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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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196/225

第196話 招かれざる「最高位」、香るお忍びと王妃の降臨

四層の「主」を素材に変え、我が家に帰還したリトル・リンクを待っていたのは、白金の馬車よりもさらに「静かな」圧力を放つ一台の馬車でした。

 装飾は控えめ、けれど細部に施された魔導回路の緻密さは、王家直属の職人による国宝級のもの。

「……ふぅ。……だれ。……お外、……お花の……におい。……でも……、……お庭の……お花……じゃない。……ミル、……魔力……視る……一秒前。……あ、……きれいな……おばさま……。……おうじさま……の……におい……、……半分……まざってる」

 ミルが、静かに**『もう壊さない杖』**を抱えて玄関の隙間から覗き込みました。

 吸血鬼の彼女には、馬車から降り立った貴婦人を包む「慈愛」と「冷徹」が入り混じった、深淵のような黄金の魔力が視えていました。王妃・イザベラ様。レオナルド殿下が持ち帰った「携帯用洗浄便座」と、あまりに逞しくなった息子の変化に居ても立っても居られず、ついにお忍びでやってきたのです。

「ガハハ! 冗談じゃないよ! 王子様の次は王妃様かい!? アタシたちの家は、王家の別荘じゃないんだよ! ――セイン、玄関の『自動泥落としマット』を、最高級のシルク質感に切り替えな!」

 ケットルが、**『巨大背負い袋』**から「超撥水・防汚ナノコーティング剤」を床に散布しました。

 ドワーフの職人にとって、国母を迎えるのは最大の緊張。彼女は文句を言いながらも、王妃のドレスの裾が我が家の僅かな埃で汚れることさえ許さない、完璧な清掃術式を玄関ホールに展開しました。

「……論理的に見て、……王妃殿下の……来訪は……国家……レベルの……事態……です。……構造解析……。……っ、……護衛の……隠密……、……周囲に……十二名……! ……環境上書き……! ……室内の……湿度を……王宮……薔薇園……と同じ……四五%へと……固定……し、……最高位の……貴婦人を……迎えなさい……!!」

 セインの眼鏡が黄金色に輝き、我が家のリビングが「王宮の会談の間」を凌ぐほどの高貴な空間へと書き換えられました。

 ハーフエルフの理知的な瞳が、王妃の体調や気圧の変化を瞬時に察知。彼女の演算により、鳳凰の熱源は柔らかい陽光のような暖かさへと調整され、四層で手に入れたばかりの翠緑の魔石が、心地よい森林浴の波動を室内に満たしました。

「……あはは、……やっぱり……あっちの……王妃様が……玄関の……自動……靴脱ぎ機で……お上品に……驚く……ほうに……銀貨……三枚……!! ……ねえ、……クレア……、……あたいが……王妃様に……特製……干し肉……勧めるか……賭ける……!?」

 カノンが、銀靴を鳴らして王妃の背後に潜む護衛たちの気配を、遊びの延長で次々と「無効化」していきました。

 回避タンクとしての牽制。彼女は王妃が扉を開ける直前、不敵な笑みを浮かべて、私たちが四層で摘んできたばかりの「香草の雫」をティーカップに注ぎました。

 私は、虹色の筋が走る**『銀竜のドラゴニック・リンク』**を一度壁に掛け、背筋を伸ばしてドアを開けました。

「……ようこそ、イザベラ様。……狭い……我が家……ですが、……殿下が……愛した……『快適さ』……、……どうぞ……お確かめ……ください」

 私は微笑み、ベールを上げた王妃をリビングへと招き入れました。

 息子の語った「魔法のような生活」を疑いに来たはずの王妃が、玄関から一歩入った瞬間に、その機能美と快適さの「暴力」に圧倒されるまで、あと三秒。

 リトル・リンク、今日も(王国の母を「鳳凰の床暖房」と「翠緑の森林浴」で骨抜きにしながら)ちょっとだけ成長中

第196話をお読みいただき、ありがとうございました。

王子の次は、まさかのお母様(王妃様)が登場!

お忍びとはいえ、放たれるオーラは本物。しかし、四層の素材でさらにアップグレードされたリトル・リンクの家は、もはや王宮以上の贅沢空間になっています。

次回、王妃様、最新式トイレの「神々しさ」に王室存続の危機を感じる!?

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