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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
1-3章「新しい魔道具開発」

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第23話「魔力充填魔道具の完成」

#第23話「魔力充填魔道具の完成」


 ふふふ、よくやったぞ俺!

 魔力充填魔道具はほぼ完成したと言っていいだろう。これまで失敗を重ねてきたけど、ようやく形になった。


 魔力充填魔道具の作成はまずは回路基板の設計から始まった。

 基板に最初に組み込んだのは整流回路だ。

 魔力を一方方向に流すための仕組みで、これを入れないと魔力が逆流して充填できなかったんだよね。


 前世の充電器でも同じような構造だ。それを真似て作ったらうまくいった。

 電気と魔力、仕組みは違っても理屈は似ているものだ。過去に転生してきた人がいて、おそらくそれに気が付き魔道具を開発したのだろう。

 俺はそれをなぞっただけのようなもの。過去の魔道具作りの天才転生者には頭が下がる思いだ。


 この魔力充填回路を使って手にはめる形に外枠を作ったのが「魔力充填魔道具」になる。

 今のところ、腕輪型と指輪型の2種類だ。


 腕輪型は大きな魔石用で、5センチほどのサイズに対応。一方、指輪型はせいぜい3センチくらいまでが限界。回路も小さくなるので小型化は難しかったがなんとかなった。魔石は小さいものしか無理だけど扱いやすさでは指輪型の方が上だ。

 この指輪型の「魔力充填魔道具」の回路を書くことで小型化も少し自信が付いた。大型の魔道具が多いので小型化したものも時間があれば作っていこうと思う。


 たったこれだけで魔石への魔力封入自体はほぼ完璧にできるようになった。ただし、それだけでは不十分だった。

 次に組み込んだのが平滑安定回路。これを入れたことで、魔力が一気に流れ出す事故を防げるようになったんだ。


 あの時は焦った……。

 イリス姉さんに整流回路だけを入れた試作機を試してもらったら魔石がパンッと割れたんだ。

 まさか魔力の過充填で魔石が壊れるとは思ってなかった。でもそのおかげで、今の回路設計にたどり着けたわけだ。

 イリス姉さんに悲しそうな顔をさせたのは申し訳なかったけど必要な失敗だった。魔力量の多い姉さんがいたのはありがたい。


 あと、整流回路、平滑安定回路の2つの回路は冷蔵庫の修理で復習できたので完全に覚えており、スムーズに組み込むことができた。たまには冷蔵庫のような大型の修理もするべきだろう。それによって知識が確実になっていく。


 さらに平滑安定回路の設定を変えたバージョンも試してみた。魔力を通す上限を押さえ、ゆっくり魔力を封入するタイプでは、満タンまでおよそ1か月。一方、急速タイプだと10日ほどで充填が完了する感じだ。もっと急速にすることも可能かもしれないが今はまだ急がなくてもいいだろう。時間のある時に作ればいい。

 あまり急速にすると再び壊れる可能性もあるから慎重に見極める必要もある。


 そうして実験、試作を重ねるうちに、だいぶ精度も上がってきた。あとは魔力を最充填した魔石の耐久性を確かめたいけど、これが難しい。

 照明用の魔道具に取り付けて長期試験をしているけど、もし寿命が数十年単位だったら結果が出るのは俺が大人になってからだ。再現性を考えると次の世代に引き継ぐことになるかも?……それはさすがに待てないな。


 前世の電気回路などの耐久試験では過電流などを流したりして過負荷テストをしたけど、こちらの世界ではそんなことはできそうもない。今の俺の知識と設備では無理だ。

 将来の俺に託そう。というか将来の俺案件がどんどん増えているような気がする。どこかに将来の俺用案件のメモをしておく必要がありそうだな。


 とりあえずの結論として、

・指輪型、腕輪型の魔力充電魔道具が完成

・回路の基本構成は整流回路と平滑安定回路(安全のために逆流防止回路も)

・小さい回路でも同じように運用可能

・急ぎの時は10日タイプ

・通常運用は30日タイプ

という感じになった。必要に応じて他のタイプも作っていく。5日タイプとか60日タイプとかも作るといいだろう。使い分けることで何かが分かってくるかもしれない。


 この腕輪と指輪の魔力充填器は姉さんも気に入ってくれているのがありがたい。実験に快く付き合ってくれているんだよね。

 魔石の色が少しずつ変わっていくのを「綺麗~!」と喜んでいる。すっかりお気に入りの“色が変わるおもちゃ”になってしまった。


 何度も実験に付き合ってもらって悪い気もするけど、楽しそうにしてるからまあいいよね?

 それに材料費もほとんどかかってないし、いくつかはプレゼントした。姉さんが飽きたら回収すればいいしね。


 さて、次に考える必要があるのは報告だ。

 例のごとく、「魔道具修理士が作った」という設定でいく。

 オルドに伝えておかないとばれた時に面倒だし辻褄が合わない。

 オルドだけは俺に魔道具の知識があり、修理をできることを知っている。今回の魔力充填装置もそのまま伝えるべきだろう。


 その後は父さんと母さんにも話を通していく。父さんと母さんは俺に知識があるのは内緒にしている。だから魔道具修理士が作ったという設定で伝える必要がある。ここがちょっとややこしい。

 あとは父さんと母さんから、姉さんやお手伝いさんには外に漏らさないようにしてもらう必要がある。

 この辺り秘密にする設定が面倒だけど仕方がない。


 よし、まずはオルドに報告しよう。

 新しい魔道具がまた一つ、完成したのだから当然だ。


 でもオルドは魔力充填魔道具のようなものは文献には残っているだけで実物はないとか言っていたけど本当なのかな?その辺りも再確認したいと思う。

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― 新着の感想 ―
魔力量を数値化して視認出来る 魔道具の開発が望まれますね 充填する際も限界値とそこまで 溜まるまでの時間等を管理し易く なりますし
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