第52話 蒼穹の伝言と、新しい依頼
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前回、ギルドの嫌がらせを「洗浄砲」で一蹴したリトル・リンク。
スカッとした展開の後は、物語がいよいよ大きく動き出します。
前の街でお世話になった恩人、アリスターからの突然の手紙。
彼女たちが選んだ次なるステージとは……?
昨夜の特上レバーの余韻が残る、穏やかな朝。
水都リフェルナの『魔道具師の家』に、一羽の伝成鳥が舞い降りた。
その脚に結ばれていたのは、見覚えのある青い封蝋。
「……これ、アリスターさんの紋章だね」
クレアが慎重に手紙を開く。
そこには、以前の街で彼女たちの『精密な連携』をいち早く見抜いた、Bランクパーティ『蒼穹の剣』のリーダーからの直筆が踊っていた。
『リトル・リンクのみんなへ。リフェルナでの活躍は風の噂で聞いている。
例の「轟雷の牙」が君たちに無礼を働いているようだが、あまり気にするな。
実は、近々こちらでも大きな遠征計画がある。
君たちの「狭所での制圧能力」を、もう一度貸してほしいと考えているんだ』
「論理的に見て、これは単なる再会の誘いではありませんね。……アリスター様は、私たちがリフェルナのギルドで孤立しないよう、外圧としての後ろ盾を買って出てくれたのでしょう」
セインが手紙の行間を読み解き、静かに眼鏡を押し上げた。
Bランク上位の『蒼穹の剣』がリトル・リンクを指名しているという事実は、リフェルナギルドの職員にとっても無視できない重みを持つ。
「……アリスター、……いい人。……また、……一緒に仕事、……したい」
ミルが遮光カーテンの隙間から、紅い瞳を輝かせる。
かつて「最弱」と笑われていた自分たちを、一人のプロとして扱ってくれた恩人の誘いだ。断る理由はなかった。
「ガハハ! 遠征か、面白そうじゃないか! ちょうど洗浄砲の改良案も固まってきたところだ。……次は『連射』ができるようにしてやるよ!」
ケットルが鼻息荒く、地下工房へと駆け下りていく。
カノンも不敵な笑みを浮かべ、短剣の手入れを始めた。
「……ふふ。前の街じゃ『おこぼれ』を貰う立場だったけど、次は対等な協力者だね。借金取りに追われてた頃には想像もつかなかったよ」
クレアは『切ない剣』の柄をそっと撫でた。
前の街を離れ、自分たちの『城』を手に入れ、格上の嫌がらせを跳ね除けてきた。
今の自分たちが、エリートである『蒼穹の剣』の隣でどこまで戦えるのか。
「よし……みんな、準備しよう! 今度はうちらが、アリスターさんたちを驚かせてやる番だよ!」
窓の外、運河を渡る風が心地よく吹き抜ける。
リトル・リンク、今日も(新たな遠征に向けて)ちょっとだけ成長中。
第52話をお読みいただき、ありがとうございました!
恩人からの報せに、パーティ全体が一段と引き締まる回となりました。
「最弱」だった彼女たちが、かつての憧れの存在と肩を並べる日が近づいています。
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次回、第53話。
遠征の準備を進める五人の前に、意外な「協力者」が現れます。
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