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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-2章「四歳の誕生日と再度の王都訪問」

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第155話「ミアからの手紙」

#第155話「ミアからの手紙」


 シャドウズ本拠地の屋敷、ナイラのいる執務室に一通の手紙が届いた。

 封には特殊な刻印がなされていた。

 開封すれば痕跡が必ず残る細工が施されている。そのため、途中で開けようとする者はほぼいない。もし開封が発覚すれば粛清は避けられないからだ。


 差出人はミアだった。ナイラはその手紙を見てしばし考え込んだ。ミアがヴァルドリック領に向かってからまだ1週間程度。返事が来るのがあまりにも早い。

 到着連絡ならば早いのも納得ではあるが、特別な封がしてあるということは……それなりの内容が書かれているはずだ。

 大きな発見があったのだろう。しかし、わずか数日で?


「さすがに早すぎる。もしかしてミアに何かあったのか?」


 不思議には思ったがそれを考えていても仕方がない。ゆっくりと慎重に封を切った。誰かが開けた形跡はない。

 内容は、ナイラ自身がミアに依頼していた件についてだった。

 レオンとライゼンが自分を救出した状況についての確認をして欲しいという依頼をしていた。もうその理由が判明したのか?

 やはり不自然だ。早すぎる、ミアは何か騙されているのではなかろうか?慎重に読み進めるべきだろうと判断、軽く深呼吸をした。

 そして当時のことを頭の中で整理した。


 ナイラは自分が救われた状況についてあまりにも不自然だと考えていた。

 なぜ、貴族の子息が危険な裏通りにいたのか。そこからしておかしい。

 そして、どうやってゴミ箱に隠れていた自分を見つけたのか。そして何の得にもならぬのに、なぜ自分を助けたのか。

 自分を、そしてシャドウズを助けてもらったのはありがたい。しかし、そこに裏があるならば付き合いを考える必要がある。


 考えを整理したナイラは手紙を読み進めることにした。

 しかし、ミアの報告の手紙の内容は不思議だった。

 いきなり最初にレオンは嘘が苦手とあったのだ。どうにもおかしい、そんなことはどうでもいいだろうと思えた。

 レオンは嘘をつくと動作が不自然になり、急に早口になる。緊張が露骨に表れるという。


「なるほど……そういうことか」


 レオンが嘘が苦手という話、最初は意味が分からなかったがその理由が分かった。

 彼が話をしていることが本当かどうかは、すぐに判別が付くということなのだろう。ならば依頼した件の確認は簡単かもしれない。

 状況確認の連絡が早いのも納得だ。


 まずはレオンとライゼンが貴族が立ち寄るはずがない裏通りに来ていた理由が書かれていた。その結論は「単なる迷子」とのこと。

 ライゼンは剣の達人だが方向音痴。もともと帝国出身で王都に不慣れだという。

 そしてレオンは大人のライゼンが道を知っていると思い込み、ライゼンは逆にレオンが王都に詳しく、道を知っていると思い込んだとのとだ。

 そしてお互いを信じ込み、二人して迷子。


「馬鹿馬鹿しいな。大人が、迷子……か」


 ナイラは軽く笑ってしまった。呆れが半分だ。

 だが確かにあり得ない話ではない。知らない土地で適当に動き回ればそうなるだろう。お互いに相手を信頼していたら尚更だ。そこに矛盾はない。


 では、なぜ自分はゴミ箱に隠れていたにも関わらず、レオンとライゼンに見つかったのか?

 手紙によると、その理由は特別な魔道具にあるらしい。

 レオンは魔力を光として視認できる特別な魔道具を所持していたという。そして、人には魔力があるから光って見えるとのことだった。

 その魔道具を使えば、人の多い方向が分かる。レオンとしては、それが王城の方向と思って使用したが、なぜかゴミ箱から光が漏れているのを確認。そこでナイラの発見に至ったとの説明だった。


 理屈は通る。自分は魔力が大きい方だから発見されたのかもしれない。だが、魔力を視る魔道具?そんなものは聞いたことがない。

 そこでミアが不思議に思ってレオンに確認したところ、その魔力を見る魔道具をライゼンが作ったと説明したらしい。

 そして、その時に動きがぎこちなく変になり早口になったという。その話は嘘で間違いないと判断したとのことだ。


 そもそも剣士が魔道具を作るはずがない。レオンのおかしな動きや早口以前に、ライゼンが作ったという話は嘘で間違いないなかろう。

 そして、おそらく製作者は宮廷魔道具師エレンだろうと書かれていた。彼女は国に一人の特級魔道具師。現在、魔石研究のため同行している。

 その内容を見てナイラは呟いた。


「宮廷魔道具師、か……」


 確かに筋が通っている。まずはライゼンが魔道具を作ったというのは……レオンの子供だましの嘘。

 そして特級魔道具師のエレンが一緒にいるならば、その魔道具を作ったのはほぼ彼女で間違いないだろう。


 おそらくだが、彼女が作ったということがバレてはまずいという話だ。国直属の宮廷魔道具師が特定の領に便宜を図ったのがバレたらまずい。そう考えると、それで全てが矛盾なく繋がっている。

 そして、その魔道具を使って自分を見つけたということか。それで間違いないのだろう。

 残る疑問は何故、自分を救ったのかということだ。いくつかの謎が解けたことで、ナイラの疑問はそこに絞られた。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。今日からは12時過ぎ頃、19時過ぎ頃の1日2回更新予定です。


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