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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-2章「四歳の誕生日と再度の王都訪問」

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第141話「エレンの報告」

#第141話「エレンの報告」


 レオンは一応、反省した。

 散歩のついでに女性を拾ってしまった……いや、本人的には助けただけのつもりなのだがはた目にはそうは見えない。

 そして結果としておかしな雑魚三人組を撃退することになった。レオンが再び面倒ごとに巻き込まれたのは紛れもない事実である。

 そして裏組織のゴールドプレートを持ち帰ることにもなった。レオン的には中二病全開女性からもらったプレートであり、何か情報が欲しい時には試そうかな?ぐらいのノリだったが……。


 とにかく自らが再び問題を起こしたのは事実。そのためレオンは反省、それ以降の外出を王城近くにある公園までと自粛した。

 更にはエリシアの監視付きでもある。それで何とか自由を確保したのだ。多少の不都合はあるがそれは仕方がない。


 もっとも、公園限定になったからといってレオンに不満があるわけではなかった。

 レオンは姉のイリスと仲良く公園で買い食いをし、屋台の焼き串や甘菓子などを分け合い、噴水の縁に腰掛けてのんびりと楽しい時間を過ごした。エリシアやライゼンも加わり、笑いあった。

 そうして、その後は特に大きな問題は起きなかった。


 イリスの入学式での問題、レオンとライゼンが不用意に女性を助けた問題はあったものの……レオンとしての王都生活は、十分に満足のいくものであった。

 そして、とうとうヴァルドリック領へ帰還する前日となった。


***


 王城の一室。エレンが呼ばれ、その場には国王エドワードと王妃カタリーナがいた。

 国王のエドワードが穏やかにエレンに声をかけた。


「エレン、疲れただろう。よくやってくれた」


「いえ。たいしたことではありません。適当に人に会って、論文を仕上げた程度ですから」


 エレンはさらりと言うが、普通の人間から見れば一週間でこなす仕事量ではない。

 そもそも人に会うにしても大変なこと。

 エレンがどうしても会う必要があると判断した人物ばかりだ。その内容は多岐に渡る。そして重要な助言や決断もこなした。それをほんの1週間でこなす……とんでもない話である。

 だがエレンにとって重要なのは、レオンと魔道具研究をする時間。そのためなら多少の過密日程など苦にならなかった。

 やがて話題はイリスへと移った。入学式での“やらかし”についてだ。


 エレンは直接見ていないが、エリシアやレオンから話を聞いている。イリスが魔法や剣で無双したことなどだ。

 すでにエリシアとライゼンから魔法と剣の天才だと聞いている。この二人が言うのだから相当なものであろうと確信。

 更には多少はその腕前も見ている。そのため、学園程度でならば無双するのは当然。イリスに関する話の内容は容易に想像できた。

 そしてエレンはそこまで問題視しなかった。親友のエリシアも学園時代にはそれなりにやらかしていたのである。エレンに言わせればお前が言うかという状況だった。

 そこでエレンは王に進言した。


「まあ、自分の実力を誇りたい年頃なのでしょう。そこまで問題視する必要はないかと」


「まあ、そうではあるがな」とエドワード王は答えた。


 そう言いつつも、その“誇り方”が規格外であることは間違いない。エドワードとしては、さすがにやりすぎだろうと思っていた。

 しかも学園からは何とかイリスを通園させてほしいとして、王への懇願があった。それはそうだろう。イリスの姿は学園生の憧れとなったのだ。それは新入学生だけでない既存の学生、そして講師陣も同じ思いだったのだ。再びイリスの魔法や剣を見たいという気持ちがあった。

 しかし次の日からイリスは学園に来ない。その状況を不思議に思う学園生が続出、そうして学園長には苦情が殺到した。

 学園長としては、どうしてもイリスに通園して欲しい。しかし本人に全くその気がない。短期間に王に何度も陳情を上げた。


 そうしてエドワードは「定期的にレオンは王都へ来る。その際にイリスも同行する。できる範囲で学園に通園するように依頼する」と学園長に答えていたのだった。


 エドワードとしては、そこまでの才能なのかとびっくりしていた。可能であれば息子である第一王子のユーリウスの嫁に欲しいとも思えた。

 だが娘である王女ソフィアがレオンを結婚相手に望んでいる。となると、状況によっては二人ともにヴァルドリック家だ。

 さすがに息子も娘もヴァルドリック家と縁づくのは政治的にまずい。

 現時点で結論は出せなかった。


 一方で王妃のカタリーナは、思い悩むエドワードの様子を面白がっていた。なるようにしかならないと考えていたのだ。

 そうして、しばらくはイリスの件の話が続いた。とんでもない魔法を披露したこと、剣では同じく新入学の平民相手だけでなく上級生をも全く相手にしなかったことなどだ。


 こうしてヴァルドリック家はレオンだけでなくイリスも本当におもしろい人物であるとして王家に認識されることになった。

 そして話は自然と、そのレオンの方にも移った。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


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