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動物病院日誌   作者: じょんどぅ


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GWの「お出かけ」トラブル、あるいは旅路の誤算

GWの「お出かけ」トラブル、あるいは旅路の誤算


### 1. 浮き足立つ待合室

四月の末、京都の街は観光客で溢れ返り、当院の待合室にも「お出かけ前」の相談が増えてきます。

「先生、今年のGWはリゾートへ愛犬の『ベル』も連れて行くんです! 準備はバッチリ。でも、初めての長距離ドライブが少し心配で……」


ラブラドール・レトリバーのベルちゃんを連れた高橋さんは、期待半分、不安半分といった表情でした。


### 2. 「車酔い」は精神論では治らない

「高橋さん、犬の車酔いは人間以上に深刻です。三半規管が揺れに慣れていないだけでなく、『どこへ連れて行かれるか分からない不安』が吐き気を加速させるんです」




* **事前のトレーニング:** まずはエンジンをかけない車内でご飯を食べる、近所の公園まで $5$ 分だけ乗る、といった「車=楽しい場所」の記憶を上書きしましょう。

* **食事のタイミング:** 出発の $2$ ~ $3$ 時間前には食事を済ませ、胃を落ち着かせておくのが鉄則です。

* **最新の「酔い止め」:** 最近は、眠くならずに吐き気だけを強力に抑える素晴らしいお薬があります。お守り代わりに持っておくだけで、飼い主さんの心の余裕も変わりますよ。


### 3. 旅先に潜む「拾い食い」と「慣れない水」

楽しい旅先には、日常にはない危険が散らばっています。


1. **ドッグカフェの落とし穴:** 他のワンちゃんが落とした食べ残しや、テラス席の足元に落ちているタバコの吸い殻。興奮状態の犬は、普段しない「拾い食い」を突発的にしがちです。

2. **お腹のトラブル:** 「せっかくの旅行だから」と旅先で豪華なジャーキーや味の濃いものを与えると、高確率で下痢を起こします。胃腸もまた、環境の変化に敏感なのです。

3. **迷子防止の徹底:** 慣れない場所で大きな音に驚き、パニックで脱走する事故がGWは多発します。**「迷子札」と「マイクロチップ」**の再確認を。




### 4. ドッグランでの「見えないルール」

「先生、現地のドッグランも楽しみなんです!」と目を輝かせる高橋さんに、僕は少しだけ釘を刺しました。


「ドッグランは『遊ばせる場所』ではなく、**『愛犬から目を離さない場所』**です。相性の合わない子がいる時は、無理に入らない勇気も必要ですよ。春のドッグランは混み合いますから、咬傷こうしょう事故も増える時期です」


### 5. 最高の「おかえり」のために

「……なるほど。ベルが楽しむためには、私が一番冷静でいなきゃいけないんですね」

高橋さんは、ベルちゃんの頭を撫でながら、改めて気を引き締めた様子でした。


「先生、お疲れ様です。……GW明けって、旅先でお腹を壊した子たちがたくさん来ますよね」

河野が、旅行用のポータブル給水器のサンプルを片付けながら言った。


「そうだね。でも、事前にリスクを知って対策していれば、防げるトラブルがほとんどだ。五月の爽やかな風を、みんなが笑顔で感じてきてほしいよね」


窓の外では、新緑が眩しく揺れています。

連休明け、日焼けした飼い主さんと、少しだけ逞しくなった動物たちの「お土産話」を聞くのが、今から楽しみです。


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