↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-2章「四歳の誕生日と再度の王都訪問」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
145/166

第144話「秘密のおまじない」

#第144話「秘密のおまじない」


 レオンはソフィアの「時には辛いこともありますわ。好きな人にもなかなか会えませんし」という言葉にびっくりした。


 更にソフィアはじっとレオンの方を見る。

 それはレオンの顔を覗き込むような上目遣いだった。そのソフィアのかわいい姿にレオンはびっくり。ドキン、と心臓が跳ねた。

 しかしこのままドキドキしているわけにもいかない。


「……辛いかもしれませんけど、勉強は必要です。頑張りましょう」

(好きな人か……きっと公爵子息のどちらかだろうな)


 しかし、そこでレオンはやや寒気がした。ソフィアの不機嫌指数が上がったような気がしたからだ。

 また自分はおかしなことを言ったのだろうか?と悩む。

 一方でソフィアは「このニブチン!」と心の中で思っていたのだった。しかしソフィアはこの程度のことではめげない。

 ここで今回用の秘密兵器を持ち出したのだ。


「レオン、お願いがあります」


「はい。何でしょう。私にできることならば何でもしますよ」


「秘密のおまじないをして欲しいの」


「秘密のですか? それは何ですか?」


「頭を撫でて欲しいの。絶対に他の人には内緒よ? 私はずっと寝込んでいたから頭を撫でてもらうと安心してほっとするのよ」


 レオンはここで考えた。なるほど。勉強も大変だし不安もあるのだろう。

 そしてソフィア様は公爵家子爵のうちいずれかが好きなのだろう。でも頭を撫でて欲しいなんて好きな人には頼みにくいのかもしれない。

 となると、数少ない友達の俺が適任……なのか?

 レオンは本当にいいのだろうかと少し悩みながらも答えた。まあ断る方法を思いつかないので同意するだけだったのだが。


「分かりました。秘密のお願いをお受けします」


 その瞬間、ソフィア様は満面の笑みになった。 今度は間違ってなかったらしいと安堵した。

 しかし、レオンはそこで我に返った。よく考えたらまずいのだ。自分が女の子の頭を撫でる?前世を含めても初の体験である。

 女の子の頭を撫でる時はどうしたらいいのか。そんなの全く分からない。優しくなでるのが正解なのか? もちろん強くは駄目だよな? それは片手なのか両手なのか?

 頭の中は混乱していたが受けたからにはやるしかない。

 その後、しばらくしてソフィアが、そっとレオンの胸元に頭を預けてきた。


「お願いします」


 レオンは更に混乱した。頭を撫でるという話だけでも混乱していたのだ。

 更に自分の胸にソフィアが頭を付けている。この体勢、まずくない?と咄嗟に感じたのだ。女の子が男の胸に頭を付けるなんて……まるで抱き合っているようでもある。

 いやまて、子供同士だからセーフなのか?そうだ、そうに違いないとまるで言い訳をするように考えた。


 そして、いろいろと考えたレオンではあったが、少なくとも言われたことだけはやらなければいけない。

 そして、ドキドキしながらも、そっと頭を撫でた。

 さらさらの髪。柔らかい感触。

 そう思いながら、何とかソフィアに語りかけた。


「ソフィア様は本当に頑張っておられます。すごく偉いと思いますよ」


「ありがとう」


 レオンとしては話をしながら、ソフィアの様子を見ていたのだが顔が赤いような気がした。

 そして気が気でなかった。大丈夫かな?嫌がってないよね?

 真っ赤なのはもしかして怒っているから?などと見当違いのことを考えていた。そうして、しばらくは頭の中がパンク状態であった。


 それからどれくらい時間が経ったのか、レオンはそろそろいいよな、と思って手を離した。

 そしてソフィアは、最後に再びレオンを軽くハグしてから少し離れ微笑んだ。


「レオンの心臓の音が、とても早かったですわ」


「それはそうでしょう。凄く緊張しましたから」


 それはそうだ。レオンとしては女の子の頭を撫でるなんて完全に初の体験である。

「陽キャか俺は。怖いよ!」と自分で自分に突っ込みをいれていたぐらいだ。

 更に会話が進み、とうとう別れの時間がやってきた。


「次からは必ずレオンから来てくださいね」


「はい、もちろんです」


「そして秘密の約束もお願いしますね。毎回、同じように頭を撫でてください」


「……はい」


 レオンとしては本当に大丈夫かなと思いつつも頷くしかなかった。そして自分の心に言い聞かせた。きっと成長すれば自然とこの関係も終わるはずだと。

 そしてソフィアは話を続けた。


「でも、これは二人だけの秘密ですからね。誰にも話をしないで下さいね」


「もちろんです」


 そして二人は再び軽くハグした。

 レオンは思った。王女は強くあらねばならない。俺がその弱音を聞くぐらいなら、いくらでも相手になればいいだろうと。


 その後も少し話をして、部屋を出た。

 そしてレオンは思った。王女様に会うたびに、やるべきことが増えていく気がするのは気のせいなのだろうかと。


 もちろん、気のせいのはずがない。そもそも王女と気軽にハグするなんてとんでもない話だ。頭を撫でるなんて更におかしい。

 前世だけでなくこちらの世界でもそうそうない話なのである。恋人同士であっても髪は触らせないという女性も多い。本当に気を許す男性にのみというシグナルでもあった。


 しかしレオンとしてはそれがどれだけ特別な行為だとか知る由はない。そうしてソフィアの術中に少しずつ嵌っていった。レオンはこのままソフィアに絡め取られてしまうのかどうか……まだ誰も知らない。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


ブックマーク、評価ポイント、レビュー、いいね、感想などもしていただけると励みになるかもよ?


その他、何らかの頑張れパワーをいただけると更に頑張れるかもです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。