姉さんの魔力も見てみたいな」


 また実験材料にして申し訳ないけど、やはり比べてみないと分からない。イリス姉さんの魔力量はずば抜けている。俺のとはまったく違うはずだ。


 そうして俺は、姉さんを探しに屋敷の中を歩き回った。


 この時――

 まさか、姉さんの魔力を見てとんでもない光景を目にすることになるとは、この時の俺はまだ知る由もなかった。

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