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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-3章「小型武器の開発」

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第158話「武器作成の概念」

#第158話「武器作成の概念」


 ドランさんに魔道具武器用の加工品を作ってもらった。大砲の筒の小型バージョンだ。前世で言えばピストルの筒・銃身のようなものになる。

 正直なところワクワクが止まらない。もしかすると、この加工品を使って小型の武器型魔道具が完成するかもしれないからだ。


 3種類の異なる太さの筒を、5セット。この中から最適なものを割り出していけばいい。


「さて、どれが一番いいかな」


 威力が高いものが理想だ。でも威力が高すぎても問題だろう。制御できなければ意味がない。相手を倒すにしても死亡させるほどの威力にするのか、それとも気絶するレベルにするのか、はたまた痛がらせる程度にするのか?それによっても違う。


 あと威力が高いと、反動によって体を痛めてしまうかもしれないからその辺りも考える必要がある。場合によっては専用ジャケットなどの開発も必要かもしれない。

 そもそも耐久力があるかどうかも分からない。見た目は頑丈そうな筒だけど魔法の力に負けて壊れる可能性もあるからその辺りのことも考える必要があるだろう。


 重さも考える必要がある。重たいと普段使いできないな。だとすれば女性用、男性用みたいに人によって大きさも変えるといいかもしれない。重さも違うだろうし……この辺りは考え出すときりがないな。


 まあいい。とりあえずは実験あるのみだ。こういうのは最初から細かく考えずに大雑把にやった方がいい。そして使用者の要望を聞くなどして、そちらに寄せていけばいいのだ。

 そうして、うまくいきそうなものがあれば数を作り、再現性を確認する。


 再現性が出たら、その形で設計書に落とし込める。設計書通りに作れば同じものができるからね。そこまでいけば製品化という感じになる。

 そこまでいけば完璧だ。


 ……もちろん、そんな単純にはいかない。


 何度も失敗するだろう。下手をすれば筒が耐え切れずに暴発もあるかもしれない。壊れたら実験ができなくなるし、身を守るための武器なのに、その開発で怪我したら本末転倒だ。

 安全を第一に考えた実験が必要だね。


 とにかく、いろいろ試そう。それが何よりも楽しい。

 前世でも開発の仕事を始めた最初の頃は楽しかったのだよね。でも仕事をするに従って様々な責任が付いて回るようになった。成功するのが当たり前、納期を守って当たり前の世界。

 しかも、その大変さを何も知らない上司は誰にでもできるだろうと思って設計開発部門に全てを押し付ける。ほんと最悪だった。


 一方で、この世は最高だ。だってこの世界には、当然のことながら、おかしな上司がいない。

 そして納期も責任もない。失敗しても誰にも怒られない。結果が出なくても全く問題ない。

 そして前世のように締め切りに追われて徹夜続きで倒れる、なんてこともない。


「ほんと、好きにできるって最高だな。スローライフ万歳だ」


 まあ、こんなことを言っていられるのも子供のうちかもしれないけどね。今はこの自由を堪能したい。


「ああ、そうだ。肝心なことを忘れていたよ」


 基本的にはエレンさんと一緒に作るんだ。相談しないと。エレンさんは俺が思い付かないことを指摘してくれるかもしれない。早めに相談しよう。


「エレンさん、どんな武器がいいと思う? 何か要望ある?」


「私としては、軽くて、簡単に扱えて、威力が高ければいいですね」


「ぷっ。贅沢だね」


「す、すいません。確かにそんな単純ではないですよね。無理言ってすいません」


 慌てるエレンさんが少し面白い。でもこういう意見が貴重なんだよね。どうも俺のような開発脳は駄目だ。どうしてもマニアックな方向に行ってしまう。こうやって相談して、俺の駄目なところをエレンさんに止めてもらおう。


「いや、いいと思うよ。それを目指そう。どんどん要望出してね。そうしないと俺は変な方向に行ってしまいそうだから」


「分かりました……善処します」


 エレンさんは真剣な顔で頷いた。まあそこまで難しく考える必要はない。とりあえずエレンさんはこの世の常識人だろう。そういう意味ではストッパーができたことは大きい。

 あとは俺は独りよがりになる悪い癖がある。それを防ぐために俺の方からどんどん相談していこうと思う。

 そうして軽くエレンさんと話をしながら屋敷に戻り、魔道具の修理をしている部屋に入った。

 すでに簡単な魔道具回路は組んである。


「これが今回の基礎回路だよ。これで試しておかしなところは少しずつ修正していこうと思っているんだ。どうかな」


「どうかなと言われても、私には回路の意味がさっぱり分かりませんので……」


 ああ、そうだった。どうしても楽しくて先走ってしまう。この回路は小型化しているが、いくつか重要な機構を詰め込んでいるのだ。

 それをエレンさんに説明しないとね。エレンさんに理解してもらったら俺は楽になる。

 俺のスローライフ実現のためにもエレンさんには頑張って覚えてもらおう。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


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― 新着の感想 ―
 非殺傷武器で考えるなら、”風”を利用した”衝撃(ソニックブーム)銃”とか”光”を利用した”閃光弾”とか。  でも回路を電気回路同様に組めるなら、接近戦用の”スタンガン”や”スタンソード”みたいなもの…
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