↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
2-5章「王都からの帰還」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
136/158

第135話「迷子になった?」

#第135話「迷子になった?」


 姉さんが学園の入学式でやり過ぎたということで、俺とライゼンは二人でお出かけすることになった。

 俺は姉さんが外出できず、がっくりうなだれていたのを思い出した。


「俺だけ王都に外出するとか、何だか姉さんに申し訳ないな」


「まあ、仕方ありますまい。レオン坊ちゃんが一緒にいたら反省になりませぬ」


 ライゼンは淡々と言ってきた。

 でも俺としては、姉さんが魔法も剣も凄いのは自慢できて嬉しい。

 もちろん、いいことばかりではないだろうから加減はした方がいいとは思うけどね。

 罰を与えるほどでもないような気がするのだ。


「俺としては姉さんが魔法も剣もできるのは心強いけどね」


「レオン坊ちゃんは心が広いですな。出来の良い兄弟がいると卑屈になる者も多いのですが」


「うーん。俺は周りの人が凄いのはありがたいけどね。別に嫌だと思ったことはないよ」


 だって俺はスローライフがしたいのだ。

 周りが平凡だったら、俺が何かやらされる可能性が高くなる。

 そう考えると兄弟が優秀なんて最高じゃないか。できれば領も継いでもらいたい。そうすれば俺はひっそりスローライフ、そしてニート生活を堪能できるのだ。魔道具の修理で領に少しだけ貢献して隠居生活するのが理想。


 とは言え将来はどうなるか分からない。魔道具の墓場も見たし、この世の中が今のままで良いとは思えないし考えるべきことは多い。

 だから最低限の努力は必要だろう。もちろん楽ができるならそれに越したことはないのだけどね。


 その後、俺とライゼンは買い食いをしながら適当に歩き回った。

 やはり王都の食べ物は素晴らしい。とても美味しいのだ。前回の串焼き屋のおっちゃんがいないのはちょっと残念だったけど、それはさすがに仕方がない。

 ただ、気付けば人通りの少ない路地に入っていた。ちょっとやばい雰囲気だ。ここは一体、どこなのだろう?

 俺は少し不安になり、ライゼンに聞いた。


「ねえ、ライゼン、ここどこか分かってる?」


「いや、坊ちゃんが分かっているかと思って付いてきただけですな」


「ええ。俺もライゼンが分かっているかと思って付いてきただけなんですけど」


 二人で顔を見合わせた。思っていたことは同じだったらしい。共に相手に合わせて付いてきたつもりだったと。


「どうやら迷子ですかな」


「みたいだね」


 ライゼンは大人だから迷子というのも変な話だが……よく考えたらこの人、適当に歩き回ってうちの領に辿り着いたような人間だった。自由奔放で特に考えずに動くのだろう。だからほっといたら迷子になる。


 よく言えば自由奔放。悪く言えば行き当たりばったりで何も考えていない。

 とにかく、しまったな。今度からはライゼンと歩く時は俺が主導権を持たないと駄目だ。


 でも今さらそれを考えても仕方がない。ここからどうしよう。適当に歩き続けたら、さらに王城から遠ざかるかもしれないよな。それでは本格的にやばいことになる。


 人に聞けばいいのだろうが、近くに人がいない。裏通りみたいな感じで、どんどん薄暗くなっていくような感じがする。もしかして、あまり近寄らない方がいい場所なのかもしれない。


 そこで俺は良いことを思い付いた。取り出したのは魔力視認魔道具だ。

 人には多かれ少なかれ魔力を発している。だから光が多い場所の方が光が強くなるはずだ。おそらく、そちらが王城方面だろう。

 倍率をやや上げて、周囲を見渡してみた。


「ああ……確かにライゼンは光が弱いな」


「光が弱い?」


「いや、何でもない」


 でも何となくライゼンから出ている光は均一な感じがする。むらがない。

 これは魔力が少ないからなのだろうか?そう考えるとおもしろい。人による魔力の見え方も、魔力の大小による見え方の違いとかも、もう少し研究した方がいいかもしれないな。


 そう思って周囲を見た瞬間――

 ゴミ箱のような場所が、やたらと強く光って見えた。


「……?」


 魔力の光が出ているということは、そこに生き物がいる?それとも魔石?俺は興味をそそられ、ライゼンに伝えた。


「ライゼン、あそこからかなり魔力が出ているみたい」


「レオン坊ちゃんはやっかいごとをよく拾うらしいので、何か問題が起きそうな予感がしますな。本来は放置すべきでしょう。しかし、仮に人であれば放置は人道に外れますな……」


 拾われてきたライゼンがそれを言うかな?と俺は思いつつも、確かにやっかいごとを拾うことが多いのは事実だから注意が必要かと思い、少し考えて話を続けた。


「まずは確認してみようよ。人だったら助ける。魔石だったらとりあえず拾う?」


 ということで俺とライゼンはゴミを押しのけた。というか、力仕事なのでほとんどはライゼンだけどね。

 すると――


 そこには女性が倒れていた。服は汚れ、ところどころ血が滲んでいる。かなりの怪我をしているようだ。

 そこで俺は思わず声をかけた。


「大丈夫ですか?」


 声をかけると、女性がゆっくりと目を開けた。


「……あれ? 貴族のような子供がいる……もしかして私、死んじゃった? ここは天国?」


「そんなわけないでしょう」


 俺は即座に突っ込みを入れて否定した。怪我しているみたいだし、延々ボケさせている場合ではない。


「ゴミ箱の中に入ってたから見つけて掘り起こしただけだよ」


「ああ……そうか……私は襲われて……」


 女性は苦しそうに息を吐いた。


「命からがら、ここに隠れたの……」


 なるほど……これは面倒ごとだ。

 やはりここで放置した方がいいかな?そう思いながら俺はライゼンを見上げた。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


ブックマーク、評価ポイント、レビュー、いいね、感想などもしていただけると励みになるかもよ?


その他、何らかの頑張れパワーをいただけると更に頑張れるかもです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。