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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
2-5章「王都からの帰還」

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第126話「王女様との再会」

#第126話「王女様との再会」


 王都に到着した俺たちは、前回と同じく王城の一室を用意してもらうことになった。

 俺と姉さん、そしてライゼンとエリシアさん。見慣れた部屋に案内されると、少しだけ緊張が和らぐ。


 ……とはいえ、問題はこれからだ。最低限の仕事は一つ。俺はレイゼンに変装して王女様に魔石を渡さなければいけない。

 でも俺はいつ王女様の部屋に行けばいいのだろう?

 やはり夜か?それとも昼間に正面から行くべきか?


 前回は魔道具をひっそり渡すつもりだったので、深く考えず夜に忍び込んだ。だけど、こうして冷静に考えると迷いが生じる。

 やはり昼は無理だろう。他の人に見られるのはまずい。でもまた夜に忍び込むのか?それもやはり難しいよな。

 答えが出ない。そこで俺はエレンさんにこっそりと相談した。


「ねえねえ、エレンさん、王女様に魔石を渡すのって、いつがいいと思う?」


 エレンさんはちょっとびっくりしたようだけど、少しだけ顎に手を当てて考え込んだ。


「明日の夜あたりがよろしいのではないでしょうか。今日は移動でお疲れでしょうし、ゆっくり休んで体調を整えてから動く方が安全です」


 自信満々の即答だった。

 凄いな、この人。

 俺は考えれば考えるほど決断できなくなるタイプだ。きっと明日になったら“やっぱり明後日にしよう”とか言い出すに違いない。最悪、この一週間で魔石を渡せなくなってしまうこともあり得る。

 そんな俺の心を読んだのか、エレンさんは続けた。


「不安そうですね。ならば私も手伝いましょう。私が見張りをしている間に、レイゼンに変装したレオン様が王女様の部屋へ向かえばよろしいでしょう」


「さすがエレンさん、それなら確かに安心だ!」


 やっぱりエレンさんは凄い。すぐに良い作戦を考えてくれる。

 エレンさんを巻き込んで申し訳ないけど、味方がいるとなると心強い。成功率も確実に上がるだろう。

 そう思うと、前回はよく一人で忍び込んだものだ。今さらながらその時の自分の度胸に感心する。あの時の俺、なかなか勇気があったな。まあ無鉄砲と紙一重でもあるのだが。


 そうしてエレンさんと簡単な段取りを確認していると、扉がノックされた。誰が来ただろう? 

 そうして、入ってきたのは――今、話題にしていたばかりの王女様だった。

 三カ月ぶりに見るその姿は、相変わらず可憐で、どこか前よりも落ち着いた雰囲気をまとっている気がする。


「レオン、また来てくれたのね」


 柔らかな笑顔でそう言われ、俺は一瞬言葉に詰まった。いきなりだったので困ってしまったのだ。


「は、はい。こちらのエレンさんが魔道具関連のお仕事で王都に来ることになりまして……私はその勉強のために同行しております」


「そうなの? それなら、王都に来る時は私のところにも来てほしいわ」


「は、はい。もちろんです」


 王女様は終始ニコニコして落ち着いている。対する俺は心の準備をしてなかったこともあり緊張しっぱなしで対照的だ。何を話せばいいのか分からない。


 ……何か言わなければ。

 だが、天気の話をするのも変だし。

 前世でも天気の話ばかりするのは“会話のない男なのね、クスクス”とか言われ馬鹿にされていたような気がする。

 さてどうしよう、そこで俺は何とか言葉を絞り出した。


「王女様はお元気そうで何よりです」


「ありがとうございます。ずっと体調も良くて。本当にありがたいことです」


 やばい、気まずい……もう会話が止まってしまった。どうしたらいいのだ?

 そうして、口が勝手に動いた。


「それと……ほんの三カ月しか経っていませんが、さらにお綺麗になられたと思います」


「ほ、本当ですか!」


 王女様の頬がみるみる赤く染まっている。これはまずい、やばい。ちょっと言い過ぎたかもしれない。失敗したかも。

 ちらりと横を見ると、エレンさんがジト目でこちらを見ている気がする。

 だが自分から振った話だ。ここで引くわけにもいかない。何か続けなければ。


「は、はい。とてもお綺麗になられたと思います」


「ありがとう、レオン。あなたも……少しかっこよくなっていると思うわ」


「ありがとうございます……」


 俺の顔もたぶん赤い。

 そうして王女様は満足そうに微笑み、そのまま部屋を後にした。


 静寂。そして。

 エレンさんの冷静な言葉が俺の胸に突き刺さった。


「レオンは天然の人たらしですね」


「でも……会話が思いつかなくて、つい……」


「大丈夫ですか? 自分からハードルを上げてしまいましたよ。次から毎回褒める必要があるんじゃないですか?」


「……え?」


 俺は青ざめた。どうして俺は、緊張するとこう余計なことを言ってしまうのだろう。いや、余計ではないのだけど、さすがにまずいよな。

 次は更に褒めないとだめなのか?もうボキャブラリーはないぞ?

 さすがに頭を抱えたくなる。


「エレンさん、アドバイスください……」


「分かりました。今後は女性に対する話についても勉強していきましょう」


「お願いします」


「でも、魔道具については大人顔負けで何でもできるレオンにも年相応に苦手なことがあるのはいいことだと思いますよ」


 少し悔しいが何も言えない。とにかく、同じような失敗をしないように女性の対応についても勉強するしかないだろう。

 王都滞在、初日から波乱の予感である。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


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べ、べつに何も無くても頑張るけどね、、、 (^O^)/

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