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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-3章「小型武器の開発」

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第164話「魔道具武器の配布」

#第164話「魔道具武器の配布」


 風魔法の魔石を使った魔道具武器の開発には、ひとまず目処が立った。一応、魔力がCランク程度までの人ならば、十分にダメージを与えられる。

 完璧とは言えないが、実戦投入可能な水準だろう。この世の中にはBランクの人はほとんど存在しないからね。

 そこで、武器が必要と思われる五人に集まってもらった。

 オルド、ライゼン、エリシアさん、エレンさん――そして新しく加わったミアさんだ。


 ただし、ミアさんには俺が魔道具を開発できることを伝えていない。なので当然、今回の武器も“ライゼンが作った”ことにする必要がある。

 その点については、あらかじめミアさん以外の他の四人に話しておいた。

 そして、お披露目の時間となった。嘘を言うのは心苦しいが仕方ない。


「こ、これが……ライゼンが作った新しい風魔法の魔道具武器だよ」


 言った瞬間、当のライゼンがきょとんとした。

 ……おい。ライゼンがきょとんとしてどうするんだよ。俺は軽く睨んだ。そこで、ようやくライゼンが反応してくれた。


「そ、そうですな。作らせていただきました」


 ぎこちない。あまりにもぎこちない。

 本当は開発者のライゼンが説明するのが自然なのだが、そんなことができるはずもない。

 代わりにエレンさんに前に出てもらった。


「こちらが試作品です。風属性魔石を利用し、細い銃身を通すことで圧縮された風魔法を発射します」


 そう言って、エレンさんが試射する。五メートル先の的に、鋭い風弾が突き刺さった。

 乾いた衝撃音。いい感じだ。


「おお、凄いですな」


 ライゼンが感心した声をあげた。

 おい!まただよ。なんで開発者が驚くんだよ!

 俺は再び睨む。


「こほん!」


 エレンさんは何事もなかったかのように説明を続けた。


「威力の調整も可能です。一つの魔石で最大出力では五発程度。通常出力ならば十発前後は撃てます」

「最大出力時は射程五メートルほどに制限されますが、Cランク相当の魔力保持者にもダメージを与えられます。ただし、Bランク以上には効果は限定的でしょう」


 さすがエレンさん。よどみない。一方でライゼンは……なんなのだ。

 これではわざわざ前もって打ち合わせした意味がないだろうに。まあ、仕方ない。慣れないことをさせている俺が悪いという話でもあるからな。

 その後は、皆に試し撃ちしてもらった。それぞれに感動している様子だ。

 ちょうど五個あるので良かった。


「じゃあ、みんなにそれをあげるから適宜使ってね。ただし、まだ秘密扱いだからここにいる人以外には知られないように注意。あと、まだ試作品なので使い勝手などに問題があったら教えて欲しいかな」


 俺が言うと、ミアさんが慌てて首を振った。


「とんでもありません。こんな高価なものをいただけません」


「えっ、なんで?」


「私はまだ仲間になったばかりです」


「関係ないよ。大切な仲間だからね」


 ミアさんも仲間になったからには遠慮することないのだ。

 そして俺は続けた。


「それに、ミアさんにぴったりの武器だと思うんだ。ミアさんは動きが速いし、弱点を突くのが得意でしょ。距離が離れたところからでも使える武器があると戦略の幅が広がると思うよ」


「……本当に、よろしいのですか?」


「当然だよ。ミアさんに何かあっても困るし」


 しばらく黙った後、ミアさんは深く頭を下げた。


「ありがとうございます。レオン様には誠心誠意尽くさせていただきます」


 ……まただよ。

 重い。重すぎる。もっと気軽にしてくれたらいいのだけどね。すると今度はエリシアさんが少し困ったように発言した。


「私は魔法使いですから、持っていても意味がないかもしれませんよ」


「確かにエリシアさんは魔力制御が上手だから不要かもしれない。でも、念のためね。魔力を節約したい時にも使えるし、魔法のヒントになるかもしれない」


「なるほど……確かにそうですね。使わせていただきます」


 確かにエリシアさんの場合は無理に使う必要もない。あくまでも予備戦力ということでいいと思う。

 そして俺はライゼンの方をじっと見た。とっておきの話があるからだ。


「ライゼンは遠くの敵の牽制にいいかもしれないね。剣聖だけに」


「……そうですな。試させていただきます」


 くそっ。せっかく用意した俺の渾身のだじゃれは完全に流された。そして、みんなピクリともしない。

 だがあえて触れないのはライゼン、そしてみんなの優しさかもしれない。とりあえず俺もスルーすることにしよう。


「オルド、父さんにも見せてもらっていいかな? 必要ならライゼンがもっと作るし」


「かしこまりました。説明のため、お借りいたします」


 父さんにも母さんにも見てもらう必要がある。場合によっては更に作って欲しいと依頼が入るかもしれない。

 その時は父さんからライゼンに追加発注してもらう。


「エレンさんは護身用に。もともとはエレンさんの要望だから、たまには試射して練習してよ?」


「もちろんです。新しい魔道具ですからね。どんどん試します」


 これで全員、納得してくれたようだ。一部、ライゼンの演技力が致命的だった点を除けば順調だったと言えるだろう。

 まあ、それは後で説教だ。次は説明も含め完璧に仕上げたいところだね。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


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ゆくゆくは「持ち主登録」が 出来る様になるといいですね
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