表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/225

第83話 正装の旋律、領主公邸への招待状

魔力泥の怪物、そして暴走トイレ(?)を鎮めたリトル・リンクに、一通の招待状が届きます。

水都の英雄として招かれた、領主公邸での晩餐会。

戦いよりも苦手な「ドレス」と「社交」に四戦苦闘する五人。

しかし、きらびやかな会場には、彼女たちの名声を利用しようとする者や、快く思わない貴族たちの思惑が渦巻いていました。

果たして、五人は無事にディナーを終えることができるのか!?

新拠点のポストに、白銀の封蝋が施された一通の書状が届けられた。

「……差出人は、リフェルナ領主閣下。……内容は、……今夜、公邸で開催される……『水都復興記念晩餐会』への……正式な招待状です」

 セインが、眼鏡の奥の瞳を僅かに細めて告げる。

「ガハハ! ついにあたいらの時代が来たね! 名誉保守官様として、最高級の酒と肉を堪能してやろうじゃないか!」

 ケットルが、新調したばかりの『空歩の鉄靴』を脱ぎ捨て、期待に胸を膨らませて拳を握る。

「……晩餐会。……お肉、……食べ放題? ……血の、……ジュース、……ある?」

 ミルが、トースターから焼き上がったパンを咥えたまま、珍しく目を輝かせていた。吸血鬼の彼女にとって、公的なうたげは「合法的な御馳走の場」として認識されているようだった。

「……えっ、待って。……晩餐会ってことはさ、……うちら、……ドレスとか……着なきゃいけないの?」

 カノンが、自分の泥だらけの軽装と、新調したばかりの銀靴を見比べて顔を引きつらせる。

「……あたい、……そういうの、……借金取りから逃げるより、……苦手なんだけど……」

「……私も。……剣を、……持っていけない場所は、……なんだか、……落ち着かないよ」

 クレアが、腰の『切ない剣』を愛おしそうに撫でる。

 

 だが、名誉保守官としての公務は、戦うことだけではない。

 街の人々の信頼を繋ぎ止めることもまた、大切な任務だった。

「論理的に見て、……出席は不可避です。……リフェルナの議会との……円滑な関係構築は、……拠点の固定資産税の……減免措置に直結します」

 セインの非情な一言に、カノンが「減免……!」と膝を突いた。

 数時間後。

 拠点の広間は、臨時の「着付け会場」と化していた。

「ガハハ! あたいにそんなヒラヒラしたもんは似合わないよ!」

「……セイン、……これ、……きつい。……胸が、……苦しい」

「……論理的に、……耐えてください。……コルセットの締め付けは、……魔力伝導率の向上に……似たようなものです(嘘ですが)」

 カノンは、新調した銀靴を隠さない程度の、動きやすい短めのドレスを選んだ。

 背中の羽は、ドレスの意匠として巧みに隠されているが、本人の緊張のせいで時折ピクリと震える。

「……空中静止のほうが、……まだ楽だったかも……」

 そして、夕刻。

 美しく着飾った(あるいは着替えさせられた)五人は、リフェルナの中心部にそびえる領主公邸の門を潜った。

 

 煌びやかなシャンデリア、流れるような弦楽の調べ。

 泥にまみれて戦っていた昨日とは、あまりにかけ離れた眩い世界。

 

「……みんな、……失礼のないようにね。……今日だけは、……『最弱』じゃなくて、……『名誉保守官』なんだから」

 クレアが、慣れないヒールに苦戦しながらも、仲間たちに背筋を伸ばして囁く。

 だが、華やかな晩餐会の裏側。

 影の中から、五人を見つめる鋭い視線があった。

 それは魔力泥でも、徴収人でもない――水都の権力争いという、別の「闇」の気配だった。

 リトル・リンク、今日も(慣れない正装と、社交界の荒波に)ちょっとだけ成長中。

第83話をお読みいただき、ありがとうございます!

 今回は、久しぶりの休息……かと思いきや、別の意味での戦場(晩餐会)に放り込まれる五人を描きました。

 ドレスアップした五人の姿を想像すると、微笑ましい反面、カノンやクレアの居心地の悪そうな顔が目に浮かびますね。

 「カノンのドレス姿が見たい!」「セインの理詰め社交術が楽しみ」と思ってくださった方は、ぜひ下の**【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】**にして、評価いただけますと幸いです!

 皆さまの「星」が、五人の豪華なディナーと、物語を彩る新しい衣装の輝きになります!

 次回、第84話。

 貴族たちの嫌がらせ。

 そして、会場に現れた「本物の怪物」。

 お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ