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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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178/225

第178話 極寒の戦利品、氷鱗の「暖炉」と黄金の休息

泡の柱に包まれ、ポータルを抜けた先。そこに広がっていたのは、三層の絶対零度が嘘のような、鳳凰の魔力で温められた我が家のリビングだった。

 私たちは濡れた装備を脱ぎ捨て、リヴァイアサンの討伐証である「凍土の心臓」と、青白く光る「深淵の氷鱗」をテーブルに並べた。

「……ふぅ。……おうち。……あったかい。……ミル、……魔力……吸いすぎた……一秒前。……この……うろこ、……つめたい……のに……魔力が……熱を……守ってる。……ミル、……これ……抱っこして……寝る」

 ミルが、重厚な**『もう壊さない杖』**を壁に立てかけ、ひんやりとした氷鱗に頬を寄せた。

 吸血鬼の彼女には、その鱗が周囲の熱を吸収し、内部で純粋な魔力へと変換する独自の「熱交換回路」が視えていた。三層の主が持っていたこの特性は、過酷な環境を生き抜くための究極の適応能力だった。

「ガハハ! 冗談じゃないよ! こんなにデカい鱗、一枚でも金貨五百枚は下らないねぇ! ――セイン、こいつをリビングの暖炉に組み込んじまいな! 鳳凰の熱とこの氷鱗の循環があれば、家中が常夏のリゾートさ!」

 ケットルが、**『巨大背負い袋』**から「魔導ノギス」を取り出し、鱗の厚みを計測し始めた。

 ドワーフの彼女にとって、戦利品は飾るものではなく、生活を豊かにするための「部品」だ。金貨千枚相当の鳳凰の核に続き、またしても国宝級の素材を自宅の設備投資に回す。その大胆な発想に、彼女の槌音もどこか楽しげに響いていた。

「……論理的に見て、……鳳凰の……熱源と……氷鱗の……熱……バッファを……連結……させれば……、……理論上……、……燃費は……無限……に……向上……します。……構造解析……。……っ、……自動洗浄トイレの……温水……設定を……一ミリ単位で……保持……可能……! ……環境上書き……! ……我が家の……室温を……常に……二十四・五度へと……固定……しなさい……!!」

 セインの眼鏡が黄金色に輝き、暖炉の火が青白く、しかしどこまでも優しく燃え上がった。

 ハーフエルフの理知的な瞳が、家全体の魔力配線を最適化していく。彼女の演算により、鳳凰の「攻めの熱」とリヴァイアサンの「守りの冷気」が完璧な調和を見せ、我が家は世界で最も快適な魔導建築へと進化した。

「……あはは、……やっぱり……あっちの……新しく……なった……お風呂が……一番……早く……沸く……ほうに……銀貨……三枚……!! ……ねえ、……クレア……、……あたいの……銀靴……、……氷鱗の……コーティングで……水の上も……走れるように……なるかなぁ!?」

 カノンが、銀靴を脱ぎ捨ててソファで跳ね回った。

 回避タンクとしての興奮は、今や「次なる改造」への期待へと変わっている。彼女はすでに、滑る氷を逆手に取った三層での戦いを糧に、さらなるスピードの向こう側を見据えていた。

 私は、虹色の筋が走る**『銀竜のドラゴニック・リンク』**を丁寧に拭き上げ、仲間の笑い声に耳を傾けた。

 二層の鳳凰、三層のリヴァイアサン。強敵を倒すたびに、私たちの家は賑やかになり、そして少しずつ「最強」への階段を登っている。でも、一番大切なのは、こうして無事に帰ってこられたこと。

「……ふふ、……カノン。……水の上を走る前に、……まずは……ゆっくり……温泉に……入ろう。……三層の……疲れを……全部……流しにね」

 私は微笑み、仲間たちと共に、黄金色に輝く温泉へと向かった。

 三層を制した「証」を家の温もりに変えて、私たちは明日への力を蓄えていく。

 リトル・リンク、今日も(金貨千枚の素材を贅沢に私生活へ注ぎ込み、極上の休息を味わいながら)ちょっとだけ成長中。

第178話をお読みいただき、ありがとうございました。

三層の激闘を終え、再び「我が家」のバージョンアップ回!

鳳凰とリヴァイアサン、二つの階層主の素材が組み合わさり、自宅はもはや王宮以上の快適さを手に入れました。金貨千枚級の素材をさらりと設備投資に回す潔さは、リトル・リンクならではですね。

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