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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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第60話 黄金の祝杯と、忍び寄る紫煙

いつも応援ありがとうございます。

今回から、物語のボリュームをぐっと増やしてお届けします!

遠征を大成功で終えたリトル・リンク。

手に入れた報酬で開かれる、最高に幸せなレバーパーティー。

しかし、光が強まれば影もまた濃くなるもの。

彼女たちの「城」を狙う、新たな敵の正体とは……?

リフェルナの街に、夕刻を告げる鐘の音が柔らかく響き渡る。

 運河の水面がオレンジ色に輝き、家々の煙突から夕食の準備を告げる煙が立ち上がる中、リトル・リンクの拠点――『魔道具師の家』のリビングには、かつてないほどの芳醇な香りが満ちていた。

「ガハハ! 見てな、この焼き加減! これぞドワーフ直伝、素材の魂を逃がさない『超火力・瞬間封じ』だ!」

 キッチンではケットルが、新しく買い直した厚手の銅鍋を振るっていた。

 ジュゥゥ、と心地よい音を立てて躍るのは、今回の遠征報酬で手に入れた、市場で一番高い『特上・霧降り牛の生レバー』。

 表面にはうっすらと焼き色がつき、中は驚くほどレアで、とろけるような弾力を保っている。

「……いい。……完璧。……ケットル、……天才」

 ミルの瞳が、いつになく爛々と輝いている。

 彼女はテーブルに並べられた皿の前に陣取り、ナイフとフォークを握りしめて今か今かとその時を待っていた。

 テーブルの上には、レバーだけではない。

 セインが論理的な配合で作り上げた、薬草入りの特製ソース。

 カノンが「これは経費だよ!」と言い張って買ってきた、リフェルナ最高級の白ワイン。

 そして、焼きたての香ばしいパンが山盛りに積まれている。

「よし、みんな揃ったね! 今回の遠征、本当にお疲れ様! ……それじゃあ、リトル・リンクの勝利と、これからの幸せに……乾杯!」

 クレアの音頭に合わせて、五つの杯がカチンと音を立てた。

「……んんっ! おいしい……! なにこれ、前の安物とは全然違う!」

 一口食べたクレアが、感動に肩を震わせる。

 口の中で広がる濃厚なコクと、雑味のない甘み。

 それは、彼女たちが「自分たちの手で」掴み取った勝利の味そのものだった。

「論理的に分析しても、この幸福度は過去最大値を記録しています。……質の高いタンパク質、適度なアルコール、そして何より、この『居場所』の安心感。……私たちの戦略的投資は、間違っていませんでしたね」

 セインが珍しく眼鏡を曇らせ、嬉しそうに白ワインを煽る。

 カノンも「これで当分は借金の心配もしなくていいしね!」と笑い、大きなパンにレバーを贅沢に乗せて頬張った。

 賑やかな笑い声が、魔導ヒーターの温かな風に乗って部屋中に広がる。

 窓の外では、夜の帳が静かに降り始めていた。

 しかし、その平和な拠点のすぐ外。

 運河を挟んだ向かいの建物の影に、一人の人物が佇んでいた。

 その男は、暗闇の中でゆっくりと細い煙草に火を付けた。

 揺らめく紫色の煙が、冷たい夜風に乗ってリトル・リンクの家へと流れていく。

「……あいつらが、例の『ゴーレムの心臓』を止めたっていう小娘どもか」

 男の瞳には、友情や敬意といった温かな色は一切なかった。

 あるのは、獲物を値踏みするような、冷酷で乾いた輝き。

 彼の背後には、複数の影が音もなく控えている。

「シルヴィアの女狐が手を焼くわけだ。……だが、俺たちのやり方はあんな甘っちょろいもんじゃない。……『古代回路』、そしてあの『魔道具師の家』の秘密……。まとめて頂かせてもらう」

 男が吐き出した煙が、リトル・リンクの家の窓硝子を撫でるように消えていった。

 リビングでは、まだ五人が新しい明日の夢を語り合い、笑い声を上げている。

 幸せな宴の裏側で、確実に動き出した巨大な悪意。

 リフェルナの街を揺るがす新しい嵐が、すぐそこまで迫っていた。

 リトル・リンク、今日も(最高の夜と、忍び寄る影の中で)ちょっとだけ成長中。

おかげさまで第60話という大きな節目を迎えることができました!

ここから物語は、リフェルナの街の利権を巡る大きな争いへと突入していきます。

ボリュームアップした『リトル・リンク』の活躍、これからも全力で描いていきます。

もし「レバーが美味しそう!」「続きの展開が気になる!」と思っていただけましたら、下の**【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】**にして応援いただけると、本当に飛び上がるほど嬉しいです。

ブックマークや感想も、ぜひよろしくお願いいたします!

次回、第61話。

翌朝、五人のもとに届いたのは、ギルドからの呼び出しではなく、街の自警団からの「ある通告」でした。

引き続き、応援よろしくお願いいたします!

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