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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-2章「四歳の誕生日と再度の王都訪問」

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第152話「説教と反省」

#第152話「説教と反省」


(レオン視点)

 とうとう王都からヴァルドリック辺境伯領に戻ってきた。帰りの道中はおおむね順調だった。

 いくつかの領境付近で魔物が出たことはあったけど、ライゼン、エリシアさん、そしてミアさんが軽々と退けてくれた。

 みんな強いよ。本当に凄いな。


 特にミアさんには驚いた。王都の情報に詳しい人ということで、そこまで強そうなイメージはなかったのだけど、とんでもない。

 本当に動きが速いんだ。速いだけでなく方向転換も鋭い。相手の動きを読んで先回りする能力も高い。弱点を狙う腕も凄い。気付けば魔物が倒れている感じだ。

 相手はたまったものではないだろう。


 なんとも頼もしい。

 ただし、少しだけ気がかりもある。それは人が増えたということだ。王都に行くたびに仲間が増えている気がする。

 そして自重しなさいと何度も言われているのに、今回も王都では問題があった。父さんと母さんから何か言われるのではないだろうか……。


 とはいえ、今回増えたのはミアさん一人だけだ。

 大丈夫なはず……だよね?

 そもそも今回は迷子が発端の問題だ。その時はライゼンも一緒だったし、仕方がないよ。

 よし、父さんと母さんに何か言われたら、ライゼンの責任にしよう。そうしよう!


 これで決まりだ。これで俺には死角はないな、きっと大丈夫なはず。

 などと考えているうちに屋敷へ到着した。

 うーん。やっぱり大丈夫とは思っても、不安が先行する。父さん、母さんは怒らないだろうか?


 そう思いながら先を見ると、玄関前には父さんと母さんが立っていた。わざわざ出迎えに来てくれたようだ。そして笑顔だ。これは大丈夫そうだな。


 それに、もしかしたら心配してくれていたのかもしれないね。

 思えば、父さん、母さんと初めて離れて王都へ行ったのだ。心配しないはずはないか。

 俺も、ふとした瞬間に父さんと母さんがいないことで少し寂しくなることはあった。父さんと母さんも同じだったのかもしれない。


「おかえり、みんな無事によく戻ってきてくれた」


「おかえりなさい」


「ただいま」


 父さんと母さんの温かい声に、ほっとして返事をした。そしてミアさんが増えたことも、特に問題にしている様子はなさそうだ。

 良かった。切り抜けたと思っていたのだけど……。


「レオン、ライゼン。話があるから、あとで執務室に来なさいね」


 母さんがにこりと微笑んだ。父さんも同じくにこにこしている。それなのに何かが違う。どうにも目の奥が笑っていない気がするのだよね。

 嫌な予感がする。これはもしかして……。


(やっぱり、説教コースなのでは?)


 ちょっとやばそうだな。でも、今更、逃げ道はない。覚悟を決めて行くしかないだろう。

 そして……その嫌な予想は的中した。

 執務室に入るなり、父さんの声が飛んできた。


「レオン、何でも拾ってくるなといった話はもう忘れたのか?」


「すみません。忘れたわけではないけど、いつの間にか……」


 そうなんだよな。完全に忘れていたというわけではない。でも、たまたま迷子になって帰ろうと思ったら人が倒れていたんだ。

 これはもう不可抗力じゃないかな?俺はやっぱり悪くないかも。


「ライゼン。あなたもだ。レオンはこういう子だ。簡単に信用しては駄目だ」


「はっ、肝に銘じます」


 横を見ると、ライゼンが妙に真面目な顔をして、しっかりと反省している。あれれ?これでは俺だけが反省しないようではないか。ライゼンめ、裏切ったな!

 ともかく、まずい流れだ。何とか変えないと。

 とはいえ、父さんの言うことは正しい。ぐうの音も出ないとはこのことだ。

 俺に信用があるかと言われれば……。


(……うん、ないな)


 何度もやらかしている。反論はできない。ここはライゼンとともに素直に反省するしかあるまい。俺も学習しないといけないのだ。

 だが、父さんが口を開いた。


「まあ、今回は仕方がないところもあるだろう」


 おお、何だかいい流れになってきたかも?


「目の前で人が倒れていれば助けるのは当然だ。そして襲ってくる者がいれば退けるのも当然だ」


 さすが父さん。分かっているじゃないか!そうなんだよそう。今回は流れで仕方がなかったのだよ。俺は悪くないよね!


「そうだよね! 父さんの言う通りだよ、俺は悪くない。今回は仕方ないよね!」


 思わず勢いよく同意した。

 しかし次の瞬間。父さん、そして母さんの視線が強くなった。


(しまった。調子に乗ったかも……)


「レオン、あくまでも仕方がない部分もあるというだけだ……お前はやっぱり反省してないのか?」


 ああ、失敗した。ちょっとばかり調子に乗ってしまった。中途半端な反省はまずかった。火に油を注いでしまった。

 その後、俺とライゼンはしばらくの間、丁寧なお小言をいただくことになったのだった。

 おそらく俺のせいで必要以上に叱られた。ライゼンにはちょっと申し訳ない。


 とにかく、今度こそしっかり反省だ。俺は決めたんだ。

 余計なものは絶対に拾わない、そして余計なところに首は突っ込まない。

 俺はそう心に決めた。

 これで完璧……なはずだ。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


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