↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
2-5章「王都からの帰還」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
112/142

第111話「五人だけの秘密」

#第111話「五人だけの秘密」


 レオンがライゼン、そしてエリシアも呼んだことで、期せずして、レオンとオルド、エレンだけでなくライゼンとエリシアも同席することになった。

 せっかくの機会ということで、エリシアも秘密の輪に加える話を進めることとした。子供たちには解散してもらい、五人だけで話をすることに。


 そして場をまとめる役目は、この人しかいない。

 やはりオルドである。レオンのことになるとライゼン、エリシア、エレンは過熱気味、そして時に重たくなる。

 常に冷静に話ができるのはこの中でオルドが唯一と言っていいだろう。

 静かに一同を見渡し、オルドは口を開いた。


「レオン坊ちゃんを含めた五人にて、秘密の共有をしようと考えています」


 その声音は真剣そのものだった。


「これは、レオン坊ちゃんの話を絶対に外へ漏らしてはならないという協定のようなものになります。外に広がれば危険です。守っていただけますでしょうか?」


「もちろんです」とエレン。


「それは当然ですな」とライゼン。


「私も秘密は守ります」とエリシア。


 三人の決意に揺らぎはなかった。レオンはその表情にやや圧倒された。一方でオルドは三人の返事に満足して静かに頷き、話を続けた。


「レオン坊ちゃんは魔道具を修理できます。それ自体がとんでもないことですが、さらに改良や開発までも可能です。これは決して外に知られてはなりません」


「そうですね。国内で言えば、公爵家関連に漏れるのが最も危険でしょう。たとえ公爵家が直接動かずとも、他の貴族や裏組織がレオン坊ちゃんに危害を加える可能性があります」とエリシア。


 その言葉に、レオンは思わず息を呑んだ。


(そんなに大げさな話なのか? 確かに秘密にして欲しいとは言ってきたのだけど少しおおげさではないのか? いや、でも……)


 しかし、レオンはすでに魔道具の墓場を見ていた。あの遺棄された魔道具の数々を考えれば、修理できる者が現れれば狙われても不思議ではない。


(これまでにも魔道具の修理ができる人がいてもおかしくないはずだ。いや、普通に考えていただろう。でもそういった人が表に出ていないとするならば……政治的に抑えられているのかも。そんな状況で俺がひょっこり出ていくのは確かにまずいな。確かに狙われる可能性はあるかもしれない)


 レオンは自分の今の立場をある程度自覚した。そして背筋が冷たくなった。

 そのとき、ライゼンが口を開いた。


「まずはレオン坊ちゃんの特殊性についてはこの五人以外には完全に秘密にする。そして万が一その情報が露見した場合……私が魔道具の修理や開発をしていることにする。その作戦のままでよろしいですかな?」


「その方向でお願いします」とオルド。


 レオンは絶句した。そして二人の言葉を遮った。


「ちょっと待ってよ、……それじゃ、まるで俺がライゼンを盾にするようなものじゃないか。それは俺の本意じゃないよ。そこまでしなくてもいいから」


 レオンとしては秘密にして好きに魔道具が触れれば良いという思いだった。ライゼンに迷惑がかかるならそれは本意では無い。

 しかし、ライゼンは揺らがなかった。そして静かに首を振った。


「いえ。私はレオン坊ちゃんに救われた身。坊ちゃんの盾となって死ねるのなら、本望です。何でも申しつけください」


 その覚悟に、エレンとエリシアは息を呑んだ。ライゼンという男の忠誠は想像以上に重いものだと知った。 

 しかし覚悟ならば自分も負けてはいない。そう自負しているエリシアがまずは続いた。


「ならば私も命を懸けてレオン様を守りましょう。覚悟はできております」


 エリシアも、もともと決意をしていた。しかしライゼンの言葉がその覚悟をさらに強固なものにした形だ。

 そこにエレンも続いた。


「私もです。私には二人のような武力はありませんが、全力で命を懸けてレオンを守ります」


 三人の視線がまっすぐレオンへと向けられた。まるで命令を待っているかのようにも見える三人だった。

 しかしその姿にレオンは困惑した。


(重すぎるよ。ほんと、一体どういうことだよ。ライゼンだけでなくエリシアさん、そしてエレンさんまで。やっぱりおかしいだろ……)


 レオンはそう戸惑いながらも、自分を守ろうとしてくれるその想いは嬉しいと感じていた。しかし、どう声をかけていいのか分からない。

 その後、しばらくしてレオンは小さく息を吐き、真剣な表情で頷いた。


「ありがとう。みんなの気持ちは受け取っておくよ。でも本当に無理はしないでね。みんなに何かあったら悲しいから」


「「「分かりました」」」


 こうして――レオンの秘密を守る者たちが覚悟を決めた。更にライゼン、エリシア、エレンは自分たちが同志だと確信した。

 今後、どのようにレオンを守っていくのか?それについてもこの同志で考える必要がある。そうして三人の運命が今、完全に交差した。


 レオンの父ギルベルト、そして母セレナはしばらくはレオンも魔道具の修理などに没頭し落ち着くだろうと思っていた。

 しかし、今後のヴァルドリック領は別の意味で騒がしくなるのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。