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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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138/225

第138話 目覚めの香り、ポータルが繋ぐ「戦場への回廊」

新居の窓から差し込む柔らかな朝陽が、セイン特製の野菜スープの香りと共にリビングへと広がっていきました。

 自動洗浄トイレの規則正しい作動音で目を覚ましたクレアは、昨夜の激闘が嘘のように軽くなった身体を伸ばし、枕元の白銀の剣に手を伸ばしました。

「……ふぅ。……あさ。……おめめ、……ぱちり。……スープの……におい、……ミルの……お鼻……くすぐる。……お腹……ぺこぺこ。……元気……でた」

 ミルが、寝癖のついた銀髪を**『もう壊さない杖』**の微かな風で整えながら、食卓へとふらふらと歩み寄りました。

 吸血鬼の彼女にとって、良質な睡眠と適切な栄養補給は、魔力回路を再起動させるための聖儀に等しいものでした。昨夜のレバー煮込みのおかげで、その頬には健康的な赤みが差していました。

「ガハハ! 冗談じゃないよ! アタシの関節も、昨日磨いたパチンコみたいに絶好調だねぇ! ――さあ、しっかり食べておくれよ! 今日はあの石碑の先、……菌糸の塔をぶち抜きに行くんだから!」

 ケットルが、**『巨大背負い袋』**の予備パーツを点検しながら、山盛りのトーストを頬張りました。

 ドワーフの彼女は、昨夜のうちに全員の防具の綻びを直し、魔導回路の接点を洗浄し終えていました。職人としての準備は万端。あとは戦場でその成果を試すだけだと、不敵な笑みを浮かべていました。

「……論理的に見て、……エネルギー……摂取量は……最適値……です。……構造解析……。……っ、……石碑の……座標……、……ポータルの……安定性は……九十九パーセント……! ……環境上書き……! ……私たちの……居場所を……深淵へと……戻しなさい……!!」

 セインが、眼鏡の汚れを拭き取り、黄金色の魔力を指先に灯しました。

 ハーフエルフの彼女は、朝食の片付けを魔法で一瞬にして終わらせると、リビングの中央に石碑と同期した「青い光の渦」を出現させました。自宅のリビングから戦場へ直結する。それは、彼女たちの利便性を極限まで高めた、知恵の結晶でした。

「……あはは、……一秒……どころか……コンマ……一秒……! ……あたい、……準備……満タンだよぉ!! ……誰が……一番に……飛び込む……!?」

 カノンが、磨き上げられた銀靴の踵を鳴らし、光の渦の前で軽快に跳ねました。

 回避タンクとしての集中力。彼女は玄関を出るのと同じ気軽さで、死の危険が潜む迷宮の深部へと足を踏み入れる覚悟を、その笑顔の裏に秘めていました。

「……よし。……行こう、みんな。……私たちの……場所へ!」

 クレアが、**『銀竜のドラゴニック・リンク』**を腰にしっかりと固定し、仲間に頷きました。

 温かな我が家と、冷酷な迷宮。その二つを自在に行き来する力を得た彼女たちは、もうかつての「追い出された弱者」ではありませんでした。

 五人が光の門を潜ると、そこは再び、雪のように白い胞子が舞う「菌糸の森」でした。

 リトル・リンク、今日も(自宅の快適さを背負いながら、再び深淵の謎へと挑むために)ちょっとだけ成長中。

第138話をお読みいただき、ありがとうございました。

拠点での休息を終え、再び「菌糸の森」へと舞い戻った一行。

リビングから戦場へ直結するポータルは、もはや彼女たちの強力な武器の一つと言っても過言ではありません。

英気を養い、装備も万全。

次なる目的地、あの白く巨大な「菌糸の塔」の内部には、一体どのような生態系が待ち受けているのでしょうか。

「セインのポータル設置場所が便利すぎるw」「ミルの寝癖描写が目に浮かぶ……」と思ってくださった方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援いただけると励みになります!

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